フィンランドとスウェーデンの若者フォーラム に参加してきました。

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無事フィンランドでユースワーク先を見つけたあっくん(大学の後輩)からの出動要請を受け、フィンランドはヘルシンキにてユースフォーラムに参加してきました。その報告をねっちりやっていきま〜す。

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グローブソル (GLOBSOL)

今年で8回目を迎えるフィンランドとスウェーデンの国際的な連帯を推進するための若者のためのフォーラム。GlobsolとはGlobal(グルーバル)とSolution(解決策)をつなげた言葉でグローバルな問題に大して解決策を導きだすという意味である。変化を起こしたい若者が刺激を受けるだけでなく互いに議論し刺激し合うための若者のためのフォーラムである。若者を集め、行動を起こし参加者同士のネットワークを形成し、ワークショップやレクチャー、ディスカッションを通じて互いに影響を与え合い共同することを目的としている。今年のテーマは、「持続可能な開発」。次年度は移民問題。

開催日:2012年9月21(金)~2012年9月23日(日)

開催地:フィンランド・エスポー Hanassari (スウェーデン・フィンランド文化センター)

参加国:スウェーデン、フィンランド

参加者:42人(うち英語話者、日本人2人、アメリカ人、ベルギー人各1人づつ)

参加者年齢:16歳〜28歳 (高校生、政党青年部所属者、大学生など)

参加費:75ユーロ(宿泊・飲食費、交通費、資料費、込)

言語: 英語、スウェーデン語、フィンランド語(英語以外は通訳機あり)

主催:

Hanasari(スウェーデン・フィンランド文化センター) — 開催場所の施設 Kulturfonden för Sverige och Finland(スウェーデン・フィンランド文化㈶) – 両国の文化的な関係を知的な交流を通じて促進することを目的としている。開催場所Hanasariの出資財団のひとつでもある。1960年代にスウェーデンとフィンランドの政府の決定によって設立された。当時フィンランドの戦後の負債の支払いという部分的な関心は両国の文化的な共同財団設立のために破棄された。財団の資本の半分は、両国から出ている。今日ではスカンジナビア最大の両国のための財団である。 Project Office Tandem Alliance Norden Youth Nordic Association’s Youth Nordic Association Finnish Youth council covenant – Nuva rf Earth Charter Initiative Finland

それぞれの団体の詳細はこちらを参照: http://www.globsol.info/index.php?option=com_content&view=article&id=18&Itemid=69&lang=sv

プログラム実施の流れ  1日目

1.オープニング

以下の動画の上映からスタート。

合計6人の基調講演を聞く。

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    • Alicia Jímenezさん,  地球憲章国際事務局コーディネーター, コスタリカ
    • Tuuli Kaskinenさん, Demos Helsinki研究員, フィンランド
    • Milischia Rezaiさん , 2012年スウェーデン全国若者協議会代表, スウェーデン
    • Emma Mustalaさん, フィンランドノルデン協会青年同盟副議長, フィンランド
    • Eeva Taimistoさん,  Global responsibility, マネージャー, フィンランド
    • Maria Aroluomaさん, Environmental Foster, 自然育成者, フィンランド

2. 4つのテーマごとに分かれて、グループのメンバー同士お互いのことを知るための自己紹介やアイスブレイクを行う。4つのテーマは以下の通りである。各テーマにコーディネーターがいる。両角・山本は3)に参加。

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1) 持続可能な消費

Rebecka Carlssonさん, スウェーデン, Annina Hirvonenさん, フィンランド

2) 経済成長と社会的不平等

Johan Sundqvistさん, スウェーデン, Jaana Hirsikangasさん, フィンランド

3) 世界の資源の不均等な分配

Hanna Mia Brekkanさん, スウェーデン, Jonas Biströmさん, フィンランド

4) 環境問題の解決策

Oleg Izyumenkoさん, スウェーデン, Maria Vuorelmaさん, フィンランド

3.ロビーに参加者全員で集合し、3~4人のグループをつくる。ロビーにThe Earth Charter International(地球憲章国際事務局)が掲げる16個の原則が書かれたパネルが設置されていて、グループで順番に読んでいく。

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16個の中で一番大切だと思う原則をグループ内で話し合い。全体に発表。

