
最近、登壇する回数が増えていてバタバタしていますたっぺいです。先週は3回も人前で話す機会をいただきました。ありがたいことです。
講演って自分の考えていることをまとめるいい機会になりますし、それによって自分がわからないこと、腑に落ちていないことが明確になり、さらに新しい疑問も湧いたりといい事だらけです。ただ、本などとは違ってずっと残る訳でもなく、その場限りになってしまって「もったいない」と思うのです。せっかく時間かけてまとめたデータなのに。

そういう訳でこれから、講演会で話したことを文字起こしして掲載していくことにします。今回の講演録は、昨年の1月に開催された野毛青少年交流センターのオープニングシンポジウムからです。テーマはズバリ、「スウェーデンの若者の社会参加」です。学校外のユースセンターや、若者団体の活動、さらにはスウェーデンの若者政策の歴史についても触れました。
1万6000字と膨大なので、どうぞお時間あるときにゆっくりどうぞ!
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はい、ただいまご指名に預かりました、両角と申します。もろずみたつへいと読みますが、たっぺいと呼ばれていますので、皆さんにもたっぺいと呼ばれたらと思います。
僕は長野県の出身で、88年生まれなので、今28歳です。静岡県立大学の国際関係学部を出ました。今は、仕事はフリーのコンサルタント、ライター、研究者をやっています。で、それこそいろんなことをやってきています。ここでいう若者に関わる仕事にたまに顔を出したり、北欧の若者政策を研究しているので、そういうことをやっています。記事を書いたり、政治家と話をしたり、あと北欧留学をしたのでその相談とかを勝手にやったり翻訳をやったりしています。
実はブログもやっていまして、こちらにも力を入れています。
今、東京大学の教育学部の学校内容開発コースで特別研究生というのをやっています。が、本来の所属はストックホルムにある大学の大学院の修士課程なんですね。で、いろいろあって紆余曲折あって東京大学に留学している形です。長野県出身なんですけど。ちょっと意味不明な状況になっています。本来だったら今月出ているはずの本ですけどどうやら長引いていて、「スウェーデンではなぜ80%の若者が選挙に投票するのか」という本がもう少しで出ると思います。よろしくお願いします。
今日はですね、スウェーデンにおいて、若者がどのような機会で意思表明をして主体となっていくのか
社会大人はそれに何ができるのか、若者自身は何ができるのかを皆さんと一緒に考えていければと思います。
僕がこういう活動をやることになった原点、というか僕の疑問っていうのが、なんで、僕も地方出身で地方の大学にいって普通の大学生をやったわけですけど、
その中で、なんで、若者、社会って遠いなってなんかあったんですね。
投票もできるようになったけど、行ったけれども、ちょっと遠いと。かつ、なにかこう自分と社会と繋がっている感が全くないと感じていた。いろんな活動を始めました。静岡で、若者エンパワメント委員会YECという活動を始めました。これは中高生のやりたいこと、自主企画を大学生である若者が応援するというプログラムです。やってることは単純ですよ。サバイバルゲーム、鬼ごっこやったりとか、料理教室とか。
これを僕が立ち上げてずっとやってきたというのがずっと根っこにあります。これを始めたきっかけというのが、長野県の茅野市出身で、中高ランドちのちのという、まさにノゲセイフューチャーハブみたいな場所があるんですね。僕はここによく通ってて。ただ勉強してたり、知らない人と話したり、そういうことしかしてないですけど。
こういうのがあった、それが普通だったけど、静岡にはこれがなかった。若者がやりたいことできないじゃんって思って。大学しかないじゃんって思って。じゃあ始めよう。と。
それで今現在7期目とかになって、内閣府の賞とかも受賞している。今でもこの前も行ってきて、話を聞いたりしてきましたけど、活発にやっている団体です。
これまでもこんな活動をやってきました。
では、早速ですけど、みなさんにスウェーデンはどこなのかということを聞いてみたいと思います。
この中でスウェーデンだと思う番号を1,2,3で指で表してください。これで僕がどれだけ怒るか怒らないかわかりますね。
1,2,3ドーン。 4と1、わかりました。この感じのテンションです。
正解は3番です。
僕がスウェーデンにこれまで3年半ぐらい住んでたんですね。向こうの大学院、でその前は、交換留学に行ったりしたんですけど、きっかけは、先ほどのYEC若者エンパワメント委員会の活動で、いろいろ勉強していく中で、どうやら北欧が進んでいるのを知って、だったら向こうに勉強をしに行ってしまおうということで行ってきました。
最初はスウェーデンについてお話したいと思います。
