北欧研修とは
今年も日本福祉大学の北欧研修を3月に開催しました。この企画は、「研修」と題していますが、実質は「両角が北欧に研究しにいくから来たい人ついてくればいいじゃん」という企画です。参加者は、ゼミ生を最優先し後は学内、学外とウェルカムにしています。
今回集まった学生は9人。4年が5名、1年が4名です。学生は、日本福祉大学の海外研修・調査奨励金というものを活用して渡航します。この制度を使えば、渡航にかかった費用が上限30万円まで助成されます。
10月に募集をして11月から毎週ミーティングをして訪問先についての候補出しと、事前調査を行ってきました。1月に入ってからはオンラインのミーティングのみでした。
いざ渡航
そして2月28日に決起集会を行い、いよいよ渡航。3月2日。

フライトのコネクションが最悪でホテルに着いたのが真夜中の2時。
今回もストックホルムのSickla駅が最寄りのHome Hotel Tapetfabrikenにしました。ここは朝食ビュッフェ、フィーカ、そしてディナーも無料提供してくれるし治安も良いので本当におすすめです。


3時間睡眠後、ロビーにて朝の集いをして出発。


最初に向かったのは、ストックホルム市社会福祉局。



人口100万人程度の市で600人が福祉局の職員。民間福祉団体の支援も行なっているが、行政による圧倒的な手厚い支援が行なわれているのは社会的公正のためにかなうと考えている点に納得。


午後はフッティンゲにある「子どもの家 (Barnahus:バーナフース)」を訪問。児童虐待などを受けた子どもの支援をするワンストップセンター。警察、社会福祉局、医者、心理の専門家が揃い、1箇所にまとまっていて、事案のたらい回しを防いでいました。子どもが安心できる環境づくりを徹底していたことが印象的でした。対応してくれていた警官も、制服を着ておらず子どもに安心感を与えてコミニュケーションをとれるための訓練を受けているとのことでした。




研修2日目の午前は母校ストックホルム大学の日本語学科の講義への潜り込みと現地学生との交流会。ジェンダー規範や家族のあり方についてのディスカッションや日本・スウェーデンクイズで盛り上がっていました。最近のことですが、13歳以上の子どもは医療診断書を親や他人にみせるかどうかを自分で決めれるようになったそうです。


午後は旧市街を散策。「ディーズニーシー(学生)みたい」、ちゃんといただきました。




3日目は、スウェーデンの森の幼稚園を日本に紹介した阿久根 佐和子さんと森歩き‼️

Bromma民衆学校(デンマークのフォルケの🇸🇪版)ではスウェーデンの民主主義の歴史を拝聴。労働運動と節酒運動の強い関連がわかりました。かつては工場の賃金をお酒で提供しているとこもあったようです。


4日目は某自治体の基礎学校の特別支援クラスを見学&学生による日本の遊び活動提供。印象的だったのは、フィールドアシスタントという地域でアウトリーチ活動をしているSWerが学校の中まで来ていたこと。そうやって生徒との関係性づくりとその場に「いる」を大事にしているのは、学校外で会ったときに挨拶が交わせるような社会関係資本づくりをしているということ。




午後は北欧最大のユースセンター、フリースヒューセット、我がホームへ。ひたすら通訳をしました。



5日目午前はSTIL(身体障がい者当事者によるパーソナルアシスタント全国協会)へ。震えたのは「パーソナルアシスタントは民主的な改革であってケアとは無関係。人は自分の人生の主体であり、誰かの善意やケアの対象ではない」という言葉に出会えたこと。若者支援やユースワークでもまったく同じ。自己決定できる環境提供するまえに支援やケアをしがちではないですか?




最後はスコーゴスのファミリーセンターへ。出産や子育てにかんするコミュニティづくりをしているワンストップセンター。日本にも絶対に必要。移民であっても出産にかかわることであればほとんど無料で利用できるの流石すぎます。

これはABCという親になるための教科書一頁なのですが、一段目は愛情を示すことを全ての基盤にすること、二段目は一緒に時間を過ごすこと、三段目は親として様々なことが起きる時にどう対処するかが大事という。そして最上段は「子と対立した時に自分の中で譲れない価値観は何かを自覚しておく」こと。これをしないと何でもかんでも口を出す親になってしまうとのこと。逆にこれさえ明確であれば大したことで怒ることも少なくなるという。
帰りはストックホルム→パリ→上海(今ここ)→中部セントレアで帰国。学生に合わせた激安プラン乗り換え多すぎでこたえました。
訪問をおえて
今回は、普段のユース関連の施設訪問に限らず、スウェーデンの「ふくし」を様々な角度から切り込んでいく素晴らしい機会になりました。とくに、福祉の領域においても「民主主義」という言葉が聞けたことが感慨深かったです。ケアと民主主義の関係の理解も深まりました。
改めて、現地でお世話になった、サリネン玲子さん、阿久根 佐和子さん、佐藤リンデル良子さん、そしてダールマン容子さんありがとうございました。そして北欧研修を一緒に作り上げた学生の皆さんにも改めて感謝申し上げます。(訪問の記録をまとめて『若者がみたスウェーデンの”ふくし”』みたいな書籍にできないか妄想中です。もしお手伝いできる方いたらお知らせください。)
追記 : ダールマン容子さんのYouTube動画
私たちの訪問時の気づきをダールマン容子さんがYouTube動画にてシェアされています。スウェーデンのふくしの考え方がわかる大変貴重なまとめになります。ぜひご覧ください。



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