2017年3月、ソウルの若者支援の現場の今を知るためのスタディーツアーに参加した。
訪問先は以下の通りで、若者の就労、住宅、余暇、地域などの問題に取り組む非政府団体の取り組みを視察。
記事まとめ
スタディーツアー3日目には訪問したのは、若者の協同組合、協同組合城北シンナだ。
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韓国で最も若者支援に積極的な地域がソウル市の城北区。その城北区で、若者自身で地域の活性化事業に取り組んでいるのが協同組合 城北シンナである。(*「シンナ」は韓国語で「楽しい」の意。)
ソウル市の城北区
城北区、貞陵 (チョンヌン) 市場内を主な活動の拠点としている。インタビューに答えてくれたのは、オーチャンミンさん、ファンリョジン、ソイヌさん。
今回は若者による地域活性化の活動と、日本にはない韓国の協同組合についてお話をうかがった。
韓国の若者「今回の人生は失敗だ、来世に期待しよう」
私たちの事例に関連して、韓国の若者達が直面している問題について一緒にお話ししようと考え、資料を作成しました。基本的にいま韓国では、調査を開始してから、最高値の失業率を記録しています。現在の失業率は12.5%です。この数字はそれほど高くないように思われるかもしれませんが、この統計には罠があるのです。
韓国で失業率をはかるときには、経済活動をしている人と、非経済活動をしている人とで分けます。非経済活動人口は失業率には全く入っていません。主婦や学生、軍隊に行っている人たちは完全に統計から除外されています。経済活動をしている人の中で、1日でも仕事をした人、無給でも10時間以上働いた人、例えばお父さんの会社で少し手伝いをした人、次の仕事を探し始めた人、そういった人はみな失業者のカウントからは外されています。
現実に即して、働きたいときに働けない人というのを数えれば、3人に1人は失業者だと言えるでしょう。
韓国の若者達について説明する世代論のようなものがありますが、8年くらい前に出た「88万ウォン世代」というものがあります。いくら仕事をしても、1ヶ月に88万ウォンしか稼げない世代です。その次に出たのが、「N放世代」というものがあります。「放」は放棄で何かを諦めるという意味、「N」は数字です。はじめは3つ諦める「三放世代」、それが四放、五放になります。例えば家を諦めたり、恋愛や出産を諦めたり、夢や未来を諦めたりということです。
貞陵(チョンヌン)市場内の様子
日本から輸入された概念として「ゆとり世代」もあります。こんなものでしょ、諦めて生きようというものです。最近は「スプーン」が話題です。金のスプーン、銀のスプーン、黒のスプーンがあって、初めから金のスプーンを持っている人と、初めから黒のスプーンを持っている人がいるのだ。私は黒のスプーンを持って生まれてきたのだから諦めて生きよう、ということです。そういう諦めや、自責の念にかられるような風潮が蔓延しています。
そして今では「今回の人生は失敗だ、来世に期待しよう」という観念を若者達が持っています。日本がどうかはわかりませんが、韓国では若い世代と上の世代との間に葛藤があります。上の世代は、若者世代に対して根性が足りないとか、自分たちのころにはどんな命令でも従ったんだぞとか、そういった思いがあります。しかし大切なことは、生き方や働き方が変わっていることを理解することです。昔のことを語るのではなくて、働き方の質を問われていることを理解することです。若者達は定時に帰れるかとか、自分らしい働き方ができるのかとか、そういった働き方の質を重要視しています。一方で上の世代や政治家たちは、そういった若者達の感受性を理解することができません。
最近は「中東にいってお金を稼げ」などという意見が出ることもあります。自分たちが出稼ぎにいって苦しんで稼いだように、お前たちもお金がないというなら中東などに出稼ぎに行けというのです。上の世代は昔、例えばドイツなどにいって炭鉱で働くなど苦労をしていましたからね。
城北シンナはこうして立ち上がった
最初に活動を始めたのが公共雇用というもので、例えばソウル市などで公益的な仕事、一種のインターンのようなものを提供する活動を始めました。立ち上げメンバーたちは当初、ソンボックという市を拠点にしました。彼らは初め、伝統的な市場を活性化させる取り組みとして、夜の市場を開催したり、街の地図を作ってガイドをしたりしました。ソンボックは大学が7つあり若者達が多いので、地域の若者達と一緒に地域プロジェクトを行いました。
