2018年スウェーデン総選挙の結果は?|#スウェーデン総選挙 現地からリアルタイム更新まとめ

スウェーデン総選挙2018

スウェーデンの総選挙を現地入りしてみてきました

4年に一度開催される、スウェーデンの総選挙を現地でみてきました。

ストックホルム中央駅の期日前投票所

ウプサラの投票所

今回、スウェーデンにいたのは未成年模擬選挙の取り組みをしている林大介さん率いるグループとのスウェーデンにおける政治教育の視察のためだったのですが、スウェーデン総選挙の時期とかぶせたこともあり現地でスウェーデンの総選挙を目の当たりにすることができました。

リンケビーの投票所

参加者の学生さんもスウェーデンの選挙意識の高さに圧倒された模様です。

投票日は街中がこんな感じでした。

開票速報を見守りました。

我が視察団は、ウプサラへ移動です。

選挙当日の9月9日は、ストックホルムから電車で北へ小一時間のウプサラにて開票を見守るテレビ番組(Valvaka)を視察参加者の皆さんと視聴をしました。

そして今回はなんと、スウェーデン語と日本語の通訳のプロであり長年日本とスウェーデンの橋渡しをしてきたレーナ・リンダルさんによる実況中継つきでした。レーナさんの以下の記事もあわせてどうぞ。

新しい政権を待ちながら
9月9日の総選挙は終わった。確認を重ねて最終的な結果も出た。開票した夜は普通は次の政権が見えてくるけれど、今回はまったく見えない、複雑な結果になりました。だれが首相になって、どんな内閣ができるかまだまったく見えないところです。 スウェーデンは以前から左ブロック(赤・社会民主党が中心)と右ブロック(ブルー・保守)が競争す...

出口調査:極右政党が第二党へ!?

投票の締め切り時間の20時になりSVT(スウェーデンのNHKのような)による、出口調査の結果がでました。

出口調査のポイントはこのとおりです。

・赤緑左派政権(左、社民、みどり)が39.4%
・アライアンス右政権(キリスト民、穏健、自由、中央)が39.6%で大接戦。
・スウェーデン民主党が第二党に踊り出る可能性大。

グラフでみると以下の通りです。

これまでスウェーデンは伝統的に左派政権(左党・緑の党・社会民主党)とアリアンセンと呼ばれる右派政権(穏健党・自由党・中央党・キリスト教民主党)という左と右の連立政権の間で政権交代が起きていましたが、最近になってスウェーデン民主党という極右のどちらの連立政権にも属さない政党が台頭してきました。

スウェーデンの議会においては、法案を通すには政権が過半数の議席から賛成が必要であるので、いわゆるこの「第三極」が大きくなることで、どの連立政権も過半数をとることができなくなるという状態が続いていたのです。

そして、事前の世論調査ではこの第三極であるスウェーデン民主党がさらなる勢力の拡大が予想されていましたが、出口調査では何と第二党になるとの予想が。これには一同、ハラハラドキドキでした。

開票作業に時間がかかっているようなので、息抜きに近くのコミュニティセンターで行われている開票作業を見にいきました。

日本では開票作業は、投票所とは別の場所で実施されますがスウェーデンでは投票所と場所を同じくして開票作業が実施されます。このように間近に見ることができるのも不思議な感覚です。

電子媒体なども使わずに、手で一枚一枚数えていました。とてもアナログな作業なんですね。。

スウェーデンの未成年が指示した政党は?

ちなみに今回の視察団もみてきた学校における模擬選挙の結果は、投票所が締め切られる20時に結果が公表されるのですが、このような結果になりました。

世論調査の結果と異なり、穏健党が第一党なんですね。中央党と環境党(緑の党)の得票率が高いことも興味深いです。

というわけでぼくからも解説をさせていただきました。

詳しくは以下の記事を参考にしてください。

スウェーデンの模擬選挙の究極の目的とは?「学校選挙」の事務局の若者に聞いてみた
日本では18歳で投票ができるようになり、政治教育や主権者教育に注目が集まっています。政治的な話題をどのように扱ったら良いかが様々に議論されています。それというのもこれまで日本は戦後、文科省による69年通達を皮切りに教育と政治をわける...

