日本の非営利セクターについて、先日こんなことをつぶやきました。
社会的な活動に税収が充てられるヨーロッパ、ファンド・寄付が豊富なアメリカ。日本はそのどっちでもないから活動がジリ貧になる。多くのNPOがブラックにならざるを得ない。
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
ヨーロッパの非営利団体の視察にいっても、日本人はすぐにマネタイズの話しを聞きたがることがその象徴。で、答えはだいたい国からの助成金。助成の規模が違うのですヨーロッパは。誰だよ、日本を公助も互助文化もないのに欧米パクってネオリベったの
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
北欧の非営利の職員は、日本の新卒平均よりも比較的に給料が高いだろうし、労働時間が週40時間を超えることはないだろう。その分、税金も高いのだけど、労働時間を差し引くと遥かに豊かな生活をしている。スウェーデン人の非営利職員が、夏休みギリシャとかトルコにバカンスにいく写真がFacebookに流れてくる
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
日本のNPOや社会的企業で働いている人で、燃え尽き症候群になったとか、「1日12時間働くとか普通」という話を聞くとゾッとする。一部のホワイト非営利を除いて、これはある意味、民間のブラック企業よりもタチが悪い。
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
「低い賃金でも、自分はこれがやりがいだから!」と働き続けれるのも長くて2・3年では。長期的にみてランニングコストで経営がすり減るし、そもそも労働者の基本的な人権を満たしているのか。保障されるべきは被支援者だけじゃない。
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
非営利セクターほど「支援疲れ」に敏感であるべきだし、経営者はそれを保障しないといけない。そして国がそれを保障できているのが、欧州だ。だからジリ貧にならないし、非営利でもワークライフバランスが整っている。
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
欧米人、とくに欧州人と話すと「なんで日本人はあんなに働くんだ?」という話になることが多い。そのくらいヨーロッパでは固定化された日本のイメージのひとつ。恥。
— 両角達平 (Tatsuhei.M) (@tppay) 2016年8月4日
ジリ貧な日本のNPO
日本の「ブラック企業」は以前よりもはるかに認知されるようになりましたが、非営利セクターも実は、ブラックなんじゃないでしょうか。ぼくはヨーロッパのNGOで働いていました。帰国してこの分野で働いている日本の友人と話しを聞くと、労働条件がはるかによかったと実感をします。北欧の非営利団体へのインタビューも数十団体以上してきましたが、ぽろっと出る、こぼれ話しからその労働条件の良さが伺えます。
YMCA系のストックホルムの学校併設型のユースセンターの入口
もちろん日本で、労働環境が素晴らしいNPOで働いている知り合いもいます。
しかしたいていの場合、日本の非営利団体の求人情報をみると絶望します。こんなに物価の高い国で、この条件は無理ゲーです。加えて、日本は世界的に「働きすぎな国民」として悪名高いので、欧米の若者で非営利セクター志望者は、日本ではやっていきたくない、と思うでしょう。OECDの「よりよい暮らし指標」のワークライフバランスの項目でも日本は38カ国中、34位です。
行政の委託内容の変更にあわせて、委託先のNPOが単年で事業を変えざるをえないのは、先が見通せないし、被雇用者のアイデンティティも揺らいでしまう。そりゃ辞めるよ2、3年で。もちろん経営者にとっては「ガチで業務が回らないのだよ…」なのででしょう。。したがって、意図に反して労働者が「消耗品」にならざるをえず、ブラックになってしまう。
NPOをブラックにしているのは、日本の行政では?
非営利セクターの持続可能性を、社会が支えようとしないことは明らかです。民間であれ共に目指したいのは、持続的な社会じゃなかったんですか。「社会貢献でメシを食う」の著者、竹井善昭さんもこう指摘してます。
心のキレイな人たちが持続可能な活動を行うためには、まっとうな報酬が必要。欧米のNPOでは当たり前の理屈だ。日本の社会もこのことを理解する必要がある
そもそもは日本は、公的セクターへのパイが圧倒的に少ないことが根本的な問題なんだから、そこで連帯していかないと。それでパイを求めないと。
ヨーロッパは、国内だけでも税収が非営利に多くが充てられますが、EUや欧州議会からの助成金も豊富です。EUが、「社会経済(social economy)」という名の下に民間非営利組織に対する支援に重きを置いているのは、1989年にEC委員会(EUの前身)に「社会的経済」部局を設置したことからも明らかです。それは、EU統合による国家間の資本の自由移動にともなう、地域社会の衰退化に歯止めをかける必要があったからです※。
本当に日本の非営利セクター、沈んじゃいますよ。
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