16個の原則は以下の通りである。

(参照:http://www.earthcharterinaction.org/content/pages/Read-the-Charter.html

①        地球と、地球上の全生命 人類、動物、植物 を 尊重しよう。

②        理解と愛情をもって生命共同体を保護すべきである。

③        平等、公正で恒久平和のために活動するグループが組織されるよう援助しよう。

④        地球の美しさと豊かさを、現在と次世代のために確保しよう。

⑤        生態系に特別な配慮を払いつつ、それらを保護し、必要とあれば修復しよう。

⑥        環境破壊を阻止し、疑問がある場合は慎重に行動すべきである。

⑦        生態系、人権、福祉などを尊重する生産消費形態を利用しよう。

⑧        居住地域の環境と生態系の関係を知ることに努め、それらの知識を他人と分かち合おう。

⑨        地 球から貧困を根絶しよう。貧困が存在すべき理由は存在しない。

⑩        すべての人が、何らかのグループ、企業、あるいは人々の輪を通じて、公正で持続可能な育成、向上が図れるよう協力しよう。

⑪        男女共に、公正で持続可能な方法で、教育を受け、健康が保障され、同等の雇用条件を享受することを確認しよう。

⑫        すべての人々、特に少数民族や先住民のように搾取されている人々が、自らの尊厳や健康、精神的価値が保護された環境に住む権利を差別なく保障しよう。

⑬        人類共存の目的ために、組織化、意志決定、修正化にすべての人が参加するために出来る限りの協力しよう。

⑭        公正で永続的な生活を支えるための研究と実践をしよう。

⑮        すべての生物を大切にし、思いやりをもって接しよう。

⑯        すべての人々が、非暴力、寛容、平和の中に生きるために協力しよう。

その後、夕食、サウナ、就寝。この間とくにグループ活動などの支持はなし。

2日目(テーマ別グループワーク)

1.ディスカッション(午前)「社会の資源の不均等な分配」参加者9人

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2人グループを作り「社会の資源の不均等な分配」についてお互いの意見を話し、2人なりの結論を作る。

 

最初の問いはこのテーマから思い浮かぶこと、どうしてこのような状況が生まれているのか。その後だれでも理解できるようにシンプルな言葉にしてポストイットに書き発表。次にグループを結合させ4人グループを作る。そこに属していない別の2人グループでの結論を4人グループと交換してそれをもとに議論し、新た発想、発見を探り新たな結論を作る。全体に発表。

2.コーディネーターによるレクチャー

各グループには2人のコーディネーターがいる。そのコーディネーターからのテーマに関するレクチャー。

こちらが我がグループコーディネーター Jonas。テーマに関する論点、議論をレクチャーしてくれました。

グループコーディネーターのハナミア(スウェーデン)。アーティスト。昔から環境問題に興味があり様々な活動をして政治家と議論をしてきたが何も変わらないことにいやになりアーティストに転身。

3.ワークショップ  - ロールプレイ(午後)

内容:北極を覆う氷の減少により、北フィンランドの海でのオイル(石油)の掘削が可能になった。掘削を国として認めるかが議論になる。

①    くじで役割を決める。

政治家(保守党1人、緑の党1人、社会民主党1人)、オイル会社2人、ロビイスト(環境系)2人、ジャーナリスト1人。役割に応じて何を話すか準備。

それぞれの役割は以下の通り

保守党:議席保有率6:方針 経済成長、社会福祉の水準の維持

社会民主党:議席保有率4: 方針 雇用の創出、学校の振興

環境党: 議席保有率2: 方針 環境政策の推進

オイル会社: オイル掘削の推進(保守党・社民党を説得)

ロビイスト: 環境政策の推進(保守党、社民党を説得)

ジャーナリスト(オイル会社所属。取材を通じて情報収集をして保守社民への説得)

②    3人の政治家によるスピーチ後、Tee party(コーヒーを飲みながらの話し合い)を行い、オイル会社、ロビイスト、ジャーナリストはそれぞれの意見(掘削yes or no)に投票するように政治家を説得する。両角は環境活動家の役を任されたので、各政党の意向をくみながらオイル掘削に反対するように説得を働きかける。

③    3人の政治家が投票(賛成/反対)を発表し、国の方針を決定する。今回は、保守党は掘削推進に賛成、環境党・社会民主党は反対という結果になったが、議席保有率は6:6で同じなので決定ができないという結末となった。

④    感想の共有

4.レクチャー

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“How to make a change(変化を起こす方法)”をテーマとして、その例をコーディネーターがレクチャー。最後に、全員で「世界でこれまでmake a changeを起こした人」を、1人1事例発表してシェアする。

夕食、サウナ、就寝。

3日目

グループワーク (変革の起こし方を模索する)

新たなトピックとして7つのテーマが提示され、自分が話したいグループの部屋へ移動。テーマはどのような方法で変革を起こすか。学校、政党青年部、NGO、ソーシャルエンタープライズ、日常生活、草の根活動、アートなど。両角・山本は「NGO」に参加。始めに自己紹介をし、さらに2つのグループに分けて、小グループでワーク。山本が参加したグループでは行動の起こし方として「①Join an NGO(NGOのメンバーになる)②Start an NGO(NGOをつくる)③Social movement(変革を起こす)」が提示されそれについて意見交換。

両角が参加したグループでは、NGO経験者がNGOで社会変革を起こすにはどのようにしたらいいかというのをレクチャー。誰に言うか、誰が重要だと考えるか、何をするかを考えなければ行けないというElevator pitch理論や、ミッション、ビジョンの共有、制度の組織化、事実に基づいた正確な調査の継続、過去の成功を思い出すこと、メンバーのコミットメントを十分に引き出すこと(責任の共有、コミュニケーション、参画)、メッセージの伝達(組織内外ともに)、などNGOに必要なチップの共有。