人口959万人ですけど、最近1000万人を超えて、大ニュースになりました。
だけど、結構大きな国に見えますけど、日本の1.2倍ぐらいなんですね。国土でいうと。これでいてこの人口規模、1000万人っていうことは、とってもど田舎なんですよ。東京なんてこんなに小さいのに1000万人じゃないですか。だけどスウェーデンは日本より1.2倍も大きいのに、1000万人ですから。どれだけ田舎かがわかりますかね。公用語はスウェーデン語ですが、皆さん英語を話します。
最近スウェーデンはNHKとかで結構紹介されていますけど、その中で18歳選挙権が実現されて、さてスウェーデンが事例として紹介されることもありますね。そんな中で本当に若者が活躍する国って言われてますけど、それが本当なのかどうかということを最初に簡単にいきましょう。
スウェーデンの若者の投票率は80%です。この表どうやってみるかというと、上が選挙の投票率ですね、で、こっちは年齢が書いてあります。下から若い方、上が高いほうです。ってなると、日本だったら、若い人が投票率低いっていうので、大体この30%、なんだったりってよく言うじゃないですか。そうするとここになりますね。で、年齢層が高まるにつれてどんどん投票率が高くなると。一番高いのがこの辺だと。スウェーデンは若者の投票率が81%ですね。つまり日本の、65歳~69歳世代よりも、高いんですよ。選挙の投票率100%の国ってどこか知ってます?北朝鮮なんですね。行かなきゃいけないからね。投票率ってそんなもんなんですよね。
本当はみんな行きたくないかもしれないけど、行ってるかもしれない。
ただ、スウェーデンはそれだけじゃないということが、向こうに行ってよくわかりました。
初めてスウェーデンに行ったときに、スタディーツアーというものに参加したんですけど、そのときに100人アンケートを実施してみたんですね。ストックホルムと、静岡の学生に。同じアンケートを英語・日本語で作って。若者の意識調査をしてみたんですね。市内でランダムに。
そうしたらこういう数字が出たんですね。
自分達が社会に影響を与えていると感じている若者は日本は24%であるのに、スウェーデンは65%。
今日学生がやったアンケートだからわからないんですけど、この数字はNHKでも引用されまして、この数字は僕らがとった数字です。
僕がスウェーデンにいたときにTwitterのつぶやき。「今スウェーデン人の人に日本の投票率の低さについて話してたら、なんで学校に政党をよんで議論させないのって?それができなれければ民主主義じゃないって一蹴された。」いい感じにRTされてます。みなさんもっとRTしてください。
こういう話を普通に友達のお母さんとしてたら友達のお母さんに言われて。まあそうだよね、としか言えなかったです。
その辺りから、やっぱ高さはわかりますね。他の統計でも若者の高い社会参加意識というものがでてきます。
僕はこの中でも若者が所属している政党の若者部というものがあって、そこへの所属率が非常に高かったりですね。
あとはスウェーデンの子ども若者白書の一部なんですけど、この一番下の数字、この中で面白いと思う数字があって、40%の若者が自分の地域に影響を与えることに興味がある。 17%が政治家に意思表明をする機会があると感じているんですね。
100人いたら17人は政治家と会って話をしていると感じているんですね。それって僕すごいなと思って。
単純に日本と比較しても、投票率もそうですけど、その意識もそうですけど。署名をしたことのある人の割合も大きくでますね。スウェーデン70% 日本27%。
OECDがやっている国際的な調査で比較してみても、何の項目が大きな差があるかって わかるんですね。
スウェーデンも日本も安全で、仕事もあって、教育レベルも非常に高いんですけど、日本は市民参加の項目が低いんですね。あとワークライフバランスがないとか、あと人生の満足度も非常に低いですね。そういう結果で見ると、スウェーデンと日本だと社会の仕組みにこんだけの差があるんです。
つまり、スウェーデンの若者っていうのは社会への意識が高いと、そしてそれ以外の指標も日本とは違う何かがあるんじゃないかっていうのが、今のでわかったと思います。
実際スウェーデンの若者が、投票以外にどんな若者参加をしているのかを見ていきたいと思います。
簡単にスウェーデンの教育制度だったり事情を説明すると、義務教育期間は9年間だったり、スウェーデンの教育、実を言うとあんまりよくないんですね。PISAの指標の推移なんですけど、フィンランドはいいんですけど、スウェーデンは2012年にがくっとさがってますね。15歳の生徒にとった国際学習到達度調査でいうと、スウェーデンの教育・成績っていうのは悪くなっているといえます。