あとは雑誌を作ったり、街中の集会所で10代の子供達と勉強したりしました。そのような住民のための活動をして初めの1年間を過ごしました。良い活動だったとは言えますが、冷静に考えればこれは11ヶ月しかない非正規雇用なのです。(シンナはもとも期間限定のプロジェクトであった)
日本もそうかもしれませんが、1年経つと退職金を出さねばならないので、11ヶ月だけしか働けないのです。シンナが始まった時も、何かを継続して続けるとか、自分たちの情熱に従って行動するとかいった感じではありませんでした。当初、展望は悲観的でした。自分が一生懸命働いたところで正規職員にはなれなくて、非正規で働き続けるしかないのではないかという、悲観的な展望がありました。
3、4年前までは怖い気持ちもありました。自分が一人でこれから食べていけるのかという不安がありました。そういった状況の中で、一緒にやりたいという若者達が10人くらい集まって、さらに我々の活動を手伝ってくれるという、もう少し年上の8人が集まり彼らと一緒に協同組合を作りました。地域の若者達の仕事を作ろうという意志のもとに集まり、地域再生協同組合という名で活動を始めました。
地域を地図化する活動を紹介するオーチャンミンさん
我々の活動を簡単に紹介すると、「somemap」がまず挙げられます。街のグルメ地図とか、安全地図とか、とにかく自分が欲しいと思う地図を作るサービスです。その作成プロセスを通じて、地域を調査し記録することで、地域に必要なものを明らかにしたり、住みやすい街にするためにすべきことを考えたりしました。
代表的な活動としては、10代の子達と3泊4日くらいの旅行をしながら、街を歩き回り一緒に遊んだりしながら、どうしたらこの街がもっと面白く住みやすい街になるかを話し合い、それを実際の地図に表したことが挙げられます。実際に作った地図をご覧ください。
この地図は理想ですか、現実に即したものですか
実際の地図の上に、理想を描いています。日常的に行なっているのは、主に記録する活動です。街に歴史のあるお店があればそこにいって話を聞くとか、街の歴史についてまとめるとか、映像にまとめるとか様々な手段をとりながら、この街を記録し、Webマガジンを作ったりしています。
プロジェクトのうちの1つに、スカイアパートがあります。スカイアパートというのは、韓国の中で一番古く60年代に建てられた集合団地で、少し前に撤去されています。他国では古いものをリスペクトする風潮もありますが、韓国では古いものを一度壊してまた新しくするのが良しとされています。
我々はそれを非常にもったいないことと思っています。そこで、この歴史のある団地を記録しようということで、クルーと呼ばれる芸術家などを集めて、映像を撮ったりインタビューをしたり、また展示会をしたりしました。
株式会社と協同組合の違い
基本的に我々は協同組合ですが、その組合員は100人くらいいます。大学生も社会人も、フリーランサーも芸術家もいて、年齢も様々です。70歳の韓国料理店オーナーもいるんですよ。我々が活動で彼の店を訪れたとき、活動に興味をもってくださりました。組合の中にはいくつか分科会があります。都市再生に関連したもの、フェミニズムに関連したもの、手製ビールをつくる会、街の旅行を企画する会、そういった様々な分科会を形成しています。組合員を講師として人文学の講義を行うこともあります。
協同組合は、会社のような形態だと思っていただいて構いません。基本的には営利法人ですが株式会社とは違いがあります。前者は株主が会社の株を購入し、その資金をもとに利益を生み出す活動を行います。つまり株式の51%を取得していれば、その会社の実権は全て握ることができます。しかし協同組合では、すべての組合員が一人一票ずつの権利をもちます。
株式会社の目的は利潤の追求ですが、協同組合では組合員達がやりたいことを実現することを重視します。組合員たちがお金を稼ぎたいと言えばお金を稼ぎますし、公益的活動がしたいと言えばそちらの方をメインに活動します。また制度的には、5人以上がいないと協同組合は作れません。組合員が出資金を出して協同組合を作ります。
