#30日ブログチャレンジ 二日目です。
ヘルニアが完治していないにもかかわらず、30日毎日やる!と宣言してしまったことを早くも後悔しています…。先週から持病の椎間板ヘルニアが再発していまして、未だに痛みがひかないのです。
身体の真ん中で腰が痛いと、ちゃんと座れないので文章執筆も捗らず、文字通り何もできないのですよね。しかし溜まっている原稿もあるので、リハビリだと思って、ブログチャレンジも取り組むとします。
今日は、翻訳した文書が公開されたので共有します。
静岡県立大学国際関係学部の紀要である国際関係・比較文化研究 第18号にて、「第二回欧州ユースワーク大会宣言ー新たな世界を創り出すー」の和訳が公開となりました。津富教授との共訳です。
欧州ユースワーク大会とは?
この文書は、ヨーロッパのユースワークを理解するのに役に立ちます。ユースワークの発祥はイギリスですが、ヨーロッパのそれぞれの国において異なる名前で子ども・若者とかかわる取り組みは展開されてきました。
しかし、EU(欧州連合)が1993年に設立されてから加盟国が拡大し、「ヨーロッパの統合」が加速化します。その中で、若者政策(youth policy)が共通の課題として認識がされていきました。
2009 年 11 月EU 理事会は「青少年分野における EU の協力についての新たな枠組み(2010-2018)」を採択。この枠組みの中で、若者の「余暇活動」「学校外」教育の分野に属し「ノンフォーマルな学習過程と自発的な参加」に基づくユースワークを、若者政策を担う重要なアクターとして位置づけました。
そのうえで、ユースワークの社会的認識、方法論、研修、移動の保障などにかんするさらなる議論を続ける必要性が強調されました。この要請に応える形で、2010年のベルギーのゲントにおいて開催されたのが第一回欧州ユースワーク大会でした。
2010 年 7 月に開催され、50カ国から 400 人以のユースワーク従事者および関連の仕事をする人、そして若者が参加しました。
第一回の翻訳はこちらから参照可能です。
それから 5 年後の 4 月に再び EU 議長国ベルギーのもとブリュッセルで開催されたのが、第二回欧州ユースワーク大会です。どちらの大会も、ユースワークに携わる参加者が 400~500 人規模で欧州各地から集結しました。
今回、翻訳したのはこの第二回大会の決議文書です。
実際の文書はこちらからどうぞ。表紙はこのとおり。
第二回欧州ユースワーク大会宣言の中身
第二回大会宣言ではこんなことが書いてあります。
ヨーロッパではユースワークが政治的にも財政的にも支持されつつも、ある国では緊縮財政の犠牲となっている状況があります。これまでは余暇の充実や社会教育の一環として取り組まれたユニバーサルをとっていたユースワークが、「問題のある若者」を対象にして就労支援や犯罪防止、学習支援などの問題解決型のターゲットアプローチになるという帰結をもたらしました。
その上で、ユースワークに「アウトカム」を特定し計測するべし圧力がかかっていることに懸念を示し
「アウトカムや影響の計測が重視されるべきではあるが、ユースークは若者の過程とニーズに集中すべきであり、アウトカムは報告されるものであり、導き出すものではない。」
と釘を刺しています。
最後に、ユースワークは「贅沢品ではなく必需品」であるとし、ユースワークに資することを怠ることがもたらす 3 つの帰結を提示しています。
第二回は、ユースワークの普遍化の再確認、緊縮財政の波にのまれないことを決意した内容ということもできそうです。
以下からダウンロード可能です。
第二回欧州ユースワーク大会宣言ー新たな世界を創り出すー(翻訳)
こちらの記事で紹介している論文では、この2つの宣言を比較してます。第三回大会が2020年に開催される予定ですが、コロナの影響でどうなるか見守る必要がありそうです。