左派・右派政権間の激しい接戦

刻一刻と開票が進むにつれて、出口調査と開票結果の間に変化が現れ始めました。

スウェーデン民主党が第三政党となり、左派赤緑政権と右派アリアンセン政権がほぼ互角となりました!

スウェーデン中が注目しているからか、選挙管理委員会のホームページのサーバーはダウンするというアクシデントも。

開票率が96%を超えました。なんと、左派右派の議席数が同じになりました!

次の日も視察が入っていたので、これにて視察団はウプサラをあとにしました。その日、最後に確認した開票結果はこのとおり。

翌日。開票が完了しているかと思いきや…

結果は既に出ているのですが、なぜか開票結果にはシステム上で反映されていないとのことです。しかし、結果はほぼ明らかです。

そして、すべての選挙区の投票が反映された結果がこちら。

しかしこれはまだ最終結果ではないのです。

こちらの投票結果は、「Valnatt」 という選挙投票日の翌日(月曜日)の開票結果です。ここでは、在外投票と期日前投票は含まれておらず、二日後の水曜日に本来であれば最終の集計結果が出るはずでしたが、日曜日まで公表が延期されました。というのも今回は、今までになく期日前投票を行った人が多かったこともあり確認作業に時間がかかったからということです。

2018年スウェーデン総選挙の結果

というわけで日曜日もすぎて最終結果も公表されたので、いよいよスウェーデンの総選挙の結果を発表します。

中道左派の社会民主党が28.3%、中道右派の穏健党が19.8%の得票率となりました。選挙前の世論調査では社会民主党は25%まで議席を減らすという見込みがありましたが、何とか踏みとどまる結果となりました。前回は31%の得票率だったので3%減です。穏健党も得票率を下げたので、伝統的な二大政党への投票がスウェーデン民主党や、右派の少数政党などに流れたということです。

注目されていたスウェーデン民主党は、17.5%の得票率であり、前回の2014年の選挙の得票率12.9%から5%の増加です。

その他の政党の得票率はこちら。

政党 得票率 議席数
社会民主党 28.26% 100
穏健党 19.84% 70
スウェーデン民主党 17.53% 62
中央党 8.61% 31
左党 8.00% 28
キリスト教民主党 6.32% 22
自由党 5.49% 20
みどりの党 4.41% 16
その他の政党 1.07%
フェミニスト・イニシアティブ 0.46%

左派・右派ブロック別の議席数の差はわずか1議席

連立政権ごとの獲得した議席数(得票率)はこのようになります。

ソース:Val.se  円グラフにカーソルをあわせると、構成している政党が表示されます

前回の選挙と比べて、左派の赤緑政権は15議席を減らし右派のアリアンセンは2議席増加。その他の13議席は、どちらのブロックとも組まないスウェーデン民主党へと流れました。この結果から、どのブロックも単独で議席が過半数に達しなかったために、政権運営が難航することが明らかとなりました。

社会民主党党首のステファン・ロヴェーンは、スウェーデン民主党にキャスティングボードを握らせないために、ブロック政治を乗り越えた右派政党への連立の呼びかけをしていますが、中道右派政党はそれに肯定的ではありません。

今後、どのような交渉が進んでいくのか目が離せない状態にあります。

投票率は87%越え

さらに選挙管理委員会のホームページでは、投票率も公開されています。

投票行動
投票 数または割合
国政選挙の有権者数 7,495,936人
国政選挙の投票率 87.18%
国政選挙の投票者数 6,535,271人

2014年の選挙の投票率が、85.81%で今回は87.18%だったので1.38%の増加という結果になりました。今回は、移民政策やスウェーデン民主党が注目を集めたこと、さらに事前投票者数の増加などの影響により投票率が高まったとみることができるでしょう。

注目の若い世代の投票率ですが、まだ公表されていませんので情報が入り次第シェアしようと思います。

現場からは以上です。

12/16 視察報告会を企画中!

今回、スウェーデン視察でお世話になった皆様、ありがとうございました。

とても充実した視察になりましたので、現在、今回の視察の報告会を企画中です。今のところ、12月16日14時~17時で都内ということだけ決まっておりますので、どうぞよろしくお願いします。

続報はこちらの記事に追記という形でしていく予定です。

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