それがなぜなのかっていうのが非常に多く議論されています。ただスウェーデンが日本、フィンランドと大きく違うのが、スウェーデンの外国人の人口比率が16%に達していて、
これはヨーロッパの中でもかなり高いです。このように成績が下がっていって低いなってなってますけど、ただ学校同士で格差が少ないっていうのはスウェーデン、フィンランドで共通しています。もちろん学費もかかりません。学費を徴収することは違法となっています。あともう一つ、ユニークなのは、大学生になる年齢が非常に高いんです。日本だったら高校出たらすぐに大学に行くじゃないですか。とか専門学校に行くじゃないですか。仕事をしたりするじゃないですか。大体こっちだと、一回休憩をして、さあ何をしようかな、旅をしようかな、仕事をしようかなという感じでギャップイヤーというのをとってそのあとで大学に行くので、スウェーデンは25歳なんです。僕向こうに22,3歳でいきましたけど、めちゃくちゃ若かったです。大学院もすごい若いと言われました。
というのが大きな背景としてあります。学校制度はこういう風になってます。うえから見て大学、専門学校、その間に市民大学っていう成人の人がいけるような大学があったり、高校、基礎学校(小中学校)、保育園、幼稚園。
今日話していくのは、ユースセンター 余暇活動をする場所っていうのが、位置づけられてあります。
スウェーデンの若者の余暇活動、要は学校以外での教育機会だったりとか、学校以外でどんな場所で若者が活動しているかをこれから話します。まず、施設ユースセンターですね。ここのような、場所があちこちにあります。
呼び名もユニークで、ミーティングプレイス 出会いの場っていう意味になります。この概念の下には、若者の家とかありますけど、基本的にはこれで総称されるような場所です。基本的には13歳から25歳までが対象になっていますが、施設によってバラバラになっています。
290の自治体がスウェーデンにあるんですけど、その中に1500の施設と3700人の職員があるって統計が出ています。
僕は留学をしたときに、大学にいるだけじゃつまらないと思って、向こうにいってこのユースセンターでインターンをしてやると思っていきました。最初にインターンをしたのがここで、この意味は青い家という意味で、そのままです。
これは首都ストックホルム郊外にある、白人のスウェーデン人が全くいない、アフリカ系難民移民の人が非常に多い地域なんですね。で、ここに行きました。
ここしかなかったです。僕が行けるようなところって。内装がすごくよくって・これはカフェなんですけど。スウェーデン的な考え方なんですけど、内装をよくしようというのがあるんですよ。冬は寒いし、暗いし。それこそ北欧に夏はいいんですけど、中をとにかく快適にしようっていう。なので、モーラレっていう、壁塗り師っていう単語があったり、これ早い段階で学んだんですけど、日本語で壁塗り師なんて単語習わなくていいじゃないですか。要はすごくきれいなんですよ。これ2016年に行ったとき、リノベーションしてました。ロビーはこういう感じになってて、伝統的なイギリスのユースセンターとやっぱ似てますね。
それこそ、こういう感じでしたけど、ビリヤード台があったりという感じになってます。こういう壁画っていうのを、地域のグラフティアーティストとかといっしょに若者たちと作ったりということもしてました。
続いては別のユースセンターなんですけど、ここは学校併設型ユースセンターなんですね。
学校の中に大きな体育館、ライブハウスがある場所なんですね。規模も非常に大きいですね。ここは学校活動と余暇活動とソーシャルワークの機能もあるユースセンターです。
こういう感じになってますね。そして僕のいった、ここの職員さんも行った、ユースセンターがこちらになります。ここでDJを教えるというインターンシップをやったんですけど、ここのユースセンターを紹介されたのは、ここは若者と一緒に作ったっていうのがあって紹介されたんですね。で、どうやって作ったんだとおもっていろいろインタビューとかをして聞いてきました。
基本的な活動っていうのは、ユースセンターの中でもグループがあって、例えばダンスを作るグループ、ここはイベントを担当するグループだったりとか、女性のためのグループ。っていうのも作ったりしてます。グループに所属する若者たちが活動を計画したりしています。もちろん、施設の運営委員会もあって、方針、スケジュールだったり、予算分配なんかも、若者が決めたりしています。職員は秘書的な感じでいて、社長、その件どうしますか?という感じで。その調整をするみたいな感じでしています。
内装もこういう感じになっていまして、ダンスの部屋、音楽スタジオがあったり、ゲームができる部屋もあったりしますね。
スウェーデンの若者施設というものをもっとわかりやすく伝えたいなと思ったので、YouTubeに向こうの職員さんたちの、ことを紹介する動画があったので、それを簡単に紹介します。
