
By: Raymond Bucko, SJ – CC BY 2.0
北欧は「大学の学費がかからない」で有名ですが、それは北欧の人だけじゃないんです。留学生でも学費が無料な国があるんです。
ぼくが2012年にスウェーデンに来た年から、スウェーデンは留学生には学費を課すようになってしまいました。逆に言えば、それまでは留学生(日本人でも)スウェーデンの大学に留学した際には学費を払う必要がなかったのです。
じゃあスウェーデン以外の北欧の国ではどうなってるか、と思って調べてみたら、やはりまだありました。未だに留学生でも学費が無料の国。
今でも留学生でも大学の学費が無料の国はノルウェー → 2023年秋から学費の有償化が実施されました(詳細は「追記」で)
ノルウェーでは、博士、修士、学士どのレベルに関わらず、さらには国籍にもかかわらず学費は無料だときっぱりこちらで明言しています。実際には、学期手数料を半期ごとに払うらしいのですがその額500NOK (2014年8月現在約8400円)のみ。
しかもこの手数料には、学生福利料も含まれているので、大学の保健サービスやカウンセル、運動・文化的活動施設などが利用できるようになるとのことです。さらに、学割にも適用される学生カードを習得できるようになり、通勤や文化的イベントのチケットも安く手に入るようになるみたいですね。就労も週に最大で20時間まで許されているようです。
実際にノルウェーの大学院に通っている日本人学生さんのHousecatさんも無料で大学院留学する方法という記事でノルウェー留学をお勧めしています。
さらに留学生なのに返還不要の奨学金もうけとることができます。
また、日本では知られていないことですが、一定の条件をクリアすると、留学生も返還無用の奨学金をもらえます。私は大学院進学にあたり、約100万円支給されていました。
学費無料のノルウェー+留学生にも返還不要の奨学金100万円を支給
なんて太っ腹なんでしょうね・・・。
北欧なら英語で質の高い教育も受けられる
あ、ちなみにノルウェーだろうがスウェーデンだろうが、ヨーロッパでは英語で開講されているプログラムが豊富です。なので、ノルウェー語が話せずとも大丈夫なのです。「学費が安くていいな〜だけどノルウェー語話せないからな〜」の心配なしです。さらには、北欧の大学はハイレベルな教育でも有名です。
QS世界大学ランキング2012/2013では、上位500校に北欧は合計で25校(スウェーデン8校、フィンランド8校、デンマーク5校そしてノルウェー4校)がランクインしています。またスウェーデンは、2014年のある調査によるとアメリカに次いで、2番目の世界最高の高等教育が受けられる国と格付けされたとThe Localで報じられました。
同記事の「なぜストックホルムはヨーロッパのボストンなのか?」というタイトルからもわかるように、世界トップクラスの大学がストックホルムには多数あります。スウェーデンの人口規模は900万人程度なのに、こういった点からその底力が伺えます。
大学の学費が安いヨーロッパの国は他にもある
ドイツでも運営費が280ユーロ(5万円以下)でこれに地下鉄年間パス付きなので、学費はほぼなしに等しいです。ベルリンだったら生活費もめちゃめちゃ安いんで(なぜかベルリンは首都なのに物価がぶっとんで安い)、若い人にはやっぱ助かりますね。
ドイツは州ごとによってかかる大学の学費が異なるようです。さらには政党によっても左右されるのです。しかし、最近ではEU圏以外の学生(日本を含む)にも学費を課す一部の州もでてきました。
