スウェーデン総選挙2018
スウェーデンの総選挙が9月にあるので、選挙の記事を連続で投稿しています。
今回は、掲題の通り「数字」からスウェーデンの総選挙をみてみます。
さすが、かの偉大な統計学者ハンス・ロスリングを輩出した国だけあり、選挙管理委員会のページには選挙に関するあらゆる統計が載っています。
30歳未満の有権者は18%、男性より女性有権者が多いスウェーデン
まずは有権者の数です。今回は、スウェーデン全土の国会の選挙のデータをみてみます。県・コミューンの選挙データは除くということです。
有権者の属性も細かく掲載されています。
出典:https://data.val.se/
50歳以上の有権者数が半数以上を占めるので、スウェーデンも日本と同じく少子高齢化社会であることはよくわかります。スウェーデンでは、初めて票を投じる18歳の有権者を初回投票者(Förstagångsväljare)と呼び、統計に加えているのも特徴的です。今回は5.2%の有権者が18歳で初めて票を投じます。
男性よりも女性の有権者が多いのですね!海外からの投票者の割合まで出しています。
30歳未満の国会議員の出馬者は12%!女性は4割超え
続いて候補者の統計をみてます。これもまたスウェーデン国会の選挙の候補者数で、県・コミューンの出馬者は除きます。
出典:https://data.val.se/
いろいろ衝撃の数字ですね…。
まず、30歳未満の国会の選挙の候補者が12%もいます。若い世代が頼もしい国だ..。ちなみに日本の国会で30歳未満の政治家は現在いません。
有権者と比べると、50歳以上の候補者は半数に達しておらず、逆に50歳以下の候補者の方が半数以上というのもおもしろいです。男女の割合は、候補者では男性の方が多いですが、それでも女性の国会議員の候補者の割合は、4割りを超えています。ちなみにフェミニスト党(FI)は78%が女性の候補者です。
外国人・海外からの候補者もいる
注目すべしは、スウェーデン国民ではない国会議員の候補者が全体で0.1%もいるということです。この人たちは国会の選挙では投票ができないのに、立候補ができてしまうということでしょうか。内訳をみてみると、非スウェーデン国民の候補者がいる政党は、中央党、キリスト教民主党、スウェーデン民主党、スウェーデン共産党です。
さらにスウェーデン国外からの候補者も0.2%いるのです…。蓋をあけてみると、海外からの候補者を出している政党は、
- ベーシックインカム党:4.8%、
- フェミニスト党:1.8%
- 古典的自由主義党:6.2%
- 自由党:0.3%
- 市民社会党:1.6%
- みどりの党:0.2%
- 穏健党:0.3%
- 海賊党:5%
ということです。いろいろ納得です。
それにしてもユニークな政党の名前が目立ちますね。それもそのはず。今回、選挙の出馬登録をしている政党の数はなんと77政党もあるのです。
このページからみることができますが、あり得ない数です…日本で政党や候補者のフィルタリングのためという大義名分で供託金が課せられていますが、そんなのもバカバカしくなるくらいの政党数です…国民運動を民主主義の基礎としているスウェーデンとしてはこういう市民の自発的結社こそを大事にしているからなのかな?と色々考えさせられます。
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