卓球なんすよ。ヨーロッパもやっぱ。
本当に非常に素晴らしいことやってて、ここにも出てますけど、私は若者の可能性を信じているし、それはとても大事なことであると若者自身も感じていると信じています。向こうのユースワーク、若者支援、若者と関わる仕事に共通していることは、人を信じるということにあるのかな、とすごく思います。
若者がどうやって施設でどんな活動をしていくかを図にしてみたんですね。
基本的には施設にいるだけ。だらだらしているだけなんですよ。やりたいこと、それこそゲームだったりっていうのがあるんですね。で、この下にオープンアクティビティっていうのがあって、僕これが大事かなって思うんですね。オープンアクティビティっていうのを基盤にして若者活動っていうのがいろいろできているのかなって思います。
これ何かっていうと、既にある活動に若者が参加する型じゃないんですね。要は、若者発の活動で、若者たち自身が自分達で決めることができる、そういう活動です。それを実現するにあたってはもし必要であれば友人だったり職員だったり、地域の大人に応援してもらって実現するという感じですね。なんでこれをやっているかというと、グループ活動、来れない人もいるので、始めたっていう背景があります。もう一つ、団体コミュニティに属さない若者もいるっていうことですね。そしてもう一つ、若者自身が自分達の言葉で、自分達の考えで自己形成していくその延長にある活動になるんで、若者文化そのものを象徴したものになるわけですね。こういう場所を用意しておくと、若者たちがユースセンターであってもオープンになれるわけですね。で、政府の提案の中でもちゃんと位置づけられているのが、地域の基盤の役割がこのオープンアクティビティにあるんじゃないかという風にも言っています。
なので、基本的にはこの、なんかやってみる?と働いている職員や働いている若者たちが働きかけていくということがあります。これがまず最初にあるんですよ。これをずっとやってて、その上で例えば運営理事会だったりとか、何したい?とかって聞いていくことも同じじゃないですか。で、施設の予算配分とかスケジュールとかも任してみたりもします。もちろんそれに対して、職員がフィードバックをしなきゃいけません。それで、施設内だけでなく施設外で、例えば政治家だったりとか政党を招いたりして活動をやっていったりとか、地域の人たちを呼んだり、また地域に出ていったりという活動が広がっていくこともあります。スタッフとしてバイトしていくということもあります。このあとは一番大事な目的っていうのが、影響力を高めるためにやっているってみなさん言うんですよ。若者の社会的な影響力を高めるためにやっているんだって何回も何回も言ってるんです。
たぶんそこがスウェーデンのユースセンターだったりとか、若者参加の一番本質的なところだと思うんですね。
それで、この施設で働いている桜井君と一緒に視察に行ったときに、ユースセンターの職員さんに桜井君がこんな質問をしたんですね。日本の中学生に校則予算を自分達で決めたいかという質問をしたら、それは荷が重すぎるからやりたくないと言った。どうしたら参加の意欲を高めることができるか。それに対してこうきました。何らかの一部であると感じることができるかが大事。小さな一歩から始めれば変わってくる。それと自分は学校の一員だと感じることができる。ここに座り、これをしなさい、と言われるだけの生徒だけでなく、学校の一員であり、学校は自分を必要している、私を学校は必要としていると感じることができれば、生徒は、校長をやりたいかと聞かれたときに、もちろんそうしたいと答えるだろう。
という風に職員さんは言っていて、とても本質的だなあと思いました。これを聞いて、僕も桜井君も、顔を見合わせて、うわーってなりましたね、こういうことがすっと出てきちゃうのが、ここの職員さんなのかなと思いました。
もう一つ、他の余暇活動における参加、今、施設の話をしましたが、他にもあるかなって思って、もう一つ紹介します。それが若者団体、若者グループ、コミュニティなのかなって思います。非常にスウェーデンは元々グループで活動をするっていう文化があるからなのか、あるんですね。スタディサークルっていうのをずっとやったりしていて、文化的に、日本でいう部活みたいなのが地域のあっちこっちで行われているんですね。なので若者も基本的に最低2人に1人は1つか2つのグループに所属しているっていう統計もあるんです。そういう活動に対して助成金が出るっていうのもあります。その助成金を保つためには若さを保つ仕組み、条件だったりがあったりします。
若者団体の種類は多様で、言っても右上ホビーって書いてありますが、要は趣味だったり、ゲームだったりスポーツだったりっていう団体が助成金をとったりしています。
