キャリア・生き方
先日、大学の友人と久しぶりに会ったときでした。
井の頭公園
彼はシンガーソングライターで大学時代から音楽活動をはじめ、大学を卒業した今もずっと続けています。ぼくはずっと海外にいたので東京でライブにいくのは初めてでした。
あいにくバンド活動は現在は休止していたので、その日はバンドではなくソロでのパフォーマンスでした。他にも5組くらいシンガーとバンドが演奏することになっており、空きができたのでお願いされて、急遽飛び入りで参加することになったのでした。
オリジナルを数曲と渋目のカバーをサクッと披露したのですが、やっぱ久しぶりに聞いたってのと、音響やエフェクトのおかげなのか、めちゃうまでした。
が、つなぎのトーク全然をしていませんでしたw
もともとトークはガンガンする方じゃなかった気がしますが、なんかますます下手くそになったんじゃないかと一瞬思ったくらいでした。
次の人もよかったです。普段はデスメタルのボーカルをやってる女性でしたが、その日はアンジェラアキばりにピアノでしっとりと歌っていました。ザワワーッときましたよ。
3番目は、最近まで大学生だったらしい森ガール系のシンガー。パンフフレットも本格的なものを用意していました。4番目は、徳永英明の若くした感じのギター男子でバラード音頭。最後は、女性ボーカルの3人組のバンドでした。
結論からいうと最後になるにつれて、つまらなくなっていったのです。
なぜつまらなくなったのか?
一緒に観にいった後輩も同じように、後半になるにつれてつまらなくなった、感想が一致したのが笑えました。トークが下手くそだったぼくの友人がダントツでうまかったという点も同じでした。
最後のアーティストになればなるほど、客も増えていて、もちろん「本格的」だったんですけど、それでもなんかつまらないと感じてしまったのです。なんで徐々につまらなくなっていったのか、考えてみました。
紋切り型アーティストのつまらなさ
これにつきます。
他のアーティストは後半になるにつれて、「アーティストはこうあるべき」みたいなものに自分からその枠に「はまりに行っている」ようにみえたのです。まさに紋切り型、つまり「お決まり通り」のミュージシャンになっているようにしかみえなかったのです。
ミュージシャンっていえば、既存の枠にとらわれない自由で生き方をしているイメージですが、あれれどうしてみんな同じように見えてしまうんだろうかと。
ゆいっぽい大卒シンガーソングライター、
徳永英明みたいなニーちゃん、
「本格的」っぽさがやばかったトリオ、
トークもパンフレットも、そして曲までもが「プロっぽく」しているようにみえちゃったんです。結果として、他とそんなに変わらない感じになってしまうっていう逆説が起きていました。アーティストなのに。
日本のアマチュアミュージシャンって、ライブやる時には箱に何人入れなきゃいけないっていう「ノルマ」が課せられているらしいんですけど、こういうのがあるから大変なんだと思いました。ファンとまめに連絡をとったり、パンフをつくったり、ホームページがんばったりと。テンプレにはまらざるを得ないというか。商業化されているというか。
大事なんでしょうけど、それあまり持続可能性が低い気がしました。
迎合をあきらめた
ぼくが一番よかったと思った友人に、なんでつなぎのトーク頑張らないのか聞いてみたら、
もうあきらめた!
のひとことw もともとベシャリがめちゃくちゃ上手ってわけじゃないのは自覚もしていたようです。去年まで他のミュージシャンみたいに、トークもがんばり、その他の「挨拶回り」もしていたみたいです。しかし、頑張りすぎて燃え尽きたたらしいです。
そして今は、バンドとしての活動を休止したようです。
しかし、休止して単品で何にも縛られずに好き勝手やりはじめてから、どうやらいろいろ声がかかり始めたとか。
ふっきれて好き勝手にやったほうがいい
それは彼のパフォーマンスにも十分現れていました。
ふっきれてたので、もう愛想を振りまくトークもしないし、好きな選曲で自由にやるしのびのびやっていました。
もう俺はベシャリが下手くそだから、歌と技術でついてこれる奴だけついてこーい!
っていうスタンスだったらしいです。
アーティストも成功するためにはいろいろ、挨拶回りとか宣伝とかしなきゃいけないでしょうけど、それっていつかバーンアウト(燃え尽き症候群)することにならないだろうか。
ブログも同じで、わかったブログのかん吉さんは以下の記事で「偶然の力を利用する」ために「ランダムを組み込むこと」を書いていますが、まさに彼も今回は「ランダム」なパフォーマンスだったから、終了後にお客さんにお客さんに声かけられていたのかなと。(トークで「昆虫大好きです」っていったらそこにかかったお客さんがいたんですw)
つまりは好き勝手やっていい、と。
それとそうやって、好き勝手やって自分のありのままを出していると、持続可能性も高くなるなと思いました。だって余計な外回りなどしなくていいし、トークも最近の「社会情勢に触れる」みたいなことしなくてもいいのですし。何よりも自分が楽です。
で、届く人には最後は届くのだと。
実際に、ぼくの後輩は、あの荒っぽい「野生」なパフォーマンスをみて「ゴツゴツしたまんまでいいというメッセージが伝わってきた」と言っていましたが、それってなかなか素敵なメッセージじゃないですか?つまりは結局、自分のままでいいよ、やりたいようにやれよっていう、まったく目新しくもなんともないお話でした。
せっかくなので、本をおすすめします。進学、就職、留学、などなどこれからの進路や人生に迷っている人、「やりたいこと」論争に終止符を打ちたい人に以下の山田ズーニーさんの「おとなの進路教室」がおすすめです。そろそろぼくも読み直したいです。