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オンラインユースワークをする22のコツとツール|新型コロナウィルスが広まる欧州におけるデジタルユースワークの活用

ヨーロッパで注目されるデジタルユースワークとは?

ヨーロッパの若者政策の業界では、最近「デジタルユースワーク」が注目されています。デジタルユースワークとは、ユースワークの手段または活動のコンテンツの一つとして、デジタル(電子)技術を使うということです。対面で展開されるユースワークの活動を補完するために、デジタルツールを利用することもあれば、デジタルツールを使ってオンラインで、ユースワークをするということもあります。そして、基本的な原理や価値はユースワークに基づくものとされています。(European Guidlines for Digital Youth Work

たっぺい
たっぺい

デジタルユースワークが注目されるようになったのは、ヨーロッパの若者の生活環境がこれまでに以上にデジタル化しているから(スマートホン、SNS、モバイルゲーム、メッセージ などなど)であり、若者に伴走するユースワークもまた、そのアプローチを変えることが迫られているからです。

そのような中、数年前からEUの若者政策のプレジデンシー(数カ国が連携して特別のテーマについて調査研究すること)においてとりあげられたのが「デジタルユースワーク」でした。まだまだ新しいテーマですが、EUレベルでこのテーマをとりあげたことにより着実に経験と研究が積み上げられています。とくにフィンランドは、ゲーム機材しかないユースセンターが設置されているなど、EU各国のなかでも先進的な取り組みを展開しています。

新型コロナウィルスが拡大する中、ユースワークは何ができるか?

さて現在、世界では新型コロナウィルスの感染が拡大しています。ヨーロッパでも本格的に感染が進行し、国境閉鎖、外出禁止など多くの人の移動と交流が制限される事態となっています。教育関連の施設も多くが影響を受けているのは周知の通りです。

当然、ヨーロッパのユースワーク業界もその影響も受けています。イギリスではソーシャルデイスタンシング(social distancing)(自主隔離、人混みをさけること)が行われて、パブは閉じられ、販売所などでも人との距離を一定取らなければいけない状況になっています。

その渦中にあるのはもちろん、地域のユースセンターであり、ユースワーク活動です。若者の交流・活動を促すユースワークは、濃厚接触のリスクを高めることになるので、もうしばらくは固唾を飲んでウィルス感染が落ち着くのを見守るしかないのでしょうか。

否、このような状況のなかでこそ、デジタルユースワークの出番なのではないでしょうか?

なぜなら、テクノロジーを使って直接の接触を避けながらも人との交流を促して、ユースワークをすることこそが、デジタルユースワークなのではないでしょうか?多少なりとも積み上げのあるヨーロッパのデジタルユースワークは、このような人との交流がオンラインに限定されるような状況に何かしらの活動のヒントをまとめているのではないか?

というわけで調べてみたところ、やはりありました「オンラインユースワークのコツ」。フィンランドのデジタルユースワークの専門機関であるVerkeが、EUのデジタルユースワークのプラットフォームである”Digital Youth Work .eu“に公表しています。

デジタルユースワークのコツ

デジタルではなく、「オンライン」ユースワークというタイトルのしているのは、ここで紹介している多くのコツやツールがオンラインを媒介としたツールに限定されているからだと思います。

というわけで、全部で22もある「オンラインユースワークのコツ」を訳したので、共有します。

たっぺい
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ヨーロッパの文脈で紹介しているアプリやツールが多いので、時々ぼくの解説もこのようにいれていきます。それでは以下からどうぞ。


オンラインユースワークのコツ

現在の世界的に流行している感染症は、ユースワークにとっても新たな挑戦となっています。デジタル環境にある若者にどのようにして働きかければ良いでしょうか?ユースセンターが閉鎖された今、若者にどのような活動を提供することができるでしょうか?フィンランドにあるデジタルユースワーク専門機関である Verkeが、その秘訣(こつ)をまとめました。

注意:現場のユースワークの目標、これまで積み上げ(tradition)、そして国ごとの関連する行政施策や法律(legislation)を考慮に入れた上で、ここで紹介している具体例をとりあげ、必要に応じて調整してください。

場面別の秘訣(こつ)は、こちらの実践事例のページを参照ください。

  1. Discord を使ってみましょう。

    Discord は、音声でも文字入力でも会話ができるプラットフォームです。もともとDiscordは、ゲーム業界で人気を博していましたが、ユースワークでも適しています。利用するのは無料で、多くのフィンランドのユースワークにかかわる人が、オンラインで若者に働きかけるために利用しています。

