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プライドパレードと政治参画 – 日本の若者の政治参画に必要なこと

コラム

ストックホルムのプライドパレードに参加してきました。これはLGBTの方々が愛を叫ぶためのイベントで全世界でこの時期に開催されているみたいです。この日は最終日だったらしく、様々な団体がパレードでストックホルムの町中を練り歩いていました。

環境党に所属してるウプサラ大学の小串さんが誘ってくれたので、環境党にもLGBTの団体にも属していない僕ですが楽しそうだったので旗をもって一緒に行進しました。

ストックホルム中央のセルゲル広場の噴水に飛び込む環境党の国会議員。この後、警備員に注意されていました笑

こんな感じで踊り狂っていたスウェーデンの環境党の女性国会議員。途中、パレードのMCに「国会議員が踊ってるゼーイ!」と言われていました笑 ダンスの切れがはんぱなかった。

そしてこちらが我が党首, Gustav Fridolin!!!!! 彼が2002年、当時19歳で国会議員になった政治家。現在は、29歳でいくつかの別の職業経た後、政治家に復帰したそうです。ベビーカーをずっとひいていました。農民党と環境党はテーマカラーが被っておりしかもすぐ後ろを行進していたので若干存在感が薄かったですが、この党首の人気っぷりは半端なかったです。

グスタフフリードリンに関してはこちらの記事で触れられています。 19歳の国会議員 – スウェーデンの今

 「他の職業にも就いて違った経験もしなければ一般の市民との意識の格差はますます広がっていくだけだ。草の根の運動と現実感覚、そして政治家としての仕事がしっかりと繋がっていればこのまま議会にとどまることも考えられるけれども現実はそうなっていない」(記事より)

職業議員化に反対する理由ももっともの理由ですね。

ウプサラ大学に通っている小串さんの話しもおもしろかった。スウェーデンでは政治的意思決定のフォーマルなチャンネルがある程度確保されている一方、日本ではフォーマルなチャンネルもないのにインフォーマルな参画の機会の確保が強調されているという話し。確かに、市民の政治参画が叫ばれて久しいけど、ほとんどが非公式的な(例えば、デモやロビイング、政治家を招いたイベントの開催などの)政治への参画の機会の確保だ。しかし本来的には政党が政策論争を巻き起こし、確立された党内民主主義に基づいて政策を形成していく。そしてその政党を支持する(かしないか)という有権者の投票行動によって決定されるのがフォーマルなチャンネルとしての政治参画だが、では果たしてそのようなプロセスが日本の現在の政党にはあるのだろうかという話し。スウェーデンでは国政選挙の時期が近くなると、新聞やテレビやラジオで各党の政策について議論を繰り広げるらしい。学校でもSkolvalという模擬選挙活動を通じて18歳未満の将来の有権者もそれにそなえる。政党青年部の加入率も高く、政党本部の手足になっているわけではなく完全に独立して政治的な主張もされている。詳細はこちらから。こういうフォーマルな手続きがどれだけなされているのか。本気で民主主義を信じるならまずは党内の民主主義からではないか。確かにそうだ。小串さんの主張は、

「①選挙権と被選挙権を18歳に引き下げる。②地域の高校などの教育機関との民主主義教育の場を作り出す。③選挙期間でのインターネットやソーシャルメディアの活用を公的に認める」

ということだ(詳細はこちらの記事から)。一見、このような政治的なトピックはユースワークとは別のように見えるかもしれないけど、僕にとっては若者が社会に参画できる環境を作っていくのがユースワークであるならば、こういったトピックとも密接に関係があるし共に解決していかないといけないことだと思う。これまでインフォーマルな政治参画の機会しか頭になかったけど、フォーマルな政治への参画の機会もそのワンオブゼムだしオプションとして頭に入れておく必要はあるように思いました。

そういえば、スウェーデンの政党で「海賊党」というpiratebay(ファイルシェアサイト)の無料化を掲げる党があって、これが若者からの支持を集めていて、実際、政党青年部の人数は最も多くヨーロッパ議会でも2議席確保しているらしい。ちょっと流行りっぽいけど若者からの支持を得ているのは事実。先日、ストックホルム市のユースワーク部門の職員が、「今や若者の支持を集めないと選挙は勝てない」と言っていたけど、もしかしたら海賊党の影響もあるのかもしれない。それだったら、スウェーデンに次ぐインターネット先進国日本でも同じように2ちゃん党とかニコニコ党とかやったらどうなるかなって考えたけど、基盤としてのネット選挙や若者の被選挙権もないからあまり意味ないかな…いやけど日本の「若者」はわりと年配だしな…

それともうひとつ、e-petitionという取り組みについても教えてもらった。これはスウェーデン南のMalmöという地区が主導的に取り組んでいるプロジェクトで、ネット上で100名以上の署名を集めた案件が議会に送られるというもので、要はネット署名的なもの。こちらに記述がありますがまだ始まったばかりの取り組みなのでこれからどう動いてくのか見守る必要があります。

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