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なぜ18歳に選挙権を下げるべきか。

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ユースワークと若者政策 By: hjl – CC BY 2.0

さて今日もまたTwitterつぶやきまとめシリーズです。昨年のつぶやきで最近日本でまた改正が騒がれている、投票率と18歳選挙権についてつぶやきです。僕の所属するNPO法人 Rightsではこの問題に関してロビイングや世論喚起などを通じて長年取り組んできており、最近もまた活発に働きかけております。

今回は僕だけじゃなく、議論を吹っかけてきてくれた友達のつぶやき(緑で表示)と織り交ぜながらお送りします。

2011年7月6日

日本の24 歳以下の投票率が60~64 歳の約半分であるのに対して、スウェーデンの24 歳以下の投票率は70%を超えている…(Rightsスウェーデンスタディツアー報告書より)。は~ http://ow.ly/5xPtl

posted at 22:46:12

投票率は結果にすぎませんが、改めてすげえなと思いまして。RT @htsutomi: @tppay  重要なのは投票が大事だと主張することではなく、その差がどうして生じているかを分析すること
posted at 22:58:18

こういう国が同じ地球上にあるんですもんね。RT @htsutomi: @tppay 官を大きくすればするほど、税金の負担は大きくなるから、透明性への圧力は高まり、公務員比率を高めれば高めるほど、家族の生活が「税金」に依存するから、国としての生き残りの必要性が高まる。

posted at 23:06:05

僕は投票率を直接的にあげることよりも、信頼できる社会関係資本を若いうちから増やしていくことのほうが大事な気がする。ちょっと遠くの人や社会と信頼関係ができてそれが膨らんでいけばいい。その積み重ねだと思うな。結果、いつか投票率あがるんじゃないかな。

posted at 23:28:58

2011年7月11日

@soki_tatsugi政治(投票)とは究極的に自分達で払った税金の使い方を決める行動だと思うんだけど、法人税や所得税などの大口の税金を払っていない学生層が投票をする意味とは?

@tppay 社会は税金を多額に払える人のみで構成されてるわけじゃない。もし多額の税金を払える人のみが政治的意思決定に影響を与えることができるなら、若者を含めた社会的弱者は、彼らの搾取の対象になるだけ。まあ税金は少額だけども。もう一つは教育機会提供に結びつく可能性。

posted at 15:08:22

@tppay 税金は社会的ステータス相応に設定することで平等性を担保してるんじゃないかな。まあだからといって18歳選挙権がいきなり実現しても主体的に投票にいく人は少ないと思うけど。俺が18歳のときに知ってた社会なんて現代社会だけだしw
posted at 15:12:37

@tppay それでも18歳選挙権あったらいいなと思うのは、例えば18歳って高校を卒業する年齢なんだけど、18歳で選挙にいけるくらいの若者を育てることを目指して高校教育がされたらいいなと思うのです。そういう期待からなんです。
posted at 15:17:34

@tppay 現に模擬選挙ってやってる私立学校もあるらしいよ。もちろんお馴染みスウェーデンも。こちらは国がお金を出してやってます。結果は先日つぶやいた投票率の通り* まあ向こうは税金も高いからね。
posted at 15:28:29

@tppay あとは一般論でシルバーデモクラシーになっちゃうとか、世界の潮流から置いてかれるとか、かな?要は、下げるだけじゃ意味ないっ!ってことです*
posted at 15:31:50

@shota_wb中学卒業の年齢じゃダメなんですか? 一応高校への進学は自由で中学卒業で働きだす人もいるじゃない?

@tppay 早いに越したことはないんじゃない?イギリスでも16歳選挙権求めてキャンペーンやってるとこあるしね。
posted at 15:42:44

@soki_tatsugi義務教育を終える時点で有能な選挙民を育てる教育を行うこは素晴らしいと思うし、中卒で働いている人は選挙行くべきとも思う。疑問なのは社会的弱者(消費税しか払っていない)が多くの平均的サラリーマン(所得税などを払う)の搾取の対象になるのか?