  2. TikTokで若者がなにをシェアしているかチェックしてみましょう。

    SNSで若者はコロナウィルスについてどう投稿しているでしょうか?何か別のテーマについても投稿しているでしょうか?若い人達は、自分たちが最も使うSNSですぐに投稿するものです。そのひとつがTikTokです。TikTokのほとんどの短編動画は、奇抜でユーモアのあるものですが、中には重い社会的なテーマについての投稿もあります。

  3. WhatsApp(などのメッセージアプリ)で社会の問題について話し合いましょう。

    多くの若者が現在の状況を心配しています。そんな中、ユースワーカーは(誰かに)肩入れをするわけでなく中立な立場にある存在ですが、それでもある人には顔なじみがあり信頼できる存在となっている可能性があります。メッセージプラットフォームを利用することは、若者が考えていることを大人に伝える障壁を下げてくれます。利用可能なあらゆるSNSを使ってできるだけ多くの若者に情報を届けられるようにしましょう。

    たっぺい
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    WhatsAppは欧米で使われているメッセージアプリですので、日本ではLINEやスマホのメッセージアプリだと思ってもらって大丈夫です。

  4. インスタグラムのストーリー機能で若者が何をしているか質問してみましょう。

    インスタグラムのストーリー機能ではQ&A(質疑応答)もできます。質問に対して返答する時間、若者のどんな質問に対してもいつでも応えられる時間を確保しましょう。もちろんコロナウィルス以外のテーマについてのQ&A(質疑応答)の時間を設けるようにしましょう。というのも若者は、コロナウィルスの拡大中であっても日々直面する課題があるからです。Q&A(質疑応答)はまた、若者が今、ここで何を思っているのかを知り、必要であれば新たな手立てを立てるのに最適な方法です。

  5. Twitchでゲームのライブストリーミングをしてみましょう。

    あなたの現場には、ゲームが得意でライブストリーミングができるユースワーカーはいますか?必要な機材があれば(そんなにありませんが)、Twitchをダウンロードして、アカウントを作成してライブをしてみましょう。ゲームをそこまでしない若者でも多くの若者がライブストリーミングする人をフォローすることに関心があるので、家で過ごすことになってしまった若者を引き込むことができるでしょう。もしゲームが不慣れであれば、Twitchで他のことをライブストリームしてみましょう。あるフィンランドのユースセンターは料理教室をライブストリームしましたが、大ヒットでした。

  6. 若者に、他にも利用できる支援施策について情報提供しましょう。

    もしあなたの国に、コロナウィルスやメンタルヘルスなどにかんする住民向けのオンラインチャットや何かしらのプラットフォームがあるのであれば、中心的な役割を果たすものを把握しておきましょう。恐ろしいシナリオの報道が飽和状態にあり、コロナウィルスに心配し怯えている状況では、多くの若者はプロによる診断が必要となります。私たちユースワークの役割は多くの人にとって貴重ですが、また限界もあるものです。

  7. インスタグラムでクイズをしてみましょう!

    クイズは若者に簡単に提供できる活動です。トピックを考えて、Canva のようなプラットフォームを使って画像を準備しましょう。クイズは、ダイレクトメッセージで答えることができます。制限時間を設定し、賞品を準備してもよいでしょう。例えば、フィンランド北部のケミという場所のユースワーカーは、絵文字の意味についてクイズを作るなどしていました。

    たっぺい
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    Canva は日本でブログやっている人もよく使っていておすすめです。ポスターやチラシなどもデザインの知識なくてもおしゃれなのが作れますよ

  8. 簡単なゲームで若者を引き込みましょう。

    現在のような状況下では、ソーシャルディスタンシング(自主隔離、人混みをさけること)が強制されるかもしれませんが、だからといって一緒に楽しむことを避ける必要はありません。例えば、あるサッカーチームはTwitterで、四目並べをはじめました。(ツイートはフィンランドですが動画を再生すればわかります)四目並べ、三目並べ、ハングマン(単語当てゲーム)をあなたの組織のインスタグラムのストーリーで若者とやってみても良いでしょう。Canvaなどのプラットフォームをつかって、ストーリーで使う背景などを作成してみましょう。

  9. インスタライブで若者と語り合いをしてみましょう。

    インスタグラムのライブストリーム機能は、若者が日々使っているので簡単に若者を引き込むことができるプラットフォームです。ライブ動画は、特別のテーマについて気軽に話し合うことができる機会となります。常に重いテーマを扱う必要もありません。フィンランドのあるラジオ局が毎週配信している”Wednesday”というライブストリーミングでは、コーヒー休憩でホストが新しいクッキーを食すというストリーミングをしています。ライブストリーミングをするのは簡単で、トップページを右にスワイプし、ツールバーの最下部から「ライブ」を選択するだけです。ライブを観てもらうために、配信することを事前に知らせることを忘れないようにしましょう。ライブが終わったら、別のプラットフォームで語り合いを続けてもよいでしょう。