先日からドイツの大学の授業料に関するニュースが話題になっています。これまでドイツでは、国籍問わず大学の学費は無料でしたが、バーデン=ヴュルテンベルク州は、非EU圏からの留学生に対して年間3000ユーロ程度(暫定)の授業料を徴収することを決定しました。
それでも、年間で約11万〜17万円程度なのは非常に魅力的です。
またヨーロッパの他の国でも学費は安いです。以下の記事に詳細が書いてありますが、高くても年間の学費は30万円もいかないところばかりです。

ちなみにですがスェーデンは学費を有料化をしましたが、ぼくは幸いにも学費を払わずに大学院生活を送ることができました。特別な事情があるからなのですが、詳細を知りたい方は以下から記事を読めます。

国際的にみて高い日本の大学の学費
経済協力開発機構(OECD)によると、日本は特に国公立大学の学費が、比較可能な国の中で5番目に高く、かつ給与型奨学金(返済しなくていいやつ)は3%しかなく、「奨学金を受けている学生の割合が少なく、特に給与型奨学金の割合が小さい」と指摘されているのです。(学費を無料にせずとも、財政的な援助によって高等教育へのアクセスが可能にならない限り、日本の大学には居づらくてしょうがないですね。)
これは裏を返すと、この記事からでもわかるように、学費が少なく(or 高いかつ)奨学金も返済しないで借りられる国が世界には、あるということです。
大学留学の前にプチ留学をおすすめるする理由
「海外留学」となると、アメリカやイギリスなどの英語圏にすぐ飛びつきがちですが、それ以外の国でも十分に英語だけで勉強でき、かつ学費がほぼかからない国はあるもんです。(アメリカ、英国は学費が高くて有名ですね)しかし、こういう情報はなかなか日本語では入ってきませんので、ぜひそんなときは英語でググってみるのをお勧めします。日本語の10倍は情報量が違います。例えば留学エージェンシーでも英語圏の情報はありますが、北欧の留学情報は少ないです。
スウェーデンへの私費留学を考えている人は、やはり英語のスコア(TOEICじゃなくてTOEFL)が最低80点は必要なので、一度、英語の勉強のためだけにフィリピン短期留学などを活用して訓練するのをお勧めします。
ぼくはそれなしでTOEFLを独学で勉強して、スコアを上げていったので、結果、ものすごい費用も時間もかかりました。例えば、TOEFL受験料一回2万円で10回受験したのでこれだけで20万円です。恥ずかしながらそれでも点数は、留学前は基準点を超えませんでした。
今思い返せば、これだけ投資するなら、フィリピン短期留学で英語力を短期集中で鍛えればよかったです。実際に同じく北欧へ留学したぼくの後輩はフィリピンで英語を3カ月ほど修行してからフィンランドへ渡りました。日本の約1/3~1/6の物価なので、欧米に比べ約1/3の低価格で英語留学が可能だそうです。(日本での英語学習は高くつきすぎます)
フィリピン留学エージェントには、NILS(ニルス)やヒューマンアカデミーがあります。最近は「スマ留」もフィリピン留学を始めたようです。
おすすめしたいデンマーク留学
大学への留学ではなく、もう少しゆるめの北欧留学を希望するならデンマークでワーキングホリデーをとって現地の「市民大学(ホルケホイスコーレ)」に入学するのをおすすめします。これなら1年間ワーホリビザで滞在でき、かつ英語の授業を受け、希望ならその後住み込みもできます。その分、学費、生活費込みで月10万くらいはかかるそうですが、それでも他の英語圏の国より安いのは明らかです。
(スウェーデンにはワーホリがなく、市民大学も英語の授業がほぼないので厳しい。)
手元にお金があればこちらもいいです。学部時代の大学の先輩、後輩はこれを利用する人が多かったです。
おすすめの留学会社は?
