修士論文、締め切り一ヶ月を目前にひかえています。たっぺいです。
一度、提出を延長したにも関わらず、せわしい10月を乗り切った疲れなのか、全くモチベーションがあがらなかったので、修士論文を仕上げるためのモチベーションアップと具体的な方法をググりまくりました。これから論文を執筆するすべての人の役に立ててればと思います。
1. まずは「やる気の正体」を知る
まずは、このブログでも紹介した「スタンフォードの自分を変える教室」を流し読み。
そうそう、人と動物の最大の違いって「意志力」があるかどうかの違いらしいです。
意志力とはつまり、この「やる力」「やらない力」「望む力」という3つの力を駆使して目標を達成する(そしてトラブルを回避する)力のことです。
で、その「やるべきこと」をやるように仕向けてくれるのが脳みその「前頭前皮質」なのだそうです。
ついつい「明日でいいや〜」とか目の前のお菓子に手が伸びてしまうのは、そういった「衝動的な行動」促す脳の部分があるからなのです。なので、人は常に自己コントロールをする「意思を持った自己」と、欲望のまま行動してしまう「衝動的な自己」の二つの間で揺れ動くのだとか。本書は、この「衝動的な自己」に名前をつけることをおすすめしています。
たとえば、目先の欲求を満たそうとばかりする自分には「クッキーモンスター」とか、文句ばかり言ってしまう自分には「やかまし屋」とか、いつも腰の重い自分には「なまけもの」とか。そうやっておかしなあだ名をつけてみると、そういう自分になりかけたときにはっと気づいたり、賢いほうの自分を呼び覚ましたりするのに役立ちます。
なるほどそうやって、自覚すればいいんですね。
また、ある実験によると人は翌日も同じ行動を繰り返す傾向にあるようです。つまり、「明日でいいや」と、引き延ばすことも繰り返されてしまうのです。それは逆に、やり始めてしまえばそれが続くということです。ですので、
ある行動を変えたい場合、その行動じたいを変えるのではなく、日によってばらつきが出ないように注意する
ことがコツということ。
そして、それでも誘惑に負けそうになったらこの質問をしろと。
何かの誘惑にかられたとき、目先の欲求に従いたくないと思ったら、次のような一風変わった意思決定のしかたを試してみるとよいでしょう。 ①長期的な利益に反する行動を取りたくなった場合は、目先の快楽に負けてしまったら、あとで手に入るはずの最高の報酬をあきらめることになるのだと自分に言い聞かせる。 ②長期的な報酬が手に入ったところを想像する。自制心を発揮して我慢したおかげで手に入った成果を味わっている、未来の自分の姿を想像する。 ③最後に、自分に問いただす。「いっときの快楽のために、大事な目標をあきらめていいの?
ま、当たり前なんだけどね!なんか当たり前のことを、科学的な知見でまとめていることがすごいなと思ってしまった。
そういうわけでぼくも、修論を終えたときの最高の報酬を妄想し、終えなかったときの最悪の結末を書き出してみました。
本書はその他にも、疲れている時にはやる気があがりにくいことや、瞑想の仕方や余計なことをしないウェブツールなどを紹介していますが、とりあえずは今回はこの辺で読むのを終わりにしました。
「やる気」について、基本を思い出したという感じです。
修論を仕上げなかったときの恐怖・開放感も明らかになりました。
2. 論文を1ヶ月で書き切る方法
さて、「やる気」との接し方がわかったところで今度は具体的なやり方です。
これは徹底的にGoogle検索しました。でてくるでてくる。
同じような境遇の人いっぱいいるんすね。
斜め読みしたのでその中から使えそうなやつだけ、箇条書きで紹介です。修士のプログラムでは、これまで僕は1年半で6本の英語の論文を書いてきたのですが、そのときのコツも入っています。
なおここで紹介するのは、もう書くことがある程度決まっており、後は本当に書く段階にいる人むけです。論文の書き方分かんねーって人は、こちらのスライドを参考にしてみてください。
3. まずは下準備
