「ポスト真実の政治」が本丸になったアメリカが今から恐怖

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歴史的な日に習った言葉の一つが「教育の再政治化」でした。

日本に限らず先進国で90年代以降に、これまで離れていた「政治」と「教育」が部分集合的に重なる状態がそれ。一方で世界的に、広がる教育格差。平等な教育の機会を受けられないのに、結局投じるのは同じ投票用紙。

そりゃ理想と現実、有権者間に分断が起きますよね。それを象徴した選挙だったのでしょうか。

実際投票しなかった人がこんなにいたわけですから。

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慶應義塾大学法学部教授の国際政治学者、細谷雄一教授は、自身のブログこう述べています。

100年前に貴族階級が社会における支配的な地位を失ったように、今回の政治的変化は、基本的に静かな社会革命であって、政治的エリートやエスタブリッシュメントが支配的地位を失うようになる端緒になるかも知れません

1%が富を牛耳るアメリカ社会で、エスタブリッシュメント(本流・既得権益)の象徴のヒラリーが嫌われるのは仕方ありません。ワシントンに何年間もいたことと、メールスキャンダルだけでも「印象」の悪さを与えてきました。さらに、「金権政治改革」なんて、オバマもヒラリーも唱えてきましたが、結局大きく変わってこるどころか悪化するばかりでした。

ヒラリーの講演料、2000万円がそれを象徴しています。

苛立ちを隠せず、政治とカネ問題をパブリックイシューにしようと立ち上がったハーバードのローレンス・レッシグ教授の出馬が、奇妙なことに民主党の手によって出馬条件を制限されて、結局出馬を断念せざるを得なくなったあたりから、「ポリティカルコレクトネス(政治的公正・公平)」を掲げながら、身を守る民主党の「いやらしさ」がにじみ出てることがわかります。

参考:

バーニー・サンダースを裏工作で締め出したのもの同じことです。

要は、「党」で民主主義の原理が働いていなかったのです。

そりゃあ勘づきますよね有権者は。それか、もう政治に期待しなくなりますよね。

Photo credit: Gage Skidmore via Visualhunt / CC BY-SA

Photo credit: Gage Skidmore via Visualhunt / CC BY-SA

では、トランプがその既得権益にメスを入れられるかというと、それも疑問です。

なぜなら自身も、「ビジネス界」のエスタブリッシュメント出身だからです。金権政治の諸悪の根源は、「大企業優遇主義」と「企業献金の上限を撤廃」(シティズンズ・ユナイテッドなど)にある状況は、もはや党派を超えたアメリカの政治の考え方に問題があるとしか言えないくらいです。

「ミッションは身体に宿る」といいますが、数々の排外主義的な発言が今後どのように現実化していくのでしょうか。

ビジネスのハゲタカが、政治においても「エスタブリッシュメント」になったときの市民の反動が今から怖いです。

なんつったって、今度は「ポリティカルコレクトネスなんて無視!」の金と政治のエスタブリッシュメントの政治家が、怒りの対象になるんですから。

こうしてアメリカは、「ポスト真実の政治(Post-truth politics)」 が本丸になったのでした。