大学の学費が無料でさらに給付型奨学金ももれなくもらえる社会ってどんだけ若者にやさしいんだか

若者政策

またまたライフハッカーのこちらの記事をお手伝いしました。

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 フィンランド人に聞いた「ベーシック・インカム」の実現性 | ライフハッカー[日本版].

といってもフィンランド人の友人を紹介しただけですが。

ポイントは、

  • 北欧のフィンランドが国として初めてベーシック・インカム(最低限所得保障制度)の導入を検討
  • フィンランド国民すべてに800ユーロ(約11万円)を支給
  • 導入の検討をしている段階であって、欧米メディアはこの改革案を単純かつ大げさにとらえ過ぎている

そうこれ、誤報だったみたいですね。

ぼく自身も、ある有名人の「フィンランドのベーシックインカム導入」のツイートをみて飛びついてしまったのですが、実際はまだ調査グループが発足した段階にすぎなかったようです。

今月、テレグラフやタイムズなど、伝統あるイギリスの新聞が、フィンランドで「ベーシックインカムの導入が決まった」と報じました。これは、誤報です。英字紙記者が、情報源のフィンランドの地方紙の記事を読んだ際に、フィンランド語の知識が十分ではなく誤解してしまったもののようです。他の英字紙も、情報の真偽を確かめることなく追随し、日本メディアもそれに続きました。

フィンランドでベーシックインカム導入と“誤報” 実際の進ちょく状況は?| BLOGOS

ソースを確認せずに飛びついてしまったぼくも反省です。

学生は給付型奨学金がもれなくもらえる国

しかし、もっと注目すべきはここではないでしょうか。以下、インタビュー内容から抜粋。

私は大学生のとき月に550ユーロの教育奨励金をもらっていました。この手当は、すべての学生がもらえて、返済する必要もありません。また、もし私が失業すれば、月に750ユーロが支給されます。

そう、フィンランドは他の北欧国と同じように国民の大学の学費は無料です。(スウェーデンはEU圏以外の留学生は有料ですが、フィンランドでは留学生でも無料です

それに追加で、大学生であれば毎月550ユーロ = 約7万2千円 が政府から支給されるのです。返済不要で。大学生であるというだけで。

スウェーデンでもCSNという同じシステムがあり、例えば2016年の時点で大学生でフルタイムで勉強していれば奨学金(studiemedel)を、給付型を約1万円(704SEK)、返済型を約2万5千円(1772SEK)を毎週もらえます。つまり、一ヶ月を4週間とすると毎月返済不要の給付型を4万円、返済型を約10万円で合計14万円ほどもらえるということです。これらは、個人の所得に関係なく、希望者すべてに支給されるというのだから驚きです

ぼく、これってすごいと思います。日本だったらまず、大学にいくには学費のハードルがあります。故に大学に進学できるのは、学費を負担できる裕福な家庭か、なんとかして奨学金をもらう機会を得た学生です。しかし、奨学金は返済型が大半である故に、学生生活中もバイトに明け暮れます。それで今起きている問題が、奨学金返済問題であったり、ブラックバイトじゃないですか。忙しい学生時代はブラックバイトの被害にあい、奨学金を返済しなければいけないのでとりあえず就職の道を選ぶも、返済ローンに押し迫られここでまたギリギリの生活が始まる。

OECDの調査で、日本が授業料が高く、奨学金も充実していないグループに属していることを示したデータを思い出します。アメリカも学費が高いですが、これを補うようにして給付型奨学金が準備されているので日本とは大違いです。

一方で、北欧だと大学の学費のために親が汗水たらして働く必要もなく、親が仕送りを送る余裕がなくても国でこのような奨学金を整備しているわけですから、それは大学の進学率だってOECD平均を割るわけです。PISAの点数がちょとだけ上がるのと、Education for All を確実に推進して高等教育を受けられる総人口数が増えるのとでは、どっちがいいのかは明らかですよね。

とても息苦しく感じるのはそういうことであって、地球上の同じ国では、毎月無償で7万円もらえている国があるんです。どうにかしないと割を食うのは、ぼくら若者なのです。こんだけ損してることに気づいた若者たちは、どんどん海外にいって人生の3大収入である教育費を心配せずに、そのまま海外で伸び伸びと暮らすことになってしまいますよ。ただでさえ少ない若年人口をこれ以上失うことになったら、日本はどうなっちゃうんでしょうか。

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