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私はこうしてJICA青年海外協力隊を経てスウェーデンの大学院へ進学しました

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スウェーデン留学記 (CC BY-NC 2.0)

長野生まれ→愛知の大学→カナダの旅行会社→地元→海外協力隊→スウェーデンの大学院へ

はじめまして。飯田陽平と申します!

私は長野県で生まれ、愛知県にある大学で写真を専攻し、卒業後にカナダの旅行会社でビデオカメラマンをした後、地元の会社で3年間働きました。

中学の頃から異文化や世界で起きている問題に興味があったため、2015年にJICA青年海外協力隊へ応募し、2016年3月から2018年3月までインドへ派遣され養蚕農家の収入向上に向け活動をしてきました。

そして今年の9月から、スウェーデンのルンド大学(Lund University)にて、「国際開発と経営(MSc in International Development and Management)」という修士課程で2年間勉強をしてきます。

この記事では、青年海外協力隊をおえた私がどのようにしてスウェーデンの大学院に無事に進学することができたのかをまとめます。

ところで、青年海外協力隊とは?

「青年海外協力隊って聞いたことはあるけど、具体的にはどんなことをするの?」

という方のために、まずJICA青年海外協力隊について説明します。

JICA青年海外協力隊とは、

日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業です。開発途上国からの要請(ニーズ)に基づき、それに見合った技術・知識・経験を持ち、「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む方を募集し、選考、訓練を経て派遣します。

そして青年海外協力隊事業の主な目的は以下の3つです。

(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与

(2)異文化社会における相互理解の深化と共生

(3)ボランティア経験の社会還元 

引用元:JICAボランティア「JICAボランティアの事業概要」

隊員は2年間開発途上国に派遣され、現地の人と共に考え、共に活動をしていきます。

青年海外協力隊の中には120以上の職種があり、自身の経験と照らし合わせ、職種を決めたのち、応募します。

私は大学で写真を専攻しましたが、人とのコミュニケーションが好きだったのと、大学生、社会人の時にイベントの企画運営経験もあったので、コミュニティ開発という職種で応募しました。

そして、インド政府繊維省中央養蚕局にコミュニティ開発隊員として派遣されました。私自身、養蚕経験はゼロしたが、今までの自身の経験を活かし養蚕農家さん、配属先職員と共に活動をしてきました。

私の活動の一部がJICAホームページのこちらのページで紹介されているので、興味のある方はご覧下さい。

自分にしかできないこと | 世界HOTアングル – JICA

なぜスウェーデンの大学院へ進学を?

大学院への進学は、国際連合、JICA、国際NGO、開発コンサルタントなどの国際協力機関で将来仕事をするために、JICA青年海外協力隊に参加する前から考えていました。

そして進学先としてアメリカやイギリスの大学院も当初考えていたのですが、スウェーデンの高等教育の質の高さ、修士課程の内容、そして学費がとても魅力的でスウェーデンの大学院へ出願しました。

2年間の修士課程の中には、学んだ知識を現場で実践するためのインターンシップやフィールドスタディがあり、また学費に関してもEU圏以外の留学生は支払わなければならなくなりましたが、それでもアメリカ、イギリスよりも安く魅力的でした。

スウェーデンの大学院に出願するために私がしたこと

大学院の情報収集に関しては2016年の春から始めており、「どこの大学院に進学したいか」をずっと考えていました。情報収集の段階では、ネットでの検索はもちろん、大学に直接問い合わせをしたり、実際に大学院へ進学した友人から話を聞いて、情報収集に努めました。

そして実際にスウェーデンの大学院で勉強をされていたたっぺいさんが運営するブログ、 Tatsumaru Timesからもたくさんの情報を得ました。スウェーデンの大学院について質問があった時はTatsumaru Timesの掲示板も活用させていただきました。そこで実際にルンド大学にいった方からアドバイスをいただけたのも参考になりました。

また英語のスコアも必要だったため、IELTSテストを出願前に数回受験しました。

そして2017年の8月に出願する大学院を絞り、出願書類の準備に取り掛かりました。第一志望はスウェーデンのルンド大学で、ルンド大学への出願はスウェーデン全体で統一された大学出願窓口である、Universityadmissions.seというサイトを通じておこないます。

それと平行して、ルンド大学が不合格だった時のために、イギリスの大学院 4校(各校とも開発学系の修士課程)への出願準備も始めました。イギリス大学院4校への出願に関しては「留学コンシェルジュ beo (ビーイーオー)」(http://www.beo.co.jp )という会社の、留学サポートサービスを利用させていただきました。

そして2017年12月末にイギリス大学院への、2018年1月初旬にスウェーデン大学院への出願が完了しました。

出願した大学院、すべて合格

イギリスはリーズ大学、マンチェスター大学、イーストアングリア大学、バーミンガム大学へ出願をしました。2018年の2月中旬頃までには全4校から連絡を頂き、無事全校から合格をいただくことができました。

そしてスウェーデンの大学院の合否発表はUniversityadmissions.seを通じ、4月6日にあったのですが、こちらからも無事合格をいただけました。

学士と修士の専攻が一致していなくても大丈夫か?