韓国では少し前からブームのように、市民活動家たちが協同組合を作り始めました。2013年に協同組合法というものができ、そこから雨後の筍のように協同組合が出来始めました。
我々が今年行おうとしているプログラムのうちまず1つが、教育事業です。それから組合員達と一緒に企画する分科会活動、他にも講演会など様々な企画があります。そして今年の目玉が、くまモンのような地域キャラクター、ゆるキャラを作ることです。日本の場合はこういったキャラクターづくりや地域事業が非常に発展していますが、韓国では企業中心の社会なので、地域振興やキャラクター産業といった分野が弱いのです。くまモンを見ていて、そのキャラクター産業の強さに驚き、さらにそれが地域と結びついたときのパワーに惹かれました。
地域のキャラとか、地域のビールとか、住民達も一緒に楽しみながら消費できるようなものを作ろうと考えています。組合員たちは居酒屋や食堂を運営したりもしていますよ。市の事業ではなく、各組合員が自分で行なっているものです。このように組合員たちがやろうとしていることを、一緒に手伝って推進していくのが、街の地域会社です。自分たちが考える問題を、長期的には集団知性の力で解決していくというのが私たちの目標です。
韓国では、ソウルだけでもこのようなローカルビジネスをやっている団体が多くあります。少し考えただけでも10以上は浮かびます。協同組合はシンナともう一つだけで、あとは会社です。建築の会社、インテリア、料理、3Dプリンターなどの技術、と様々なカテゴリの会社があります。
協同組合には100人いると言っていたが、彼らの参加の仕方はどのようなものか
構造についてお話しすると、組合員たちがまずいて、そこに事務局があります。常勤が3、40人くらいです。それから半分くらいは後援者です。活動を支援してくれる後援者ですね。そして残り半分くらいは積極的に活動に参加する人たちです。グループ活動や子供達が参加できるプロジェクトを作ったりしています。
意思決定機能としては、一年に一度総会を開いており、そこでの決定事項を1年間で実行に移します。また6人くらいの理事もいます。四半期ごとに1度集まり、詳しいことを理事会で決定します。日常的にやる取り組みは、事務局の中で決定しています。
組合なので助成金をとるなどはしていないのですよね
していません。事業を行なっているので、その収入で運営しています。補助金というのは、団体に対してはありませんが、事業に対する支援はソウル市やその他自治体から受けています。プロジェクトの委託を受けているような状態です。また組合員たちが1ヶ月ごとに払う会費もあって、おおよそ月1万ウォン程度です。
人件費は主に事業費から出ていると考えてよいのでしょうか
その通りです。
地域、というのはどの程度の規模を指しているのでしょうか
この街、という狭い規模と思っていただいて構いません。初めは城北区全体を対象にしていましたが、いざ活動を始めると規模が広すぎて手に負えないことがわかりました。そこでもう少し狭い範囲で、力を入れて行うことに決めました。城北区の中でも我々の住むチョンヌン町に集中しようということですね。時には城北区を含めた他のソウル市内に出向くこともありますし、要請があればチェジュドなど全く別の場所に行くこともあります。
要請はどのようにしてくるのでしょうか
一緒に遊ぼう、ときますね。チェジュド(ある地域)には我々と同様の活動をしている団体がいるので、彼らからお呼びがかかりました。似た活動をしている団体はソウルにも、他の地域にも割と多くあります。
株式会社と協同組合の形態があるようだが、後者の形態をとった理由はなにか
よくわからなかったので、その時はやっていた協同組合にしました。元々は1年間のインターンで来ていた社会人の集まりだったので、みんなが同僚でした。ですから、誰か「俺が代表をやる」という人がおらず、また誰かを代表にすることにも抵抗がありました。そこで協同組合の形で始まったのです。
協同組合長はいないのですか
いません。一人一票をもった平等な集まりです。役割があるだけで、上下はありません。
平等とか、代表者がいないとかいうのがキーワードだと感じられますが、どうしてそのような姿勢になるのでしょうか
日本はちょっとわかりませんが、韓国は元々の社会構造で非常に厳しい上下関係があります。1歳違うだけでも先輩と言ったり、その人に対しては完全にしたがったり、自分が幼いとか経験がないというだけで意見を言えなかったりします。