コーディネーターはこの左のかたでした。ちなみに右の方は、以前のプライドパレードと政治参画ブログ記事でパレードで踊りまくっていた議員さん。

レクチャー “Public Narrative”について

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全員がホールに集まり、コーディネーターによる”Public Narrative”の重要性についてのレクチャー。Public Narrativeとは、一人一人と私たちを何がつないでいるのか、何を共通の価値としてもっているのかということである。Story of self(自分自身の話), Story of us(自分たちの話), Story of now(「今」の話)の三つの要素から成り立つ。

その後グループワークを行った部屋に戻り、Public Narrativeについての理解を確認するために感想のシェア、新たに浮かび上がったアイディア、価値、具体例についてシェア。

その後ホールに戻り、数名がみんなの前で発表。1人の高校生は、宿題についていけないコンプレックスを抱えて友達と打ち解けられなかった自分が変わった経験について話す。もう1人は両親がアルコール依存症だったこともありつらかった幼少期について話す。その後、再びグループに戻り「自分が今の活動に関心を持ち始めた動機」「自分が頑張っている動機」「活動を通して変わった自分」についてシェア。(Public Narrativeに関してはこちらを参照:http://workshops.350.org/toolkit/story/)

クロージング

3日間の感想シェアや、6か月後の自分への手紙を書く。6か月後ほんとに自分の家に届く。

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総括 Jonas Eriksson, Aware-House

フィンランドについたばかりの後輩からユースワーカー経由で紹介をいただいたのが今回のこのイベントである。スウェーデン人とフィンランド人の若者が持続可能性について話し合い、解決策を出そうというのがこのイベントの目的であり期待値が高かったため、正直ついていけるか不安はあった。ワークショッププログラムの進行はかなりゆるく時々ワークの支持が明らかでなかったり、ワークの問いが多すぎて何を話していいかわからなかったり、十分なディスカッションの時間もなかったりという点が目立った。また、コーディネーターやリーダーが話しをする時間が多く、セミナーのような印象を受けた。さらにコーディネーターの参加者に対する期待や、このようになってほしいというのが明らかになっているような印象をうけ誘導的な問いや質疑応答をしているように見受けられ、若者の主体性などに敏感な僕にとっては不快感を感じたときもあった。先にものべたように「解決策をだす」というのが目的だったので、どのような議論になるのか身構えていたが、とくに具体化はせず、帰国したらまず最初に何をするのか?などの感想の共有をするだけにとどまったのは残念だった。(一方で英語のラックがあったのでついていけて安心。)

しかしテーマがテーマだけにこのようになるのは仕方のないことなのかもしれないし、北欧ではこのようなやり方が当たり前なのかもしれない。むしろ参加者はこのやり方にかなり慣れているように感じた。僕がもっとも感動をしたのが、二日目半ばからのプログラムのPublic Narrativeについてである。これは一人一人の活動の源泉や今にいたる過去の経験をたどりそれをシェアすることでその場にいる人たちと団結感を得て、未来を語り、行動への動機付けをするということである。一人一人の過去の経験や、抱いている感情を引き出しそれを現在の各々の活動に意味付けをしてこれからの未来を語る中で、自分が大事にしている一貫性のある価値観を発見したような感じがした。このプロセスは見事であった。活動の関心が「個」から「公」へ向いていくようなダイナミズムを感じた。この時のリーダーは、このPublic Narrativeについて様々なフレームワークなどを分かりやすい言葉で伝えていた。彼もそうだが、フォーラムの始まりの講演者も学術論文などを引き合いにだし、高度な知識を正確に伝えているように思った。これをワークショップのスタンダードにしており、高度な議論を参加者に期待したプログラム構成には感動した。事実に基づいた正確な「中身」についての議論を重視しているというような印象を受けた。(そういう意味では僕はプロセスばかり気にしてるのかとも思った…)。実際、これは後できた話しだが、現緑党の党首のグスタフも記者時代にこのイベントのファシリテーターをしていたという。現在の緑の党青年部の党首も参加していたり中央党・キリスト教民主党の若者も参加していた。フィンランドからはEUの青年部で仕事をしているという強者の高校生もいた。この場がスカンジナビアの未来の政治家や活動家の交流・啓発の機会になっていることは間違いがなさそうだ。

とにもかくにも、これがフィンランド・スウェーデンで行われている若者フォーラムであり、それを実体験することができてよかった。そして僕たちが日本で行っている活動も決して間違っていないし、これだったら僕らでもできるんじゃないかという根拠のない自信も手に入れた。ただ、こちらではこれを第二言語である英語で行っているという点ではまだまだ時間はかかりそうだが。ぜひGlobal Solution: Globsol ならぬ、Local Solution: Locsolをやってみてはどうか。