『若者からはじまる民主主義ースウェーデンの若者政策』好評発売中!
PR

ヨーロッパ、スウェーデンの大学院進学のために僕がしたことすべて。

スウェーデン留学記

毎年、6月から7月にかけては日本人の留学生は、留学先の国を離れて日本へ帰国します。ある人は、もうすでに就職活動まっただ中だったり、ある人は半年後には卒業だったり、またある人はすでに休学しており卒業まで1年以上の時間があったりします。

いずれの人も考え始めるのは、卒業後の「進路」です。留学を契機に海外大学院進学を考え始める人もいれば、留学前から卒業したらとりあえず働くと決めている人もいます。僕はこの2つでいうと前者、つまり留学を契機に海外大学院への進学を決めた方でした。

そういうこともあり、最近では進路の相談いただくことがよくあります。とくに大学院進学に関してです。

(相談はフォーラムでも受け付けていますのでぜひどうぞ。)

海外進学は、先行き不透明もいいところ

というのも、海外の大学院は日本の大学院と大きく異なるからです。例えば、スウェーデンの大学なら試験は無し、TOEFLかIELTSの点数が一定以上必要、推薦状はもらわなくていい、手続きは全てWeb上で行う、などが全く異なります。スウェーデンは今は違いますが、ノルウェーやフィンランドでは留学生でも大学院の学費が無料だったりします。イギリスやアメリカの大学は有料なので(スウェーデンも)、そちらへ進学する場合は奨学金などを準備をする必要もでてきます。

さらに大学の卒業と入学の時期も異なるので、空白の時期も生じます。例えば、日本は大学が終わるのは3月ですが、スウェーデンでは8月の中旬から9月の上旬にかけて新学期が始まります。その間、5カ月ほどの、学生ではない空白の時期が生じます。(僕はこの間、ベルリンで働いていました)

学期の時期が異なるということは、入学申請の時期も異なります。例えば、2016年の8月からスウェーデンの大学院に入学したいのなら申し込みの最後の締め切りは2016年の1月になります。また後期(1月スタート)から大学院や学部のプログラム(私費留学にも該当)へ申請したいのならこちらも半年前(8月)に申請を終える必要があります。

また最も厄介で面倒なのが入学を申請するときに必要となる書類を集めることです。大学の英語の卒業証明書は、申請窓口からすぐにとれましたが、高校の英語の証明書はそもそもそのような窓口がなかったりするので、個別で問い合わせる必要があります。

昼下がりのストックホルム

・・・・とまあ、書き出したらきりがないくらいです。日本の大学院だったら進学のための情報は日本語で入手できますが、海外の場合は少なくとも英語で情報収集しないといけません。この時点で言語が違うのでやはり、何度も確認することになるので一苦労するわけです。(Letter of Intent とかtranscription of records とかcover letter とか何それってのばっかでした。)

そもそも海外大学院にいくということは、大半の人が就職活動に勤しむ中、自分だけ就活スーツを着ずに孤独にこれらの作業に勤しむわけです。さらにもし奨学金がとれなかったり、入学ができなかったらどうするんだと余計不安になります。

そんなわけでパニック状態に陥るのも無理もありません。実際に、僕自身ががここまで綴ってきた内容そのものでした。

しかしこのような状態になるのは何も、自分だけでもなく隣の友達、同世代の大学生、はたまた何十歳年上のサラリーマンだって、転機を迎えたときにはこうやって同じようにして悩むんでしょう。

不安を払拭するには?