    たっぺい
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    インスタライブのやり方はこちらの記事がわかりやすいです。LINE LiveでもFacebookライブでもYouTubeライブでも良いと思います。

  10. 誰かにインスタライブに出演してもらいましょう。

    あなたのインスタライブに誰か別の人を追加できるって知っていましたか?同じ場所にいなくとも、あるテーマの専門家を招いてインスタライブに追加して配信することもできるのです。ライブ配信に参加するには、出演する人が参加をリクエストする必要があります。視聴している若者をライブストリーミングに表示することもできますが、テーマや参加方法などを事前に練るようにしましょう。

  11. 一緒に何かを視聴する。

    テレビ番組やYouTube、ビデオなど面白そうなもの一緒に視聴しても良いでしょう。WhatsAppのようなメッセージプラットフォームを使って、グループを作り同じソファで視聴しているかのようにチャットをしてみましょう。Facebookには動画をウォッチパーティーという機能で一緒にコンテンツを同時視聴し、コメントしあえる機能があります。

    たっぺい
    たっぺい

    ぼくも友人とテラスハウスを視聴するグループをLINEデ作っていますが、めちゃめちゃ盛り上がっておもしろいですよ。

  12. 家での暇つぶしのコツをシェアする。

    ほとんどの時間を家で過ごさなければならなくなった今、暇つぶしをどうするかを考えなければいけなくなりました。同僚から暇つぶしのコツを集め、インスタのストーリーなどで配信しみましょう。コンテンツを配信し続けることで若者を引きつけ、戻ってくる若者は増えるでしょう。SNSで「〜チャレンジ」をやってみるのもよいでしょう。

  13. 若者に投稿してもらいましょう。

    SNSを選んで、架空の物語を作ってみましょう。そして若者にも投稿してもらいましょう。例えば、最初に「あれは暗い嵐の夜・・・」のように投稿して、投稿をみた若者に物語の続きを24時間以内に返信してもらいます。そして、最もおもしろい物語の続きをフォロワーに発表し、物語の続きを再び投稿します。物語がどのような展開になるか1週間ほど続けてみてもよいでしょう。

  14. インスタグラムでグループチャットをしてみましょう。

    最近インスタグラムがはじめた機能の一つが、チャットスタンプ(Chat Sticker)です。インスタグラムストーリー上で、スティッカー機能をつかってグループチャットができます、詳しくはこちらを参照してください。

    たっぺい
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    チャットスタンプは、ストーリーの投稿からグループチャットを作れる機能です。普通のグループ機能と変わりませんが、入り口がストーリーに置けると考えれば良いと思います。使い方はこちらの記事がわかりやすいです。

  15. 匿名でチャットできる機会もつくりましょう。

    面と向かって話したり自分の名前がわかるようにして質問をしたくない若者もいるでしょう。DiscordやSnapchat、KIKメッセンジャーなどで匿名でメッセージをしても良いことを知らせましょう。もちろん、住んでいる地域の法的な措置や匿名性の限界についても把握しておきましょう。

    たっぺい
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    匿名のメッセージツールは日本でいうなら、PeingSarahaなどの匿名で質問できるサービスが思い浮かびますが、これは質問箱なのでちょっと趣旨は違いますが使い道は多いと思います。LINEのオープンチャットは匿名で使えるので、これを使うのはありですね。ロケットニュースのこちらの記事がわかりやすいです。

  16. オンラインのジャムセッションをやってみましょう。

    多くのライブやコンサートが中止されています。ユースセンターでのバンド活動も開くことができません。しかし、若者とクリエイティブな活動ができるオンラインのプラットフォームもあるのです。Google meetなどの日々のミーティングで使われるオンラインプラットフォームは、家にある楽器を使って若者と音楽制作をするのにも使えます。例えばJammr は、そのような音楽の共同制作のために開発されたプラットフォームです。

    たっぺい
    たっぺい

    こんなことできるんですね〜。音楽やってる人で日本でも使われているこういうツールあったら教えてください〜

  17. TikTokでチャレンジをしてみましょう。

    あなたのチャレンジで若者を引き込みましょう。#boredathome (#家で退屈)のハッシュタグなどをつけてキャンペーンを打ってみましょう。まずあなたが最初の投稿をして、若者にも投稿してもらいましょう。#stufftodoathome (#家でできること)などのハッシュタグをつけて様々な投稿をフォローアップしましょう。TikTokでは、身近なことでシンプルでありながらも奇抜な視点を取り入れた日常のことにかんする投稿が受ける傾向にあります。