その中の一つにスウェーデン全国若者会っていうのがあるんですけど、これを簡単に説明しますね。今日本である地方の若者会議をやってる人たちと話しをしたんですけど、そういう活動に近いのかな、と思ったんですけど、一方で違うなって思うところもあったりするんですね。ここが何をやっているかというと、基本的には若者の政治行政の意思決定過程への影響力を高めるという、よく言っている意味がわからないですけど、要は若者たちの声、不満に思うことを社会に反映していく、それを行政に伝えていく、その影響力を高めるっていうことをやっています。
これが全国にあって、この団体に所属しているところもあれば、自主的なところもあるんですね。ここの団体に所属すると国や地方自治体からお金が出たりということがあったりします。
今日はここはそんなに話をしませんが、ここでもやっぱびっくりしたのが、代表をやっている人が21歳のガブリエルっていうこのイケメンだったりとか、政治に提言するアプリだったりがあったりもしました。だけど、根底にあるのはオープンアクティビティなのかなって思ってて、若者会を始める方法、要は若者たちが一緒になってどうやって自分達の声を届けるかっていうマニュアルとかも作っているんですね。
そのマニュアルとかを訳していくとこういう風になるんですけど、最初が大事かなって思っていて、面白そうなことや変化をもたらすことをしたい、若者を集めてチームを作るんですよ。基本的にはこれだけなんですよあとは、いろんな人から助けをもらってやっていく。で、要は、全国若者会っていうものに属せば、そこから支援が受けれたりっていうのがあるんですね。出発点はさっき言ったオープンアクティビティで、自分達発の活動なんです。それがやっぱスウェーデンのコアなのかなって思います。
スウェーデンの第二の都市にある若者会でも同じような活動をやってたりして、まあここは議会なんか座っちゃったりして真面目にやっているわけですけど、それだけではなく、例えば街の中でどういうことをしたいかっていうことを話していく、ってなったときに今やっているのは公共交通機関だったりとか、バスとか電車の運賃をある時間指定で若者だけは無料にしようという風に提案して変えていくということをしました。そういう非常に助かることだけじゃなくて、この左下のウォータースライダーを借りて、みんなで滑ろう!みたいな活動もして、なんとか市の自治体の議員さんたちとバトって金をとってやるっていうこともできています。
では、なぜ若者がここまで活発に参画できるのかということについて今から話していきたいと思います。
なぜだと思いますか?なんでこんなことできちゃうんですかね。
参加者:「意見を聞き、国・政府が聞く場が整っていて、意見を言うのだと思っていて、それは実行されていくのだという前例が常にある」
読んだの?俺の資料(笑)
これが民主主義として当然だからというのが言われますね。民主主義政策、ここでの目標っていうのは、人一人の影響が発揮する機会が強められる人権が尊重されるというのがあります。もちろん若者の政策っていうのも、もちろんこの民主主義政策の一部として位置づけられています。だから、選挙だけじゃないし、若い政治家を増やすだけじゃないし、ていうことも目は届いてて、3つ目の、市民の影響力透明性参加の向上っていうのも考えられています。4つ目の民主主義の意識を高めることっていうことも、方針の一つにあげられています。まずこれが1つあるのかなって思います。
もう一つが、スウェーデンの若者政策、日本でも、子ども若者育成支援推進法ありますけど、そこでは、影響力って言葉じゃなくて参加を推進するっていう言葉を言ってますね。けど、スウェーデンの若者政策、僕研究して読んでますけど、参加って言葉使わないんですね。影響力なんです。参加を促進したその先に、影響力が僕はあると思うんですけど、影響したらもう参加してるの当然じゃないですか。そういう意味で、スウェーデンの若者政策は、進んでいるのかなと思いました。この目標にも書いてあるように、13歳から25歳までのすべての若者が良質な生活環境に恵まれ、人生を形作る力を持ち、コミュニティの発展に影響力を持てるようになることっていうことをを定めています。もちろん、分野横断的に、いろんなジャンル、若者って今、いろんなことを経験するじゃないですか。前までは学校教育だけでしたけど。今はちょっと労働もそうだし、健康もそうですけど、余暇活動だったりとかいろんな活動、で、政治にも参加するっていうもの、どんどんどんどん、若いうちにしてくっていう風になっていった。だから若者は分野横断的にいろんな分野をしてやっていく方針をとっているのもスウェーデンの特徴かなって思います。