- Google Documentを使う。保存は自動だし、どこでもアクセスできて手軽。
- Microsoft Wordを使用する場合はOne Drive (オンライン)に自動保存されるようにして作業をする。オフラインで作業する場合は、[自動保存]の設定を1分にしておくことでクラッシュのダメージを最小限にできる
- MacユーザーならSplit Viewを活用して、画面の切り替えを減らす
- アウトラインモードで作業をしましょう。結局これが最強です。詳細はこちらの記事を参照
Word(ワード)でのアウトライン機能の使い方|見出しスタイルの活用Word(ワード)でのアウトライン機能の使い方です。レベルの設定方法やパワーポイントでのインポート方法などを説明します。 - 音楽は、歌詞のない曲を流す。Spotifyのプレイリスト「Deep focus」がおすすめ
- 朝起きて速攻で、書き始める。ストレスがないから書きやすい。
- 煮詰まったらシャワーをあびる、走る、コーヒーをいれる、瞑想をする、掃除する、食料補給などをして気分転換。移動などを含めて、あらゆる執筆以外の行動を「気分転換」と位置付ける。
- 午後に眠くならないようにするために、お昼は食べ過ぎない。
- メールのチェックは朝と夜だけ
- パソコンの電源は切らずに、スリープモードにして睡眠。
4. どこからかき始めるべし?集中して書くコツ
- 書きやすいところから書く。序章、はじめに、introduction, abstractは最後に書く研究者も多い。メソッドから書くのが最も楽。
- 1日に「何時間書くか」ではなく、「何文字・何ページ書くか」というアウトカムを明確にする
- 「毎日2ページ書く」と決めて、1日休んだ日があったとしても無理に2倍やろうとしない。燃え尽きてしまうこともあるから。
- 執筆に関係のないタスクを思い出したら、その瞬間に手元のノートに書き出して、あとでまとめて処理する。
- ついついしてしまうことを「視界に入らないように」する。例えば、SNSをついつい開いてしまうなら、FacebookやTwitterのアプリをスマホから消したり、ウェブブラウザを開いた時にトップ画面に表示されないようにする。(これ、まじ効果的!)
- 文法・スペルチェックは全て書き終わってからやる (英語で書いている場合はGrammarlyで英語の校正を自動でやってもらうといい)
- 文献の引用や参考文献の挿入は、Zoteroなどの文献管理ツールで自動でやってもらう。絶対に手動でやらないこと!
- ちなみにZoteroの文章内の引用のショートカットは、MacならOption+Control+Aです。
- インスピレーションをうけたら書くのではない。「95%はインスピレーションなどない時に書くことになる」から。むしろ、インスピレーションは書いていると湧き上がってくる。
- 何時間も同じところに座っていては、集中力も想像力も持続しない。ので、「ポモドーロテクニック」で時間を区切る。(ポモドーロ・テクニックは通常、25分につき5分の休憩だが、45分につき15分の休憩がおすすめ)
- 英語の校正は、Grammarly などを利用する。
5. とにかく書け。編集はすべてあとまわし。
- とにかく、書く。書くことが明確でなくても、とにかく文字を書く。前後関係や論理展開は、後で編集で変えることができる。編集は、文字なしにはできない。
- 体調がすぐれないときや、どうしてもやる気がでないときのために、「12分でできることリスト」を作る。そのリストには、論文を仕上げることに関連のタスクを分解してつめこめばよし。例えば、「〜の図を作成する」「目次を作成する」「文字の大きさを規定通りにする」「段落のズレをなくす」「表紙をつくる」など、とにかく論文を書き上げるための一歩に貢献するアクションを書き出して、体調が悪い時ややる気が出ない時に片付ける。
- 書き始めるとわからないことが明確になる。そうしたら、文献を読めばよし。
- ただ、淡々と淡々と書く
さ、書きましょう書きましょう。