    たっぺい
    たっぺい

    「チャレンジ」はちょっと前に流行った「アイスバケツチャレンジ」みたいなやつです。最近ではボトルキャップチャレンジがありますね。

  18. オンラインの絵描きイベントを企画してみましょう。

    クリエイティブな絵描きのゲームで若者を引き込みましょう。例えば、DrawsomeSkribblioでは、ランダムに単語が指定されそれについて参加者が絵を描き、互いに何の絵を描いているかを当てっこするゲームができます。もちろん参加する人をSNSで繋がっている人だけのプライベートに限定することも可能です。もっとシンプルにして、お題を出して描いてもらったものをSNSに投稿(希望があれば匿名で)しても良いでしょう。

  19. オンラインゲームでトーナメント大会を開催。

    あなたのユースワーカーのスキルで、トーナメント大会を若者と一緒に開催しましょう。例えば、FIFAやNHL(ナショナルホッケーリーグ)など最近の若者に人気なゲームのトーナメントです。今あるあなたのSNSのアカウントで番組を企画しても良いでしょう。視聴者の注意を引くためにあらゆることをストリーミングしても良いでしょう。 マルチプレーができるモバイルゲームで何か企画を立てても良いでしょう。

    たっぺい
    たっぺい

    日本でいうならウィイレ、スマブラ、スプラトゥーン、荒野行動、PUBG、フォートナイト、クラクラなどでしょうか。

  20. 一緒にゲームを作ってみましょう。

    Sractchは、ゲーム開発やアニメーションの作成ができる無料の教育プラットフォームです。コーディングの知識があまりなくても始めることができます。ユースワークの活動と同じように、若者をペアーにして、迷路を作ってもらったり、キャラクターを作ってもらったり、悪役を作ってもらったりすると良いでしょう。説明も詳しく、これまでの作品なども参考にしながら創作することができます。

  21. 若者と一緒にゲームをしましょう。

    若者にとって、普段からかかわっている安心できる大人がゲームをする環境にあるときに一緒にいてもらえるのは貴重です。オンラインゲームでは、(ひとりでやるよりも)誰かと何か楽しいことを一緒に協力して取り組むこともできます。それと並行して、大人が主導してルールやエチケットを共有して安全な環境を用意してできるゲーム企画をしても良いでしょう。また、WhatsAppや、Discord、SteamなどのSNSに備え付けのチャットを使ってもよいでしょう。ゲーム中のユースワークを促進するには、Discordなどのプラットフォームにあるボイスチャット機能で、ゲームをしながら話ができるようにしてもよいでしょう。

    たっぺい
    たっぺい

    日本ではミラティブでスマホのゲームがライブ配信できますね。

  22. ポッドキャストをはじめましょう。

    若者の間で流行りつつあるのがポッドキャストです。ユースワークの業界でも、ユースワーカーが発信したり若者と語り合うポッドキャストなどもあったりします。同じ場所に集まれなくてもZencatrという無料のプラットフォームを使えば、オンラインで遠隔で録音ができます。どのようなテーマを扱ってもよいでしょう。若者が選んだものでもあなたの提案とのミックスさせたものでも良いでしょう。経験上、ラフな筋書きを作っておくのがおすすめです。ユースワークポッドキャストの事例はこちらで紹介しています。

たっぺい
たっぺい

日本でのポッドキャストの配信についてはこちらの記事がわかりやすくておすすめです。


デジタルユースワークを教わりましょう。

以上になりますが、いかがだったでしょうか?

中には、初めて聞くようなツールもあったのではないでしょうか。もしあまりにも多すぎて、「デジタルユースワークなんて無理」となりかけていたら、こんな人たちにぜひアドバイスを求めてください。デジタル全般に強い人、ゲーム漬けの人、ツイッタラーな人、インスタグラマーな人、YouTuberの人、Netflixの話しかしない人、そういう人がスタッフや関わっている若者の中にいるはずです。

そして教えてもらってください、デジタルユースワークの一助となる術を。彼ら彼女らこそが専門家ですから。

たっぺい
たっぺい

他にもうちの現場ではこれを使ってるよ!こんなことするといいよ!というのがあったらどうぞコメント欄(この投稿の下)やSNSでお知らせください。

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