日本青年館の『社会教育』10月号に寄稿しました。私もかかわった青少年教育施設の調査結果とインクルージョンを超えたトランスクルージョンな参画の提案について書いています。ご笑覧ください。
お世話になっている駒澤大学の萩原先生や、荒川区文化交流施設設置検討委員会で一緒の早稲田大学の卯月先生も寄稿されていて、大変濃い特集となっています。
トランスクルージョンの若者参画とは?
本論考の後半では、トランスクルージョンの参画について紹介しています。
「子ども・若者の声を聴く」という発想をするときに、大事なのはインクルージョン的な発想ではなくトランスクルージョンではないかということを論じています。トランスクルージョンのことがわかると、インクルージョン的な参画の問題点を相対化できるようになります。とくに若者参画は当事者による参画と影響力の発揮がコアになるので、トランスクルージョンの発想と親和性が高いです。
もちろんユースワークとも相性がいいです。それに関してこんなつぶやきをしていました。
ユースワークがBridge & Spaceであるなら、前者は社会のアウトサイダーを内側に包摂する「インクルージョン」(Bridgeによる「位置の移動」)であり、後者はそもそもの社会自体や主体のアイデンティティ、場所や前提の再定義(地平の移動)を可能とするトランスクルージョンな「空間」なのだな。
— 両角達平 (たっぺい)@ユースワーク研究者 (@tppay) August 22, 2022
インクルージョン概念には内と外というバイナリズムやそれによる権力関係の固定化の可能性が内在することに長年違和感を持っていたので、トランスクルージョンの考え方はしっくりきています。驚いたことにヨーロッパのYWの巨匠が唱えていたYW概念とも親和性が高い。
引き続き考察を深めたい。— 両角達平 | 若者政策の研究者 (@tppay) August 22, 2022
このあたり、ぜひ多くの方と考えをシェアし議論したいので、どうぞ以下のリンク先の「ダウンロード」から論文を入手していただけたらと思います。
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