現役海外大学院生が教える英語シリーズですが、いよいよ最後のスピーキング力アップ編になりました。
これまでスピーキング力が試されるTOEFLを突破し、スウェーデンの大学院に通って多国籍の企業で働く中で、どうしたら日本にいながらスピーキング力をつけることができるか考えてみました。
その前にまず英語におけるスピーキング力とは何か、考え直す必要があります。
スピーキング力とは?
英語におけるスピーキング力をつけるには総合的な力が必要です。英会話をするためには、基礎となる発音、会話力、語彙、イディオム、言い回し、さらには文法もわからなければ正確に話せるようにはなりません。さらには相手が言っていることを理解するためには、リスニング力もないといけません。これらのうち、語彙、イディオム、言い回し、文法、作文などは、リーディングとライティングの中で鍛えればいいです。聞き取りはもちろん、リスニングです。
しかしそれ以外の、発音、会話力は別の方法で身につける必要があります。
発音は基礎中の基礎
よく「英語は発音が悪くても気持ちで伝わる!」と言いますが、それは決して発音練習をしなくていいというわけではありません。むしろ最初にさっさと矯正してしまうべきです。
といっても、わざわざアメリカ英語のように下を巻くような発音をしろというわけではありません。日本人が苦手な発音といえば、舌を使うRとLの違いや、VとBの時の唇の使い方などです。日本人にとってはRとLの発音の違いがわからなくても、実際に意識して使うだけで伝わり方が全く違います。欧米人にとってはこれらの発音が全く違うように聞こえるからです。
ですので、以下のサイトなどで紹介している発音をピックアップして練習してしまいましょう。
これをベースにして、リピーティング、シャドウイング、リプロダクション (それぞれのやり方は「TOEFLテスト 一発で合格スコアをとる勉強法」で紹介しています) をやれば、まずこの基礎体力はつきます。しかし、これはある程度でいいです。英会話をするときにあまりに発音を気にしすぎて話せなくなってしまうことがあるからです。僕自身も、留学してから直した発音もありますし。
スカイプ英会話はどう考えても効率がいい
基礎体力がついたら、走りましょう。しかしどこで?これが日本だと大変なんです。なぜって英語を話す機会がないからです。
TOEFLや英検、IELTSのスピーキングの対策は、ある程度フォーマット化されているので、訓練さえすればなんとかなります。しかし、そのような一時的にテンプレ化したスピーキング力は、テストには有効ではあっても応用は効き難いです。僕自身もTOEFL用のスピーキング力ばかりつけることを重視していたので、実際に留学後にはとても苦労しました。TOEFLでつけた英語力が全く通用しないんです。。。。
ならば、TOEFLでも英検でもIELTSでも通用する根本的な英会話力をつけることを目指すことの方が優先すべきだったのでしょう。
いきなり英語を話さざるを得ない環境に飛び込むという手もありますが、今の僕だったら間違いなくスカイプを使ったオンライン英会話を利用していたでしょう。
スカイプ英会話を提供しているサービスは以下の通り。
夫のアメリカ転勤を控える姉が、最近スカイプ英会話のおすすめサービスを始めたのですが、姉は「NativeCamp(ネイティブ・キャンプ )」を始めたようです。
実家に帰ったら、姉よりも母が真剣にやっていましたがw
旦那の出張でニューヨークに移住する姉によりも、スカイプ英会話のNativeCampにはまる母。正月も欠かさずやってる(笑) pic.twitter.com/gsljZh8H7j
— Tatsumaru@東大留学中 (@tppay) 2017年1月2日
曰く、ネイティブ・キャンプの良い点は、
・月額5500円でレッスン受け放題
・1レッスン25分なので隙間時間にできる
・ネットとパソコンとマイクさえあればどこでもできる
・英会話超初心者から、語彙チェック、TOEIC対策まで幅広いメニュー
講師はフィリピン系が多いようですが、全く問題なく、むしろいきなりネイティヴと話すよりも話しやすいということでした。姉のおすすめのレッスンの受け方は、「こちら側のスカイプカメラをオフにして相手からしか見れないようにする」方法です。そうすると、向こう側に見られていないので変に緊張することもなく、化粧もする必要もなく気軽にできるということです。
TOEFLや英検のような、お題に答える型のトレーニングもできるようです。例えば、
Which do you like better? Why?
- Summer vs winter
- Cars vs Trains
という類いの二者択一型のスピーキングのトレーニングもできるのです!ネイティブキャンプ、本当におすすめできます。
英作文はスピーキング力と両輪
スピーキングの練習にある程度なれてくると、自分の語彙力や言い回しの乏しさに気づきます。いつも、I think it is ~~ because ~~や、Hmm it is very interesting topic. First of all~~~ など「定型化したフォーマット」で答えるだけになっていませんか?
そうならないためには、英作文を恒常的にやっていく必要があります。なぜならスピーキングをするときには、基本的には ①頭の中で文章を作る、②その英文を発音する、の繰り返しだからです。①と②の往復作業を早くするには、英作文が早くできるようになり、それをすぐに話せるように英会話の練習を積むしかありません。
また英作文をすることで、
・複雑な構文を使った表現をスピーキングでもできるようになる
・文法の間違いが確認できる
・スペルを意識した発音ができるようになる
というメリットがあります。
英作文の学習方法は以下の記事を参考にしてみてください。
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今はオンラインで無料で英作文の添削をしてくれるサービスもあるのでこちらもあわせてどうぞ。
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英会話と英作文は両輪であるということを忘れないようにしてください。
英語を浴びて、使う環境にいく
そして、ここまできたら今度は、英語を「浴びて使いに」いきましょう。
日本国内で、外国人コミュニティに飛び込んでいくのもありです。例えば、Meet Upで定期的にやっているLanguage Exchange (言語交換)やそのほかにもFacebookグループなどでも同様のコミュニティは色々あるでしょう。そこで英語を話す外国人と知り合って、英語を教えてもらう代わりに日本語を教える(language exchange) をすればいいでしょう。
また、近隣の海外に飛んで、短期間みっちり英語を使う環境に身を置くのもありでしょう。例えばフィリピン短期英語留学は、そのアクセスの良さとレベルの高い英語環境から日本からの「プチ短期英語留学」先として人気です。ヒューマンアカデミーやフィリピン政府公式認定語学学校NILSなどが大手なので、気になる方は資料請求してみるといいでしょう。
ここまでのレベルになると、以下の記事で書いてあることにも頷けるレベルになっているはずです。
他人の英語力を評価しない
「ほかの人の英語について評価を下すこと、これは絶対にしてはいけません。」
「同時通訳者の頭の中」を著した関谷さんは、英語を勉強するときに心がけとしてと、こうアドバイスをしています。これは日本人が他人と能力を比較したり、競争したりする傾向にあり、それが逆に英語学習の障壁になっていることを理解しているからです。評価を下すという行為をすると、例えば周りに自分の英語に口出しをしてくる人がいなくても、「自分の中で自分の英語を評価しようとするもう一人の自分」が作られます。結果、それを気にしすぎて口ごもってしまうのです。
以上、英語のスピーキング力をつける方法でした。
英語の勉強法 記事まとめ
コメント
来年の4月に日本の大学の経済学部に進学する者です。半年ほど前にフィンランドに短期留学し、北欧の社会制度、教育制度に感動をしました。
お聞きしたいことがあるのですが、ヨーロッパで日本人が就職する為にはどのようなスキルがあれば良いのでしょうか。
コメントありがとうございます。
こちらの記事で書いてあることを参考にしてみてください。
https://tatsumarutimes.com/archives/2248
その上でさらに具体的に質問頂ければと思います。