こんな時に友達がくれたアドバイスが「とにかく選択肢を増やして、最後に選べ」でした。つまり、今の時点で進路を一つに絞らずに、「あり得る進路をすべてブレストして、申請できるとこには申請してしまえ、選ぶのは最後でいい!」ということでした。確かに、僕も最初は、「スウェーデンの〜大学の〜のコースへの入学」へ申請することしか考えていませんでしたが、それからもっと視野を広げてあり得る選択肢を掘り出してみました。

給付型奨学金は徹底的に調べよう

まず生活費(場合によっては学費も)を捻出するために奨学金を探しました。日本学生支援機構の海外留学生のための奨学金情報のページを漁りまくりましょう。奨学金は返さなくていい「給付型」というのがあるので、これは利用しない手はありません。そのほか、地方自治体、民間団体が出している奨学金情報を集めているパンフレットもあります。意外とこれらに目をつけないで、奨学金=日本学生支援機構奨学金=貸与型 (借りる)しかないみたいになっている人が多いみたいですが、そんなことありません。日本はOECD加盟国の中で、学費も高くて奨学金の機会が少ないで有名ですが、それでも返済不要の奨学金がないわけではありません。ちゃんとGoogle検索すればでてきます。僕もこのパンフレットから3団体ほど申請をしました。

今じゃ、トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムがありますよみなさん。うらやましすぎです。海外大学院入学者に適応するかわわかりませんが、まだ学部の人は休学して活用するのもありです。

これだけではありません。日本語で「奨学金」とググったら今度は英語でもググりましょう。すると、あのTOEFLも奨学金を出していることがすぐにわかります。さらに世界銀行の日本人奨学生プログラムも出てきます。スウェーデンだったらスウェーデンの大学の紹介している奨学金もすべてチェックしましょう。

関連記事

海外で無料で留学したいならチェックしておきたい奨学金まとめサイト 日本の奨学金はあまりに少ないです。高等教育への奨学金の利用可能数は先進国内でもとても少ないのが日本の特徴です。しかし世界には、奨学金が山のようにあります。英語でScholarshipと検索してみれば、その検索結果に驚くこと間違いなしです。

以下のnoteの有料記事ではこれ以外にも合計47の奨学金のサイトを紹介しています。

他の国・プログラムへの申請も

そしてヨーロッパの大学院なら、何もスウェーデンに限らず、フィンランドやノルウェー、ドイツなどの留学生でも学費が無料な国や、ヨーロッパの複数の大学を行き来して学位を取得するエラスムスムンドゥスなどに申請することも可能です。

僕が申請したときに、洗いざらい調べた上げたヨーロッパの大学院への進学のために活用できる奨学金やプログラムはこれくらいでしたが、今はもっと新しいものがあるかもしれません。僕が結局アプライしたのは、スウェーデンから4つの大学、エラスムスムンドゥスから2プログラム、3つの民間団体の給付型奨学金への申請、TOEFL奨学金への申請、スウェーデン政府奨学金への申請、でした。 (結果、エラスムスムンドゥスのひとつはWaiting list 入り、奨学金は全敗で、ストックホルム大学にしか受かりませんでしたw )  まあそれでも何とか進路が確定したわけです。

バイト・就活だって選択肢を増やすオプション

また、同時に職探しもしました。というのも上述したように、日本とヨーロッパでは大学の学期の開始時期が異なりますのでその間暇です。僕は、留学中に見つけたベルリンのインターン先に再び舞い戻り働いていましたが、別の友人もアメリカでインターンをしたりしていました。下手したら半年くらい空白の時間がありますのでこの間、何かしら海外でも国内でもいいので仕事をして留学資金を貯めたり、インターンシップをして経験を蓄積するなどできたらいいですね。

参考記事:日本人が海外でインターンシップ・仕事を見つける方法

バイトでもいいですが、この際、伸ばした語学力を使ってフリーランスで英文翻訳の仕事に挑戦してみるのもありです。(英文翻訳や記事作成の仕事は場所を問わず、パソコンとインターネットさえあればできるので、留学後もこれで銭稼ぎできます)

そして、もしものもしもを考えて新卒の就職活動を同時に進めることも不可能ではありません。今は、留学生向けの就活サイトなどもかなり充実していますし、海外進出&訪日外国人の増加などの需要も高まっているので今まで以上に日本人留学生は欲しがられているでしょう。

ここま人事を尽くせば、後は「なるようになれよ!」と気が楽になるものですよ。そして、進路を選ぶときになったら、どれかひとつを選べばいいだけで、パニクる必要は全くありません。

タイトルとURLをコピーしました