もう一つが、若者は社会の問題ではなく、社会のリソースであるという認識に基づいているというものがあると思います。その2、大人職員が「応える」から。これはですね、クリスティンハン コミューンという、クリスティンハン市という、ここも桜井くんと一緒に行った地方自治体なんですけど、ここは10万人程度の非常に小さいところです。ここにはですね、ユース・デモクラシーコーディネーター、若者民主主義コーディネーターみたいな人が行政職員としているということを知ったので行ってきました。これがなぜ設置されたかというと、政治家が、若者の声を聞いていないんじゃないかっていうのがあるから、その間に入る人として、その役職ができました。この人たちがやっていることは、若者の声を聞いて政策に反映させる、非常にシンプルなことです。ここでもう、若者の影響力を高めるっていうことを重視してます。いろんなアプローチをしてて、若者がいるところに行って、何したい?っていうやり方もそうですけど、学校でやる、民主主義集会っていうのがあるんですけど、そこにブースを開いて、「じゃああんたがもし、クリスティンハンの市長だったら、何したい?」みたいなことを聞いたりもして、出た提案を、「これは金がないから無理、これはいけそうだ」っていうやり取りをする。で、彼が、この夏に取材をしたときに言ったのが、「フィードバックを絶対に返すことが絶対に大事だ」っていうことを言っていましたね。もちろん、無理なら無理って言う。だけど絶対に返すっていう。そういうレスポンスっていうのが信頼関係を作っていくことなんだっていう風に言っていました。
(彼の持っている)このポスターは何かっていうと、ポスターにこのクリスティンハン市の観光課、環境課、教育、交通とかいろいろあるじゃないですか。その、それぞれの長の名前と写真と連絡先、電話番号、メールアドレスを全部乗せているんですね。けど、こういう風にしないと、若者たちはどこに連絡を取っていいのかわからないからこういうことをやったっていう風に言っていました。ここまでやっちゃうわけですね。まずそういう制度だったり、大人職員が応えられる仕組みができているのかな、と思います。もう一つが、若者と社会がお互いを必要としているからなのかなあと思います。これは、右側が若者です。左側がスウェーデンですね。で中央政府だったり、いろんな県があって自治体がありますけど、それぞれのレベル、重層的にいろんなチャンネルがあって、そこに若者が参加できる、声を届けられている仕組みができているのかなあと思います。それに応える形で例えば政府は、若者政策を今度やるときに、どうしたら、この点についてどうすればいいですかということを聞きにいくんです。それに対して助成金を出すっていうのも、政府がやっているのかなと思います。要はこの2つがあるからだと思います。若者担当大臣っていうのがいるんですけど、その人たちと面談をしてる若者団体っていうのが、こんだけいっぱいいるっていうのが、最近向こうの法律を読んでわかりました。非常に多いなと思いました。そういう機会だけじゃなくて、結構僕も若者団体やっていましたけど、お金も場所もないのがべースですね。
ここは場所があるからいいですけど、場所でミーティングをするだけでお金がかかるだったりとかすごい大変じゃないですか。それでお金、ミーティング代を借りるだったりとか、交通費を払うとかってすごく大変じゃないですか。だからお金をつけるっていうのは影響力を高める上で最も大事な資源だと思うんですね。っていうのを向こうはやっぱり認識してて、お金をどーんとつけているんですね。
2014年は約30億円の助成金を106の子ども・若者団体に拠出って書いてありますけど、あのぐらい小さい国で、このぐらい出ているっていうのが僕は大きいことなのかなと思います。真ん中の「財源のない若者政策は美辞麗句!」だって言うのは僕がドイツのシンクタンクで働いていたときに、そこは若者政策の研究をしているんですけど、そこのボスが言っていた名言です。彼は世界中の若者政策を研究してて、実際に予算だったりお金がついているのかも指標に入れているわけですね。だから形だけじゃない若者政策はちゃんとリソースを抑えているかっていうこと。それが今、世界的潮流になっているっていうことを伝えておきます。
もう一つ、スウェーデンの若者政策はこういう風に発展してきたっていう話をします。この中で、若者参加っていうのがどう変化していったかっていうのがちょっとヒントになるかなって思ったので紹介しますね。スウェーデンの若者政策っていうのは、1898年に初めてできたんですね。初めて国が責任を持ってやりますっていう風になりました。なぜそういう風になったかというと、スウェーデンも、そのときは非常に貧乏な国だったんですけど、都市化が進んで、社会保障もできる、国がどんどん介入して社会保障を整備して、困った人を助ける、そういうのがいっぱい整備されたんですけど、若者にはなかったんですよ。それに漏れてしまった若者たちは例えば路上でたむろしたりだとかっていう風になったんですね。そういう若者たちを、どうにかしなきゃいけないっていうので最初にできたのが、「ギャング・ボーイ・コミッティ」ギャング・ボーイ委員会、要は不良・若者委員会っていう感じだったんですよ。これは実は日本の若者政策も同じ歴史を歩んでて、要は不良である若者たちをなんとかしなきゃあいつらやばいぞ、っていう感じだったんですよ。だから最初は非行防止っていう意味合いが強かったんですね。あいつらにはこんなことさせちゃいけない、っていう、どうしたらいいんだってみんな考えていたんですね。
