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若者政策のアドボカシーをする上で「若者の権利」を考えることが大事な理由

 

若者の声を届けるなら普遍的なニーズよ把握を

若者の世代を代弁して教育政策に物申したいのなら、それこそ「教育の専門家」になってはいけないと考えます。もちろんある程度詳しくなる必要は、あると思います。大事なのは若者のニーズを把握すること。ニーズというと、目下の緊急なニーズに目が行きがちです。しかし、それよりも大事なのが時代も社会情勢が変わっても普遍的な若者のニーズではないでしょうか。

普遍的な若者のニーズを把握するためにはどうしたらいいのか?それは若者とは何か?人間とは何か、子どもとは何か?という問に答えることから始まり、その応答はやがて人権宣言や子どもの権利条約の条文にたどり着くのではないでしょうか。

しかしどちらも主語は若者ではない。だから欧州若者フォーラム(European Youth Forum)は若者の普遍的な権利とは何か? 普遍的なニーズは何か?を把握し、若者の権利(youth rights) を具現化するために、世界中の法制度を徹底的に調べてある本を作りました。5万円もするその本をもらったときの写真がこちらです。ものすごい分厚い本でした。

若者の権利を把握することがなぜ大事か?

若者にとっての権利を考えることが必要なのは、
・把握しきれていない若者の権利(ニーズ)がないか確認ができる指標となる
・アドボカシー、政策提言の一貫した基本原理になる

・後世に引き継ぐことができる

その結果
・若者の権利が保障される

からではないでしょうか。具体的なアクションや政策はミッションなしでは成り立ちません。

転んで出血したら絆創膏を貼るのが短期的なニーズの把握とアドボカシーです。その時々でアンケートやインタビューをしたりしてそれを伝えることです。しかし、そうしていくうちに大半の若者が直面していく課題が明らかになってきます。

それを抽象化し、そもそも転ばないような社会にするにはどうしたらいいか、若者が普遍的に必要としていることは何か、若者だからこそ直面することが多い課題は何かを考えることが権利を考えるということではないでしょうか。そしてこの作業は時代に応じであらたに付け加えられることもあるはずです。

絆創膏を貼るばかりでは、間に合わない。

転んだら絆創膏を貼るのは必要ですが、そればかりでは効率が悪いのです。アンケートの手法が若者を代弁する唯一の方法ではありません。リーダーがいなくなったら、それすらやってくれる人がいなくなってしまいます。だから状況に左右されない原理としての若者の権利を考え、明文化することに意義があるのです。明文化されるとそれは後世に引き継がれます。

そのうえで、若者にとっての教育政策をどうしてほしいかというアプローチが必要ではないでしょうか。根拠になるのです。子どもの権利条約(UNCRC)は、何十年もかけて、一文一句こだわって世界中の国が合意して形成した条約です。そこまでとはいはないけども、本質的には若者のアドボカシーをやるならここから始めることが最初の一歩になるのではないでしょうか。

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