2017年5月、三十路に差し掛かる男2人(モロズミ、ヤマシタ)で「シベリア鉄道のりかえ北欧を目指す旅」に出ました。その時の記事をまとめます。
この日の旅程
5月21日、この日は1930km を移動。この日通過した駅は、オムスク、イシム、チュメニ、エカテリンブルグ、ペルミ、バレジノです。前日よりさらに移動距離を伸ばして、1日で2000km近く移動しました。かっ飛ばすロシア号は、揺れが強くて若干怖かったです。
ロッシのいない朝
シベリア鉄道6日目の朝はいつものようにロッシが起こしてくれることなく始まった。
毛布がきれいに畳んであり、ロッシの姿はなくなっていた。夜中にオムスクに着いたとき、気を遣って起こさないでくれたのだった。ヤマシタはオムスクに着いたときに目覚めて駅のホームに出たも、もう姿はなかったという。
こんなにもお世話になった人を見送ることもできなくて落ち込みながら珈琲をすすると、絵葉書に何やら文字か書いてあることに気づく。
ロッシからの手紙だった。
慣れない英語をグーグル翻訳をつかって書いてくれたんだろう。
おはようシベリア。モスクワまで2500㌔過ぎました。時差の影響で朝日の角度がずっと変わらない。ずっと一緒だった軍人ロッシは夜中に下車してしまい、一生懸命英語に訳した手紙がコンパートメントに残してありました。ああいい人だった。。。ロッシのいない朝 pic.twitter.com/uTeV8KrXJK
— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年5月21日
こんなに素晴らしい人に何も言えなかったなんて残念すぎる。。朝から2人で落ち込む。
チュメニ駅に到着
チュメニ駅のプラットフォーム。大きい駅で地下道が通る。
チュメニは、人口68万人のロシアでは比較的大きく、シベリアで最も古い都市としてて知られている。緑色の北京行きの列車が停車しており、こちらは欧米人もアジア系の人の乗客が多かった。車掌は男性のほうが多かったのも印象的だ。
ちなみに、ロシア号の車掌さんはほとんど女性で、制服が結構おしゃれ。
ロシア号の車掌さんと
朝食は、ヤマシタがアコギギターで得た戦利品、インスタントマッシュポテトとソーセージ。
ごっつええ感じを観ながら
このタイプのソーセージは、レンジでチンして食べるものだとロッシが教えてくれた。露店で購入した人は、覚えておくべし。車内の後方部の車掌室にいくと電子レンジでチンしてくれた。
シベリア鉄道ロシア号の車両はこうなっている
さてロッシもいなくなっていよいよロシア号での話し相手がいなくなった。そういうわけでロシア号をもう少し散策しよう。
ロシア号の寝台車は1等、2等、3等にわかれており、3等は最も格安なので多くの旅人が利用するらしい。ぼくらは優雅に2等の寝台車で暮らしていたので、ここで悪名高い3等の寝台車を見学しに行くことに。ヤマシタ曰く、ロシア号の前方部に位置し徒歩で7分くらいするという。
そういうわけでGoProで撮影しながら、ロシア号の2等寝台車から3等寝台車に移動してみた。ロシア号の内装がわかる動画になったので、ここにてシェアします。
早送りでお届け。
シベリア鉄道の車両内部を探検!先頭車両までいってみたけど遠すぎた
3等寝台車のある車両は列車の前方部に集中しているため、最後尾の車両から食堂を超えてさらに4回ほど車両を乗り換えたところにあった。
シベリア鉄道ロシア号の三等寝台車の内装
噂で聞いていた通り、カオスっぷりが半端ない。
3等寝台車は個室ではないので、このように他人と寝台を隣にするようになっている。貴重品の扱いや、睡眠時のイビキなどに敏感な人にとってはこれで七日間はなかなかタフだろうと察した。2等席と3等席は1万円くらいしか変わらないので、多少奮発しても2等寝台車を予約するほうが賢明な判断だろう。
途中の車両には、シャワーと障がい者用の部屋が設置されていた。
障がい者用の部屋は、最初はトイレだと思ったのですがそうではなく部屋だったようです。@sibe_tetsuさんが教えてくれました。
それぞれに面白い旅が展開しているよね。「シベリア鉄道退屈だった」という人の気が知れない。ところで、障がい者用のトイレでなく障がい者用の部屋だった思います。車いすのマークにベッドの番号が書いてあるでしょ。通路が広くなっていて、ベッド長軸が進行方向ツインにセットしてあったと思います。
— シベリア鉄道 初級講座(ツイッター版) (@sibe_tetsu) 2017年6月30日
@sibe_tetsuさんはシベリア鉄道の様々なことを教えてくれるのでぜひフォローをおすすめします。
W杯開催の地、エカテリンブルクに到着!
しばらくして、エカテリブルグ駅に到着
人口100万人を超えるこの大都市は、世界史でも出てくるあのエカテリーナ1世にちなんで名付けられた都市だという。大規模な街に比例して駅のプラットフォームも大きかった。
こんなに多様な街がいくつもあるのに、停車時間が限られていて街を散策できないのは悔やまれる。
ロシア号の車内食堂で食事してみた
そういえばロシア号の車内食堂でアレキサンドロ大佐に奢ってもらったビフテキ以外、何も食していないし、ずっと使わないでいたルーブルもあまりそうなので食事をしてみることに。
メニューは分厚く、ロシア語と英語両方で表記している。
ビールとボルシチとビーフステーキを注文。ビーフステーキ薄く硬かったけどもボルシチは普通においしかった。ヤマシタはバーベキューリブを注文。さらにビールを注文して4本注文してお会計。
計2400ルーブル(約5000円)なので、一人あたり2500円と優しい値段。
腹を満たして部屋に戻り、シベリア鉄道後半の暇つぶしにふける。
ペルミ駅に到着。天気が悪い。
あまったルーブルを使い切るため駅でペットボトルでビールを買い込む。旅行者だからなのか、パスポートを提示されるようにいわれる。「パス」とロシア語でいってきたらパスポートのことだと覚えておくといい。
列車に戻り、昨夜購入した燻製の魚「オームリ」をつまみにするために解体することに。
バイカル湖名物の魚らしいのだがシベリア鉄道の路線沿いの露店で燻製で売られているので割といつでも食べることができる。
なぜか裁きが上手いヤマシタ。
脂がのっていて美味しくいただく。
「オームリは食べておけ!」と教えてくれたロッシがいないロシア号は少し心細いけども、
モスクワまで残り 1154km くらいなら乗り越えられるだろう。