スウェーデン留学記
こんにちは。
友達もみんなヨーロッパ旅行にいってしまい 、ストックホルムだけで夏を過ごしかけている僕です。
というのもビザの申請中でありまして今スウェーデンの外に出たらかえって来れなくなるということもありまして、ストックホルムエブリディを満喫しているというわけです。
それとは別の理由で、ようやく念願のスウェーデンのユースセンターでのインターンが始まりました。スウェーデン語ではpraktikと言います。現在は、ビザの申請中ということもあり見習い期間中ですが、センター営業日はほとんど毎日顔を出させていただいています。ということで前回の記事に続き、どんなところなのかというのを書いていきたいと思います。
Blå Huset (Blue House)
- Tensta地区にあるユースセンターで13歳から20歳が対象。訪問者である若者のニーズを尊重し、それに基づいた活動を提供している。
- ストックホルム市とCity MittionというNGOが運営しており、カフェMafeとTenstaボクシングクラブが基本的な活動。ボクシングクラブはワールドタイトルをとったボクサーもいるほどの名門校。
- また文化的な活動を学ぶことができる学校も併設しており、6歳から22歳までの子ども若者が利用できる。劇、ダンスなどの講習も一般向けに行われている。
- 目標は、誰しもがなりたい自分になることができる機会を提供すること。
- その他にも、アッシリア協会、文化学校、若者議会、雇用促進事業、言語教育などが行われている。
- この地区の全体像についてはこちらの記事を参照あれ。
- 13歳から20歳までの若者を対象にしたカフェでブルーハウスのなかの一部。
- カフェによるコーヒーやサンドイッチの販売(有料だが安価)、インターネットのできるPC室の提供、ビリヤード、卓球、リビングルーム、サッカー、ホッケー、音楽スタジオ、ジム、などがある。
- 開館時間 木曜日 :16時から21時(通常は女性のみ利用可能) 金曜日:16時から23 土曜日:17時から24時 日曜日 :13時から20時。火曜日と水曜日は休み。ボクシングジムは開いている。
- 新しい活動を始めたい時は、スタッフに直接話すか、ユースボードという掲示板にアイディアを書き込む。スタッフはそのアイディアの実現のサポートをする。資金調達のアドバイスももらえる。
- Tensta地区で夏休みにも開館しているセンターとしてはここのみ。ストックホルム全体でも開館しているとこはほとんどない。
- 夏期営業中は、スタッフは3〜4人。学期が始まると利用者も増えるためスタッフも多い。スタッフは鍵を持っていて、利用者が何かしたい時はスタッフに声をかけて道具を貸し出してもらう。
- 昨年、8月に利用者の若者によるスタッフへの脅迫、センターが半焼するなどの放火事件が起きたことで、再スタートを余儀なくされた。競争入札にかけられ、実績のあるCity Missionに委託が決まり、昨年の秋からCity Missionによる運営が始まった。スタッフも変わったばかりなので地域の若者との距離はまだあるという。
- 改修をしたばかりなのでセンターの半分は新しい。
- 夏休み期間のみ限定でキャンプを実施している。この夏に一度もTenstaの外に出ることができなかった子ども達を探して、スウェーデンの田舎に連れていきキャンプをする。
- Uniartsというプログラムで、ダンスや演劇、バンドなどの練習が無料でできるようになっている。Tenstaのアーティストを招いて講師をしてもらっている。
働くうえで心がけること
- ムスリムが多いので、配慮が必要。女性にはむやみに握手を求めてはいけない。ラマダーンの時期なので、日が沈む前に喫煙飲食をしている若者にも目を光らせる必要がある。
- 女性には触らないようにすること。また性的な話題も避けること。
- 友達であること。しかしその上で地域の大人としてのロールモデルを示すという義務があるということ。
- 若者達は、初めてあった大人を試してくる。様々ないたずらやちょっかいを出してくるということ。なので何か特別なことができるとすぐに注目を浴びて仲良くなれる。しかしメインキャラクターになってはいけない。
- この地区は大変危険なので、夜終業後はかならず2人一組で帰る。何かあったときにはすぐに同僚に助けを求めること。
- 若者の可能性を信じて、情熱を捧げられる何かを見つけることはできないか常に探ること。一方で、非行行動などにも注意を常にする。その両者のバランスがとても大事。
- 禁止事項:喧嘩、自転車、サッカー、緊急通路の出入り。
- パソコン室での禁止事項は、ポルノサイト、暴力的な政治サイト、ドラッグ関連のサイトなどの閲覧。
- 13,14歳の若者はピュア。それより上になると問題行動なども多くなる。
- 白人に対する差別的な行動もたまにある。黒人のスタッフには尊敬のまなざしがあるが、白人スタッフにはそのような行動をとらいときも多い。そのときに冷静沈着でないと昨年の時のような事件につながるから気をつける必要がある。
仕事について
- 仕事始めにと終わりにスタッフで集まってミーティングをする。inpals, utpals(check in, check out)というもので、スタッフ一人一人が仕事始めには、この休日にしていたことや体調などのプライベートなことを話してプロのワーカーに変身する。仕事終わりには、仕事中に感じたストレスや感じたことをここで吐き出して、家に持ち帰らないようにする。
- キャンプをする際には親の承認をとる。キャンプ中に泳ぐ際には、泳げない子どもが多いので旧鳴動をつけるようにしている。
- 毎週金曜日の20時からはミーティングがあり、この地域のソーシャルワーカーや警察などと情報のシェアをしている。初めて行ったときには一週間前の放火事件のシェアをしていた。
- FryshusetのデタッチドユースワークであるLugna GåtanやSafe in Tenstaというストックホルム市が夏季限定で地域の若者を雇ってデタッチドワークをしてもらっており、ブルーハウスにもちょくちょく顔を出してくる。
他にもまだまだ多くのことを教えてもらってるのですが、メモが追いついてませんね。後日、追記していきます。
理想とは裏腹にやはり、現場はとても厳しいですね。若者達にからかわれるのはまだいいんですが、なんせほとんどがみなさんスウェーデン語なわけですから、スウェーデン語レベルが赤ん坊並みの僕が聞き取れることなんてたかがしれています…。ワーカーも若者もほとんどがすばらしい英語をしゃべれるのですが、まあ自ら進んで話そうとはしないのでやはり大変ですね。なので一芸を披露したりなんだったりしてなんとかコミュニケーションをとるしかないので、まあ鍛えられます。先日はフリースタイルラップをふっかけられたのでDragon Ashの「俺は東京生まれHiphop育ち…!」をふっかけてやりましたよ。m-floも効果覿面でしたね。
現在は夏休みということもあり、利用者もそんなに多くもなく男の子(それもかなりやんちゃな)ばかりです。それにしてもアフリカのあのテンションにはなかなかどっと来るものがありますね。卓球とかめちゃくちゃうまいし…。
学期が始まってから本格的なプロジェクトが始動するようなのでまだまだ見れていないことがたくさんありますが、少しづつTenstaにとけ込んでいこうと思います。まずは知ることですね。
一昨日、夕食のケバブを買いにいって並んでいる人と話していたら、たまたま政治家で近くの他のコミュニティセンターで働いているらしいので今日は彼を訪ねたいと思っています。23歳で卓球がめちゃめちゃうまいガーナ出身の彼です。18歳からこの地域の政治家をやってるとか。
それでは。