ただ、そこからいろんなディスカッションがあって、2番になるんですね。利用者参加のはじまりってありますけど、この左側のメッセージ、この論点を、ある政府委員会の人が言ったんですね。
「そもそも、どうやって私たち大人が若者の余暇活動の選択に影響を与えようというのか?」ということを言いだしたんですよ。要は、大人がなんで若者たちのやりたいことだったりとか、そういう活動に、勝手にこっちがいろいろ決めないといけないの、っていう風に疑問を投げかけた人がいたんですね。そこから確かにそうだよねってなって、大人が、若者の面倒を見る、ケアする、所有するっていう考え方がおかしいんじゃないかってなったんですね、っていうのが一つおきました。これ以降、利用者参加っていうのが進んで、要は若者、本人たちに何をやるかっていうことを聞くっていうダイレクトな政策に繋がっていきました。ここでまず、大人と若者の力関係を変えたんですね。前は大人、社会が持ってたんだけど、それを同じにしなきゃいけないんだっていうことが最初に起きた。これがまず大きな転換なのかなって思います。3番、これが1950年代くらいですけど、ユースワーク、若者と関わる仕事、若者支援の仕事っていうのが、本格的に導入されてきました。ここでも、やはり、重視されたのが、オープンアクティビティ、要は何したい?じゃあそれをしようか、っていう活動をやっていくっていうこと。それまでは、スポーツだったり、キャンプだったりとかっていう活動に若者は参加してもらうっていう形でしたけど、そうじゃなくて、彼ら本人が行くっていうことの方が、参加度は高いし、主体性も出るし、クリエイティビティ、創造性にもつながることになるんじゃないかっていうことでこういう風になりました。
で、もう一つが、4つ目、若者を消費者にさせないっていう転換が起きたんですね。これは、何かっていうと、1980年代くらいになってから、消費社会が拡大していく、要は世の中が豊かになって、雑誌も自由に買えて、若者たちもお金をもらって自由に使えるお金があると。街は栄えてお酒が飲めるようになったりするわけですね。手軽に。っていう風になったときに、警鐘を鳴らした報告書が出ました。それがこの右側のエイ・ティル・サル―っていう報告書で、そこで言ったメッセージがこれで、
「若者が、商品や物品の、さらには自身の人生の『消費者』になってしまい、結果として自身の人生も自分で決めることができなくなっている」
ということを言ったんですね。
要は豊かになって、いろんな商品だったりまみれて、いろいろできるようになったと思いきや、実はそれは消費しているだけにすぎない、これがあるからとるってそれだけですよね。それはつまり、本当の意味で自分の人生を決めていることになるのかっていうことに警鐘を鳴らしたのがこの報告書になります。これがもう一つの大きな転換点なのかなって思います。これを、世界的に言うと、いろんな国でアンチ消費主義みたいなのがあった時代ですけど、若者政策で、若者を消費社会の波から守ろうってしていったのがスウェーデンの特徴かなと思います。それ以降は、子どもの権利条約が採択されたりして、子どもの権利で一つ、参加っていうのがあるよねっていうことを訴える時代が始まりました。この辺からは皆さんもご存知ですね。
そしてもう一つのパラダイムシフトが最後のレベルで、子どもの権利としての参加だけじゃなくて影響力へと繋げていこうよっていうのが、今のスウェーデンの若者政策だと思います。影響力っていう風にしていったのが、要は少子高齢化で、ますます若者たちがほっといたら、政治家も、若者たちの声を聞かなければ、政策が高齢者対象になっちゃうと。シルバー民主主義っていう言葉ありますよね。社会の構造的に、若者が自動的に排除される仕組みっていうのが、ヨーロッパ、先進国で2001年ぐらいからずっと議論されてきました。だから、あえて若者を意思決定に参加させることで、政策の中心に位置付けて、声を聞くこと、それこそが若者を含んだ包摂型の政策を作るっていうことになるんじゃないかっていうフェーズがここにきました。それが今ここにあるっていうことです。