ビネパル出版/北欧留学情報センター
北欧留学に関する本を数々出版しているビネパル出版/北欧留学情報センターは、ぼくも大変世話になりました。ただし留学エージェントではありませんので、あくまで情報提供とアドバイスをもらえるだけです。ぼくは徹底的に調べた後に最終確認の意味も込めて相談にのってもらいました。
北欧留学・語学を体験しませんか?|北欧留学情報センター(ビネバル出版) 私たちは東京の神楽坂を拠点としデンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語、フィンランド語、アイスランド語の語学教室、北欧留学情報の提供を行っています。また北欧関連書籍の刊行、北欧視察旅行のコーディネート、北欧語通訳派遣、翻訳なども請け負っています。
英語の語学学校を斡旋エージェント「ラングペディア」
僕のおすすめは英語の語学学校を斡旋していて、良心的な価格設定をしている「ラングペディア」です。
ラングペディア
語学留学・英語留学なら最低価格保証のラングペディア Langpediaで留学の個人手配・自己手配を実現。サポートは無料、授業料はすべて最低価格保証!自分で手続きするから格安に語学留学を実現できます。
英米はもちろんですが、ヨーロッパの他の国だと、アイルランド(ダブリン)、マルタ、スペイン(バルセロナ)、フランス(パリ)、ドイツ(フランクフルト)で語学学校を見つけることができました。それぞれの国の言語をここで学ぶことができます。
Sprachcaffe(シュプラッハカフェ)という語学学校のグループがあるようで、ヨーロッパの以上の都市に点在しているようです。以下の学校は、バルセロナのシュプラッハカフェです。
ちなみにマルタ島は、地中海に浮かぶイタリアの南に位置する島ですが、ここはヨーロッパの留学生の「英語留学の聖地」となっているらしいです。なぜなら公用語が、マルタ語と英語だからだそうです。気候もいいし、飯も美味いだろうし、将来的にヨーロッパ留学を考えている人は、ヨーロッパの友達もここで作れるしいいだろうなあ…。ここの学校のページからみるともはやバカンスですね。。
これらのヨーロッパの語学学校は、ラングペディアのトップページから、[国から選ぶ]→[全ての学校・国]→[場所]で検索結果を絞ってみるとこれらの学校が表示されるので確認してみてください。詳細は以下の記事からどうぞ。
最近、北欧への留学者も増えているようなので、直接問い合わせてみましょう。
海外の語学留学ができる学校がみつかる「スマ留」
スマ留は、最近の新しいサービスです。とてもきれいなホームページですね。
料金体系も明確で、追加料金が一切ないという点が評価できます。
個人的にいい点だと思ったのが、
・渡航先(行きたい国)×渡航期間(学校へ通う期間)さえ決まれば留学費用が明確に。 後から追加費用もなく、最初に提示した価格が上がらない ・同一価格で語学学校が自由に選べる。従来は語学学校ごとに授業料等が違いますが、
スマ留は同一価格。費用を気にせず語学学校を自由に選ぶことが可能。(これすごい!)・JTBグループの「JTBグローバルアシスタンス」と業務提携をし、総勢3000名の海外生活を知り尽くしている現地スタッフがいる
・上場企業のグループだから破綻の心配がいらない
以上の留学エージェントに頼るもよし、独自で開拓するもよし、北欧留学のためにまず第一歩を踏み出しましょう。
追記(2025年1月4日現在)
ノルウェーの学費有償化
これまで非EU/EEA(欧州経済領域)諸国からの留学生に対して学費が無料であったノルウェーですが、2023年秋から学費の有償化が実施されました。これにより、日本を含む非EU/EEA諸国からの留学生は、学費の支払いが必要となっています。ただし、EU/EEA加盟国およびスイスからの留学生については、引き続き学費は無料です。
ドイツの学費状況
ドイツの国公立大学では、引き続き多くの州で留学生に対して学費が無料、または非常に低額な共済費(Semesterbeitrag)のみが必要とされています。ただし、一部の州や私立大学では、非EU圏からの留学生に対して学費を課す場合があります。具体的な費用や条件は各大学や州によって異なるため、最新の情報を各大学の公式ウェブサイトや留学情報サイトで確認することをおすすめします。
留学を検討する際の注意点
各国の学費制度や留学生に対する政策は、年々変更される可能性があります。留学を計画する際には、最新の情報を各国の教育機関や公式情報源から直接確認し、正確な情報に基づいて準備を進めることが重要です。