私が一番気がかりで、不安、不明だったことは、大学の学士がビジュアルメディア(写真専攻)でも、国際開発学系の修士課程に本当に入学できるのか?」ということでした。

修士課程の出願条件として、「社会科学系の学士を持っていること」または「社会科学系の学士をもっている事が好ましい」というところが多かったからです。

しかしNPOでのボランティア経験や、ビジュアルメディア(写真専攻)という学士で学んだことを活かした活動をJICA青年海外協力隊でおこなってきたので、それらの情報をCVや志望動機書に盛り込み、不安はありましたが、全ての大学院に出願しました。

そして全ての大学院から合格をいただけたので、実際に志願をしてみて分かったことは、社会科学系の学士がなくともその修士課程に関連した経験や実績があれば、それを評価してもらえ合格をいただけるということでした。

ヨーロッパの大学院を志願する人へ:書類準備に命をかけること

スウェーデンもイギリスの大学院も出願に必要な書類がたくさんありました。

  • 志望動機書
  • 卒業証明書
  • 成績証明書
  • 英語のスコア
  • CV
  • 推薦状
  • パスポートコピー

などなどです。

それらの書類を集め、作成するのにとても時間がかかるため、かなり早い段階から余裕を持って準備を進めておくといいと思います。とくに推薦状に関しては、お願いをする方の都合もあるため、早め早めにお願いをするのがいいです。

スウェーデンに関してはUniversityadmissions.seにて1月中旬まで願書を受けつけており、願書受付終了後に一斉に審査が始まるため問題ありません。しかし、イギリスに関しては先着順で審査が始まり、順次合格通知が出されるため、願書は早めに提出した方が有利となります。

私はイギリスの大学院に12月末に出願しましたが、出願した時は「もっと早めに準備して、もう少し早く願書を提出しておきたかった〜!」と後悔しました。

またスウェーデンの大学院へ出願する人も、例年1月中旬が願書受付締切となっていますが、こちらも願書受付が開始される10月までには、必要書類を揃え、受付開始と同時に提出できる状態にしておいた方がいいと思います。出願後に書類不備が見つかり、一部書類を再提出しなければならなくなった場合、余裕を持ってそれに対処する事ができるからです。

つまり、冬に出願する場合は

・イギリスの大学院は9月

・スウェーデンの大学院は10月

までに、必要書類を揃えておければベストだと思います。

早めに準備をしておくことで、その後起きるかも知れない不測の事態に対処する事が出来るからです。また情報収集もとても大事で、インターネット、友人等からたくさんの情報を事前に集めておくといいと思います。

そして最後に、今回の私のように、自身の学士の学位が出願先の修士課程と分野が違っても、修士課程に関連する経験や実績があればそれを評価してもらえる場合もあります。ですので、大学に確認した上で、諦めずにチャレンジしてみるといいと思います!

ヨーロッパの大学院へ進学を考えている方は、出願準備等、大変な事が多いですが、希望に沿った進路選択ができるよう応援しております。そしてこの記事が少しでも皆様の参考となれば幸いです。

飯田さんとは2年近く、Facebookでやり取りをしてスウェーデンの大学院進学のためにいろいろ相談にのっていました。最終的に、このように目標が結実したことは素晴らしいことです。

本当におめでとうございます!!!!

僕も心配だったのは「学部時代の専攻と出願先の大学院での専攻が不一致でも合格するのか?」という点でしたが、飯田さんがそれをカバーするだけの経験とプレゼンテーションをもってすれば不可能ではないということを証明してくれて、ホッとしています。

スウェーデンの大学院の学費と生活費はどうするのか?

ちなみにスウェーデンの大学院の学費は無償ではありません。

学費は大学院の期間、2年間で約250万円 (SEK200,000)とのことです。さらに、生活費は、スウェーデンの移民局によると目安として一ヶ月あたり月10万4千円(SEK8,190)なので、2年間で×21ヶ月で約220万円 (SEK171,990) かかるということです。

つまり合計、2年間で少し多めにみて生活費と学費で550万円は必要になるということです。

決して安くないですね〜。

飯田さんにこの費用をどうするのか質問をしたところ、

現在、返済不要の奨学金に申請中です。もしも合格しなかったら国の教育ローンを利用して、卒業後に返済していく予定です。就学中にバイトをする余裕がありそうならしたいですが、恐らく授業に追ていくのが必死になりそうなので、それは難しいかなと思っています。

とのことでした。

奨学金、受かるといいですね!

最後にアドバイス

僕は、現地のIT会社で働きながら勉強をしていましたが、確かにセメスター中は忙しすぎましたね…。ただ、簡単なバイトでもいい息抜きになりますし、仕事モードと勉強モードを切り替えることができるので悪くはないですよ。

実際、スウェーデン人であれば仕事しながら大学院通っている人も多いです。むしろ、国際協力系のNGOなどでインターンをしながら、学業に励むと修士課程が終わる2年後にはよりチャンスがひらけているという安心感もあります。

あと、同級生もみんなそういうことを考えているので、少ない国際系のNGOの事務所に早めに自分の席をとっといた方がいいかもしれません。ぼくだったらプログラムが始まる3ヶ月前から現地入りしてチャンスをうかがいますね。そしてパソコンとネットさえあればいい仕事もはじめるなどして収入源を増やしたりします。

いずれにせよ、合格おめでとうございました!!!

これからのスウェーデン生活、Lycka till!!!!

画像:(CC BY-NC 2.0 :Jan Stefka)

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