そうすると、本当の意味での民主主義ができないと我々は考えたのです。自分の本当の意見を自由に話せるのが民主主義ですから、その実現のためには上下関係をなくさなくてはならないと考えました。
協同組合はヨーロッパにも多くありますが、そういった場所の影響を受けている部分はありますか
ヨーロッパを参考にすることもありますが、韓国とはあまりに環境が違います。どちらかといえば日本のまちづくりの方の影響を強く受けています。リノベーションなどを行う家守会社などを参考にしたことがありますね。日本が抱えてきた問題は、韓国の中でもよく見られるものです。不動産の問題、青年の失業率や引きこもりの問題などですね。日本の活動は、すごく参考にしています。
地域再生をする協同組合だとのことですが、どういった地域を理想としているのでしょうか
ソウルは大都市なので、大都市ならではの問題があります。孤立とか、コミュニティ断絶とかいったものです。もともと我々がやろうとしていたコミュニティ再生というのは、農村に戻るとかみんなで畑を耕してとかそういったものではありません。都市の中で、一人暮らしの人同士の共同体のあり方を考えたり、そこに人的な支援を行ったり、楽しく過ごしながら消費していく地域コンテンツにはどんなものがあるかを考えたりします。
最近始めた取り組みの一つに、果物を一緒に食べる取り組みがあります。韓国では果物のバラ売りをあまりしないため、一人暮らしでは果物をあまり食べられません。そこで若者同士で果物を購入し、分けあって、お互いに会話をかわしながら果物を食べるのです。ソウル市が抱えるどうしようもない問題、孤立や断絶などを解消することを目指しています。
事業収入の中は、民間からクラウドソーシングされた仕事と、自治体など公共団体から受けた仕事と、それぞれどれくらいの割合を占めているのでしょうか
公益的な活動ですから、主に自治体からもらう方が多いです。たまに民間企業からくる仕事もありますね。我々の目標の一つに、収入源を複数持つというものがあります。自治体からのお金、民間からのお金、さらには消費者からもらうお金、それらをうまく組み合わせていくことが目標です。
組合員はこの地域出身の方が多いのでしょうか
基本的にはこの地域の人が多いです。遠い人でもみなソウルの中には住んでいます。我々の団体は加入制限は設けていないので、希望があれば誰でも加盟できます。
なぜ組合への参加を決めたのでしょうか
私は元々全然関係ない地域に住んでいました。韓国の若者というのは自分の住みたい地域に住み続けることができません。家賃の上昇、大学への入学・企業への就職、実家を離れなくてはならないなど様々な事情によって、あちこちを転々しなくてはならないという事情があります。自分が家賃を払える範囲でかつ、自分のライフスタイルにあった街を探していた時、このソンボックという街が魅力的に映りました。元々はインチョンの出身で20年くらい住んでいましたが、あまり愛着は湧きませんでした。そこでこの街に引っ越し、5年が経ちます。
活動への参加経緯としては、はじめからこの街をどうにかしなくてはと考えていたわけではなく、気の合う人たちと一緒にいたことが、自然と今のような活動に繋がっていたというのが事実です。元々、地域を再生したいという気持ちがなんとなくはありましたが、ここに移り住んだ時なんとなく、自分がここに長く住み続けるような感覚がありました。うまくその2つの気持ちが合致したと言えるでしょう。
最初にインターンが入り、活動開始したのは具体的に何年のことですか
2013年です。この仕事のために、当時この街に越して来ました。はじめはただ単に仕事場の近くに住もうという意味でこの街に住み始めましたが、インターンをしながらこの街がだんだん好きになり、それが現在まで続いているということです。
ファンリョジンさんはいかがですか。
私はここではなく、結構遠いところに住んでいます。ここに住みたいとも思いますが、家賃などの問題があり、まだ悩んでいます。韓国は割と引っ越し社会です。私は現在の家に4年住んでいますが、これは私の人生の中で一番長く住んだ家です。他はみな1-3年でずっと引っ越してきています。基本的には2年単位で契約で、実家でも2年経てば引っ越しします。
