ただいま日本。この一週間、スウェーデン視察の仕事へ行ってまいりました。今回もまた訪問先のコーディネートと通訳、ガイドの3役をやらしていただきました。
視察のコーディネートをさせて頂いたのは、教育業界で知らない人の方が少ないであろう、NPO法人、カタリバ。
大学生ボランティアの高校でのキャリア教育の機会を提供している元祖「カタリバ」の活動で知られていますが、創業から10年以上経った今では、福島をはじめとする被災地における子どもの居場所作りも手がけるなどして全国で、北海道から沖縄まで31都道府県で活動を展開しています。
カタリバ
きっかけ
僕とスウェーデン視察をやることになったきっかけとなったのは、2016年の3月に関東の中高生施設職員交流会のTEENSの勉強会です。「スウェーデンのユースワーク」についてプチ勉強会を開催してそこで講師をさせていただいたのでした。
ちなみにその時に作ったスライドはこちらにあげてあります。
TEENS
その勉強会に、カタリバが手がけている一つの事業である「b-lab(ビーラボ)」の職員さんが数名参加していたのです。ビーラボは東京の文京区に位置している施設で、中高生に放課後の居場所を提供しています。
b-lab(ビーラボ)
その時からビーラボの職員さんと交流が始まり、たまに施設を覗きにいったり飲みにいったりしたのでした。僕が他の場所で講演した時にもわざわざ足を運んでくださったりもしました。本当にみなさん、現場の仕事で忙しいのにも関わらず勉強熱心で尊敬します。
そして春先にカタリバ代表の今村さんの自宅にお呼びいただき、スウェーデンのユースワークの話をさせていただいたのでした。そのままカタリバが助成金を申請して今回のスタディーツアーを実現するに至ったのです。
今回の8つの訪問先
参加者は全国のカタリバ職員11名で、それにアテンドの方と僕を加えて13人で行動をしました。スウェーデンのユースワークを学ぶことを目的にしていたので今回は以下のような訪問先となりました。
それぞれの視察先のインタビュー記録は、後日上げていく予定です。
1.若者と建てたユースセンター:アンドラ・へメット
まず視察1日目は、ストックホルム市のハールホルメ区に位置するユースセンター、アンドラ・ヘッメトを訪ねました。こちらの記事で紹介しているユースセンターです。
引越し中の新しい施設と、若者とアーティストをつなぐ面白いプロジェクトの話を聞きました。アンドラ・へメットを若者と創業したスザーナに長年お世話になっていた職員のジョージとは、僕もインターンでお世話になったのでスザーナの話で盛り上がり、感慨深いものとなりました。
2. 子若政策をアートで解決!ストックホルム市文化局
ストックホルム市の子ども若者政策は、市の文化局が担っているということでアンドラへメットの元職員のスザーナにつなげてもらいました。Rinkebyというあまり治安がよくないと知られている移民郊外にオフィスを構えていましたが、文化局の取り組みもあってか街全体が明らかに以前よりもアートな雰囲気になっていました。
文化的な活動を子ども・若者にどのように広げていくか、興味深い話を聞けました。真ん中の職員さんはDJだそうです。
3. 北欧最大のユースセンター!フリーシュセット
このブログでも何度も取り上げているスウェーデン最大の学校併設型のユースセンターです。写真は、創業者のアンダーシュ・カールバリの信念について語ってもらっているところです。
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4. セツルメント運動の全国連合: フリーティズフォールム
こちらはスウェーデンのセツルメントセンターの全国連合です。現在はユースワークの中間支援や、若者団体のプロジェクト支援を中心に活動を展開しています。スウェーデンのユースワークにセツルメント運動が与えた影響は大きいのです。
5. いじめ撲滅を目指すNGO フレンズ
こちもこの記事で紹介しているNGOです。スウェーデン最大規模のNGOがどのように学校と連携していじめ問題に取り組んでいるのか話を伺いました。
フレンズのインスタにも載りました!
6. 僕の原点!移民郊外のユースセンター:ブルーハウス
「もっと生々しい現場を見たい!」
という参加者のみなさんからの要望に応えて、予定にはなかったのですがその場で電話してアポ取り。訪問したのは、僕がかつてインターンをして数々の伝説を残してきたユースセンター、ブルーハウス。
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訪問時間にはちょうど若者がきていたので、生のユースセンターの現場をみることができました。
英語まったく通じなくてもどうにかなるカタリバの職員さんの現場力はさすがでしたね!
7. ユースステーション(Unga Station i Järva)
最終日の朝は、前日に訪問したブルーハウスで活動を展開するユースステーション。ここは、主にしんどい状況にある子どもを、家庭へのサポートからアプローチしているStockholm City MissionというNGOの事業の一つ。
8. 子どもオンブズマン
最終日午後は、子どもオンブズマン。スウェーデンも日本と同様に子どもの権利条約を批准していますが、実際に子どもの権利が剥奪されている社会状況になっていないのか監視をして、必要であれば法的な措置も行うことのできる政府組織です。ここでもまた、福祉国家スウェーデン社会の抱える課題について伺うことができました。
この後、2チームに別れてストックホルム駅の近くのセルゲル広場に面する文化の家(Kulturhuset)の中にあるユースセンターLAVAと、セツルメントであるMäster Olofsgårdenに向かいました。
カタリバの職員の皆さんは、こんなハードなスケジュールにもかかわらずホテルで毎日振り返りをして、どうカタリバの活動や日本の子ども若者の現場に活かしていくかを話し合っていました。
みなさん、本当にお疲れ様でした。
スウェーデンのユースワークの現場は訪ねる度に新たな発見があります。通訳をしていると脳みそが忙しすぎて、内容が頭に入ってこないのでこれから文字起こしをした内容を落とし込んで行こうと思います。
それでは文字起こしの方をどうぞ楽しみにしていてください!
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