なぜ若者参加の機会が必要なのか、っていうスライドです。これはヨーロッパの欧州議会が書いた報告書に書いてあることで、まあヨーロッパのことだから日本関係ないよねっていう風に思ったりもするんですけど、どうやら向こうでも日本と同じだなっていうのがあるなと思いました。それこそ、この5つ目ですね、欧州議会の提言によると、家庭、学校、職場、余暇活動、若者の活動で、民主主義を教えることを怠ると、若者は政治に対してひがみっぽくなり、投票率は下がり、政治家、政党、政治的な若者団体への不信感が募る。ということを指摘しているんですね。これって日本じゃないですか。まさに。僕も政治に対してひがみっぽく思ってましたし、投票もなんかなあっていう感じでしたし、だから、信頼感なかったですよね。それを指摘してたので、これは日本もヨーロッパもあまり変わらないと。かつ、若者参加っていうのは、国を問わず、どこでも必要性が訴えられているんだなっていうのはよくわかりました。
上から行くと人権だからっていうのはありますよね、もちろん。さっき言った影響力を高めないと、どんどん排除されていく。自動的に排除されていく仕組みがあると。そして3つ目が、若者参加をすると若者が生きる力や、能力を高め、自信が持てるようになり、価値観や規範意識、抱負を抱くようになる。4つ目が政策、公共サービス、要はこういう活動の質自体が、実は若者向けになってよくなっていくっていうことがあるんじゃないかってこと。そして最後が積極的な趣味、アクティブシティズンとも言いますけど、になるためにはいきなりは誰だってなれません。これは時間がかかることです。だから、こういう場が必要なんですっていうことを謳ってます。
最後に、今言ったことととても共通するのかなと思いますけど、スウェーデンも日本も、若者参加だったり、若者支援、ユースワークの現場っていうのは、現場レベルはそんな変わらないです。素晴らしい取り組みは素晴らしい取り組みで、日本もスウェーデンも変わらないって僕は正直思っちゃいました。ただ、その、語り方だったりとか、その価値観だったり、どこに重きを置いているかっていうのが、若干違えど、だけど、若者が主体的に参加しているか、人を信じられているか、そういった僕が思う若者参加で大事なことが、根底にあるのかなって思います。ただ、それを支える制度だったりとか、ていうのが整備されているか、社会に意識はあるか、そして理念が何か深めていく仕組ができているのかどうかっていうのは考える必要はあるのかなという風に思いました。
もう一つが、この前の野毛青のシンポジウムに参加して、ここでパネルディスカッションやったときに、参加について、話をしてたと思うんですね。大人が聞いてくれる、若者が言う、っていうのが参加を進める上で大事ってなってくるじゃないですか。ロジャーハートの、参画のはしごで一番上に達するには、大人がちゃんと若者の声を聞いてっていう風になるじゃないですか。だけどこの前、指摘してた、その矛盾があるんじゃないかっていう話をしたじゃないですか。参加をしてく、だけど、若者の声を聞かなきゃいけない、このバランス、なんだろこの矛盾、っていう話でしたよね。僕もやっぱりこの点に関してはいろいろ考えてきたりはしてて、最近、スッときているのが、参加に悩む必要はないというか、それは過程だから、進んでいく過程だからいいんですよって思いまして。そうじゃなくて、若者の影響力を高めるっていうことを目的にするべきなのかなって思いました。要は参加っていうのは、本質的には、ただの人と人との関係だと思うんですよね。その中で、あるときは知識とか経験がある大人の力が高いときもありますけど、あるときは若者の方が高いときがあるわけじゃないですか。だから常に大人の方が話を聞いていればいいというわけではないし、常に大人は若者の声を聞いていればいいってわけじゃないわけですよね。スウェーデンの若者やユースセンターとか、若者参加の現場を見てて思ったのが、ここは非常にフラットであると。っていうのは、人と人とのコミュニケーションっていうのは、フラットであることを基盤にしてる、でそれは常に流動的であって、常にこの力関係っていうのは変わっていくものであるということを言ってて、なるほどなって思いました。だから、そんな悩まなくていいのかなって思うんですよね。若者の影響力を高めることが目的であれば。
この影響力っていうのがたぶん一つの今日のキーワードになると思うんですけど、今日この講演をまとめる、問いかけで最後は閉じたいと思います。
あなたは何かの一部であると感じていますか?あなたは誰かを必要としていますか?あなたは必要とされていますか?
人生を、進路を「消去法」で選んでいませんか?こうやってね、チェックリスト、クリックで出てくるもので選んでませんか、っていうことです。そして、やりたいことはなんですか?
ご清聴ありがとうございました。
Special Thanks
Transcribed by Mio Kumagai
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