韓国は基本的に家の借主に対する保護が弱いので、家主が家賃を上げたら、払えるなら住む・払えないなら出ていかなければなりません。そして2年ごとに家主は家賃を上げます。だから出ていかなくてはならないのですね。日本では、実家が一軒家で持ち家だというケースもあるでしょうが、韓国の都市部やその周辺ではまずそれはありません。いまの韓国では三世代が住んでいる家というのはなかなか見つけられません。ニュースに出てくるくらいです。
また通勤時間も非常に長いです。特にソウルの場合には、きちんと会社に通えるように、という意味でバスや地下鉄などの公共交通機関が非常に発展していて安いのです。アパートと言われる団地がたくさんあると思いますが、そこではたくさん引っ越しが行われています。その引っ越しも簡単にするために、はしご車を使って行われるのです。引越し屋のはしご車から、はしごを20Fくらいまで伸ばして荷物を運びます。
引っ越し社会であるということはなおさら、近所とのつながりも薄いのでしょうか。
確かに近所の人のことは全然知りません。
地図を作るなど、活動のアイディアはどのようにして出ているのでしょうか
事務局の会議で話し合ったり、地域の住民に何が必要かをヒアリングしたりします。地図のアイディアは、地図というものがもつ情報性とか共同体性に目をつけたのでしょうね。分科会からアイディアが出てくることもありますよ。ビールのアイディアは、元々街で地ビールを作っていた人が、自分も活動をしたいと言って組合員に加盟したことがはじまりです。
地図で描いた理想を実現するために、分科会で活動を行なうなどしているのでしょうか
この地図は、アンサンという地域からの要請を得て作ったもので、若者たちが行う活動の最初のとっかかりとして「こんなものを調べてみよう」と始まったものです。ですから、地図を作った後で、その作り手となった若者たちが次につなげるアクションを行っているかもしれませんね。アンサンの隣町は、元々セウォル号の事件で高校生がたくさん亡くなった町で、地域の元気が無くなっていました。レイプ事件などもあり、若者たちにもっと良い影響を与えたいということでこの活動の要請があったと聞いています。
10代というのは主に高校生ですか
小学生や中学生が多いです
分科会活動のテーマは誰が決めているのでしょうか
我々が先に企画するものもありますし、組合員たちの提案から分科会ができることもあります。組合員と事務局とは、facebookやカカオトークなどSNSを通じて、日常的にコミュニケーションをとっていますから、そのフラットな関係の中で意見を出してくれます。私はその組合員たちと関係を築き、意見を吸い上げる役割を担っていて、事務局ではこの役割をすごく重要視しています。
理事の方は選挙で決めるのでしょうか
総会で選挙を行います。運営を任せたい人が推薦で選ばれます。6人のうち3人くらいはシニア、残り3人は2,30代くらいの人が就いています。
地図を作った時には、実際どのようにプロジェクトを進めていったのでしょうか
アンサン地域が、地元の若者達を集めて、この子達に何かやらせてほしいと依頼してきました。我々が行っているsomemapの取り組みを見て、我々の街でもぜひやりたいと言っていただいたのです。何かプロジェクトをする際には、その地域で元々活動をしている若者グループと一緒に活動を始めることが多いです。
まとめ
後半はかなり具体的な話になったが、ソウルの若者が悩まされている社会問題の背景と、その解決に取り組む若者自身による活動が浮き彫りになったインタビューとなった。
個人的には、協同組合という組織形態のあり方が新鮮であった。スウェーデンでも協同組合の活動はいくつもあり、国やEUからの財政的には補助が出ているほど社会的な位置付けは大きい。株式会社と異なり、1人1票の投票権があることやその民主的な運営方法ならず、社会問題を解決するためのコミュニティを形成する役目も果たしていることが話を聞いてよくわかった。ソウルの若者の住宅組合の場合も全く同じであり、存在することとその活動の中身の両方で問題解決につながるのだ。基本的な財源が会費であり、比較的小規模な組合なら小回りをきかせた活動もできるので、これからの社会問題を解決する組織形態のひとつのあり方として、大きな可能性を感じた。
Special Thanks
記事協力 : Erika Hayashi
通訳者:大草みのる
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