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家畜に投資してお金儲け+ソマリアの社会課題を解決できるスウェーデン発のアプリが斜め上すぎた

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 最近、タイムラインがすっかり農業モードのたっぺいです。
スウェーデンの友人が先日、Stockholm Tech Fes 2017で農業系の面白いスタートアップがあることを教えてくれました。

しかも後日、そのスタートアップはフェスで優勝したのです!

それがこのアプリ。Ari.farm

ソマリアの家畜が飼えるAri.farmとは?

先日開催されたStockholm Tech Fes 2017で優勝したこのアプリが斜め上すぎてすげぇ。ソマリアの家畜をアプリ上で購入して所有者になって、成長したら売り飛ばして利益を出すこが可能。羊、鳥、牛、さらにはラクダを購入可https://t.co/UsuCAI4nlN pic.twitter.com/EoIWWmGj2q

— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年9月7日

他にもヤギを飼えます。例えば本日のソマリアのヤギは一頭あたり$65で前日比6%増。アプリで現地農家の所有者不足を解消し、経済を循環させるという仕組み。pic.twitter.com/8KBISm3jmE

— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年9月7日

Ari.farmでは、ソマリアに実際にある農場で育てている家畜を飼うことがアプリ上でできます。ソマリアでは、多くの畜産農家が年の半分は家畜の所有者が不在である故に貧困状態にあります。そこでアプリで家畜の所有者を募りこの問題を解決してはどうかと、ソマリア出身の元国連職員のMohamed Jimaleが思いつきこのアプリを開発したのです。

買い取った家畜は現地の農家がAri.farmの農場で面倒をみることになっています。農場はソマリア南部のMudugというところにあるようです。

ここ。

(もっと具体的に知りたいな)

家畜に投資してお金儲け+ソマリアの社会課題を解決!

買い取った家畜は成長するにつれて価値が上昇します。そして価値が高まったところで、売り飛ばすことができそれもAri.farmが現地で代わりにやってくれます。こうして家畜を所有したユーザーは家畜に「投資」をしてお金儲けができます。利益はさらに投資に回しても、そのまま現金化してもいいようです。

最近、ラクダもはじめたようです。一頭、15万くらいしますが「ソマリアにラクダ飼ってる」ってインパクト半端ないですね。

ただいまラクダ30頭をセールに出してるみたいです笑 https://t.co/vCT4Ow7htp

— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年9月7日

今はまだ、現地の農家の情報などがあまりみえませんが、将来的にはこのあたりも透明性が高くなって自分の家畜がライブカメラなどでみれるようになるかもしれませんね。

なるほどこれが家禽と飼育者か。仮想通貨よりリアリティあっていいな!笑 https://t.co/NSqqQBUwHW

— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年9月7日

おもしろいのは、家畜を購入するときにそれぞれの家畜の特徴がわかることです。繁殖の頻度や、頭数あたりの価格によって利益率が若干違うようです。(ヤギと羊ほとんど同じですが)

早速ぼくも羊を一匹購入しようと思ったのですが、現在Ari.farmがキャパオーバーらしいので、とりあえずメーリスを購読しておきました。

ちなみに支払いは、クレジットカードだけでなくビットコインなどの仮想通貨でもできるようです。仮想通貨への投資が日本でも盛り上がっていますが、家畜への投資は価格変動の理由がよくわからない仮想通貨と違ってリアリティがあっていいですよね。

仮想通貨のアルトコインの何たらが暴落よりも、ラクダが干ばつにより暴落(そんなやわじゃないと思うけど)のほうがなんか分かりやすくていいよね笑 https://t.co/kAz3mv6Hd7

— Tatsumaru@ストックホルム (@tppay) 2017年9月7日

途上国が経済的に自立するために

さらに、途上国でこのようにビジネスをまわすことができるのは、途上国の本質的な経済発展にも大きく寄与するでしょう。今夏、アフリカのいくつかの国に訪問する中で日本人の国際開発系や国連で働く人などから話をいろいろ聞いたのですが、やはり先進国からのドナー(寄付者)と化している国際機関に現地政府が経済的に依存してしまうという問題があるようです。それゆえに、現地の職員はドナーからお金を捻出することばかり考えるのです。本来は対等な外国の国際機関がドナーと呼ばれていることがその問題を象徴しています。

警察などの行政機関の汚職が文化的に根付いてることの理由の1つに、国際開発機関の支援方法に問題があるようです。ある国際機関はほぼ無条件に職員研修という名の下に補助金をじゃぶじゃぶ出しているようですし…これは支援者と被支援者の関係パラダイムが腐りかけているからこうなっているんでしょうね。すべて手を引けばいいというわけでもないですが、如何にして経済的な自立を促しながら政治の透明性を高めていくことがより求められている今日です。

そういう意味でAri.farmは、そのような国際機関などの補助金などにも頼ることなく「支援者集権」パラダイムから脱して、アプリユーザーと農家を直接結んで経済をまわすことを可能にするプラットフォームとなるでしょう。

ソマリアのラクダ、飼おうぜ!

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