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海外留学先の国はどうやって決めたらいいか?|日本人が海外留学を検討するなら知っておきたい3つのこと

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北欧へ留学する方法

最近、日本の学部の頃の後輩から海外の大学院への進学について相談にのりました。

そこでやり取りした内容がこれから留学を考えている人にも役に立つだろうと思ったので、まとめます。

1. 海外留学先の国はどうやって決めたらいいか?

よく、「AといえばBの国が先進国なのでB国へいきたいんです!」という人がいます。

例えば、

「北欧の福祉水準は世界的に高いから福祉やるなら北欧にきたいんです!」

「エミール=デュルケムをやりたいからフランスの大学にいきたいんです!」

「ヨーロッパよりアメリカの社会学の方が実践的だからアメリカにいきたいんです!」

といった発想です。

確かにそうなのですが、知っておいたほうがいいのは社会科学の学問の世界においては、地域性にこだわる必要もそんなにないということです。

アメリカにいても北欧の福祉政策のことは研究できます。なぜって、研究論文は世界中で読めるからです。

とくに抽象度の高い研究、例えば文献研究だったり定量的な分析の場合特にあてはまります。哲学思想やるのなら、わざわざ海外にいくよりも東大いったほうが日本語文献も読めるし、複雑な論理も母語の日本語でバリバリ研究できますよね。

2. 地域性を重視すべき時はこういう時

ではどういう時に地域性を考慮すべきか?

それはケーススタディなどの質的研究が絡む時です。

例えば、、

「スウェーデンの若者支援の現場においてどう若者参加が議論されているか」

とか

「マラウィの中等学校においては教員が参加型教育を実践する際にどのような課題に直面しているか」

といった具合です。

つまり、その特定の地域で実際に起きている社会現象の分析を、現場に入ってインタビューするなどしてデータを収集しなければいけない時に地域性にこだわる必要が出てきます。当たり前といえば当たり前ですよね。

こういう研究をする人は、その国まで実際に足を運んでデータ収集をしている人が多いです。ぼくも初めてスウェーデンに留学した時はその通りでした。逆にデータがその地域にいなくても入手できる場合、南アフリカにいようがロシアにいようが研究自体はできてしまいます。

社会学以外だったら、例えば実学系(医療、法律など)や芸術などの、現地で即戦力として使える学問をやる人の場合は、もちろん地域性は重要です。現地の仕事に直接結びつきますから。むしろ、その国に行く明確な理由とその後のプランがあるからこの分野を学びに行っているのだと思いますが。(逆に、社会科学系で哲学とかやってると仕事に直接結びつきにくいっていう)

こういうことを考えると、海外留学先の国を決める時に大事にしたいことは、いかにしてその国に出会うかが大事だと思います。ぼくはスウェーデンのスタディーツアーに2010年に参加したときにスウェーデンに出会い、この国のデータを集めたいと思いました。

まだそういう国がないのなら、流れに身を任せてしまうのもありです。日本人がそもそも海外の大学院に進学すること自体がとても難しいので、申請できる大学には国を問わずにしまくって、合格したところにいくのもありです。それがある意味「出会い」ともいえます。その上で、ある特定の国にどうしても行きたかったら、一旦大学院に入学してその大学から別に国に留学したりすればいいのです。ぼくもスウェーデンから東京に留学しましたし。

3. その学問、日本語でやったほうがよくないか?

海外の大学への進学を考える時に、知っておいたほうがいいことの2つ目は、学問自体は「母国語でやったほうが効率が良い」ということです。

海外の大学院では英語で文献を読んだり講義を受けたりしますが、だからといって英語だけで学問をやる必要はないのです。もちろん、課題論文は英語で書くことになりますし。プレゼンも英語です。なので英語で課題に取り組めるようになるのを普通にする努力はしないといけません。

しかし、だからと言ってすべてを英語でやる必要はありません。以下の記事でも書いてありますが、日本語で学べるものは学んでしまって良いとぼくは思っています。

参考記事

海外大学院へ進学する前に日本でしておきたいたった1つのこと 英語勉強はもちろんですが、それ以上に日本語の文献を読むことが大事です。 学問で「英語」よりも大事なのは? なぜなら、 母国語なので日本語で知っているだけで、理解の早さと深さが違う…

特に社会学の古い文献になると英語の難易度も格段に上がって高い読解力を求められます。が、課題を終えるには「英語の読解力」を上げている場合じゃないんですよ。 課題を出さなきゃ意味がなくて、そのためにありとあらゆる手段で、社会学の巨匠たちの言っていることを理解して論文に盛り込まなきゃいけないんです。

そのためには日本語で文献になっているものを読むことは全然ありです。その上で原文を読むと理解も深まります。むしろ哲学研究などの場合、日本国内の大学の方がいい場合だってあります。教育学でいうと、東大のある研究室の研究の質の高さにはいつもストックホルム大学の学生たちが驚いています。

4. 経済的な理由で留学を諦める必要はない

その他、海外留学、海外の大学への進学を検討している人が知っておくべきことは、お金がなくても何とかできるオプションがあるということです。

以下の記事では、ヨーロッパの大学の学費についてまとめていますがその安さに驚きます。

参考記事

学費が安いヨーロッパの大学13カ国をまとめました。 北欧では今でも留学生でも学費が無料な国があります。 北欧以外のヨーロッパの大学も、やはり日本と比べたら断然学費は安いです。今回は北欧や英米などの国以外のヨーロッパの国の学費をまとめてみました。こんなに安いんですね。

さらに海外留学するための返済しなくていい奨学金だって今では多くあります。

参考記事

完全版!日本人でも志願できる海外の奨学金情報46プログラムをまとめました(随時更新) 今回は、日本人が海外留学で志願できる奨学金サイトをまとめます。こちらのメインブログの記事でもいくつか紹介していますが、ここでは出し惜しみせず紹介します。後日、発見した奨学金情報もここに追加していきます。国内、全世界、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの順に紹介します。そのサイト数なんと48に及びます。

また、現地で働いてしまうのもありです。忙しくなるのであまりお勧めできませんが。実際、僕自身はスウェーデンの大学院に入学した時は、奨学金もすべて落ちたので現地のIT会社に雇ってもらって生活費を捻出していました。(学費は諸事情によりかかりませんでした)

ブログでの副収入ももちろん、北欧での高い生活費を支えてくれました。海外ブログは本当にバカにならない収益になりますよ。他にも日本人が海外でできる仕事は色々あるので、それで生活費を賄うことは十分に可能です。

参考記事

海外在住の日本人ができる仕事はこんなにある!自分だけの「ナリワイ」をつくりましょうよ。 今回は、日本人が海外にいながらにしてできる「ナリワイ(生業)」にはどんなものがあるのか、そして実際に「ナリワイ」にするためのサービスをまとめてみました。何も現地就職やバイトだけが食い扶持に繋がるわけではないことがよくわかります。

以上、海外留学を検討するなら知っておきたい3つのことをまとめました。

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