@tppay 極論で、もし投票が今以上に大人だけに大きく傾いて、若年世代の意思が反映されなくなって、次世代を無視した政策が選択されたら、そうなるんじゃないかなってことだよ。

posted at 16:09:02

18歳選挙権を先に引き下げたとしても、必ずしもすぐに投票率があがるわけでもありません。じゃあ投票率をまずは高くしてから18歳選挙権を実現すればいいのかといっても、そう簡単には法律は変わるものではありません。これは制度が先なのか意識が先なのかという問題であり、「鶏が先に生まれたのか、玉が先に生まれたのか」という鶏と卵の関係みたいなものです。政治への意識を高めて投票率を上げることももちろん必要だし、制度を整えてより多くの若者に政治参加してもらうことも必要です。つまりどちらも必要なのです。だから一方が整ってから他方を進めるというようにしなくてもいいのです。なぜならゴールは「若者の政治参加の推進」で目指すとこは同じなのです。ならば、変えれるときに変えてしまえー、と僕は思います。

最も18歳というのは高校3年が終わる年齢であり、ここで選挙にいくことになっていたら公民の授業も少しはましになるんじゃないかという期待が僕の18歳選挙権を賛成する理由です。例えば、スウェーデンの高校の公民の授業では学校選挙というのがあり、(もちろん18歳で投票可)生徒が現存する政党に本物の投票用紙を使って投票をするという行事があります。実際の選挙日の後に投票結果が開票されるわけですけど、その学校選挙の結果は、実際の開票結果とほとんど同じらしいんですね。(詳細はこちらから)このように同じ結果になる背景には、生徒の高い政治的リテラシー(政治的判断能力)があると考えられます。総務省でも以下のように政治的リテラシーや未成年模擬選挙に触れるなどしてます。

総務省常時啓発事業のあり方等研究会は1月10日(火)に最終報告書を発表しました。報告書では、新しい主権者像のキーワードに「社会参加」と「政治的リテラシー(政治的判断能力)」を掲げ、シティズンシップ教育の一翼を担う新たなステージ「主権者教育」を提唱。国として取り組むべき具体的な方策として「未成年模擬選挙の普及」「子ども議会の普及・促進」「次期学習指導要領に政治教育を盛り込むための課題の整理」などを例示。総務省、文部科学省、内閣府など関係各省が問題認識を共有し、連携して取り組むよう求めています。(Rightsホームページより)

未成年模擬選挙だけでいいかというとそう思いません。先日も書いた幼少期からのグループワークなどを通じた社会参画なども大事だと思いますが、このように制度だけでなく意識啓発も本格化していくことも踏まえると、やはりそれを支える制度改革は避けられないように思います。

<補足1>

1960~2006までのスウェーデンの選挙投票率。赤が26歳以下の若者の投票率で71%という結果になっています。(Ungdomsstyrelsen, FOKUS 2010より抜粋)資料見つけたので一応、貼っておきます。

<補足2>

スウェーデンの2010年の国政選挙の世代別投票率と2006年からの増加率

こちらのソースによると上記の通り、18歳から29歳のスウェーデンの若者の投票率は2010年で約80%にもおよび、2006年から約4%の増加率です。他の年齢層には劣りますが意識の高さが伺えます。また政治に対する意識の高さもこちらの記事から伺えます。

<追記>

先日、2012年4月11日(水)のNHKで僕がスウェーデンでとったアンケートが紹介されました。

「自分たちが社会に影響を与えられると感じている若者の割合は日本が24%であるのに対し、スウェーデンは65%に上っています。」http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3182_3.html

この一説はまさに僕が2年前にスウェーデンでとったアンケートと丸かぶりです。

自分でとっといてなんですが、サンプル100人、無作為抽出なのでこれがスウェーデンを若者だ!と一般化できるとは言いがたいですが、NHKは放送しちゃいました。事実、実際のスウェーデンの若者の社会への影響力の実感は結構低いです。青年事業庁の最新のデータによると、16歳から25歳の若者のうち政治的な意思決定に影響を与える機会があると思っている若者はわずか6%。自治体レベルでで自分の意見を表明できると感じている若者は15%。(Ungdomsstyrelsen 2009)なのです。

ちなみに放送でも紹介されたLSUも社民党青年部も2年前に訪問しました。実は放送で出ている杉浦先生も一緒に同行してました。今年はいつ訪問しようかな。

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