2020年もあけました。もう2月になってしまいましたが、今年もどうぞよろしくお願いします。
今日は、ここ2年の間に僕がやっていることを報告&整理しようと思いまして筆を走らせます。遡ること2018年からです。
大学で研究員の仕事
というわけで本日より関東の某大学の研究員となりました。週28時間だけ働きます。もうひとつ別の大学で非常勤講師。もちろんフリーランスの仕事も続けるので、パラレルワークです
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) April 1, 2018
まず2018年4月から大学で働き始めました。この変化は大きかったです。2018年の年始にはフリーランスでこのまま執筆活動をや通訳を続けることになるのかと思いきや、ご縁があり4月から大学付属の研究所の研究員として働くことになりました。
常勤の研究者になったからといってこれまで通りやることは変わらないかと。スウェーデンにもいけるし、本は借り放題だし、研究会やら講演会もいけるし、なによりも文を書き続けられるかと!
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) April 1, 2018
週4日、通勤してるんです。
フリーランスからのこの転身は大きかったです。ぼく自身、スウェーデン留学前からアカデミックキャリアも選択肢の一つに入れていたので、ある意味それが結実して大きな一歩を踏み出すことになりました。
この文教大学の生活科研究所に常勤の研究員&客員研究員として携わっています。研究所の事業の運営事務を行っています。
客員研究員としては母校である静岡県立大学の国際関係学研究科にあるグローバルスタディーズ研究センターにも関わらしていただいています。例えば去年は津富宏教授とこのような書籍を発刊しました。
関連記事
2019年度は別のプロジェクトも動いております。今年は科研費もしっかり申請できたので、無事とれることを願っています。
大学で非常勤講師
2018年4月からは箱根駅伝で有名な駒澤大学で教鞭を執ることになりました。総合教育研究部の授業の非常勤のコマです。講義名は、「若者の居場所と参加」で、ぼくのドンピシャなテーマです。前期だけを担当しています。これまでも、大学ではゲスト講師として話していましたが、講義を15回分まるまる担当することになったのは初めてでした。
人生初の大学での講義を受けてくれた学生の皆さん、ありがとう。人数は少なかったけど、濃い時間を過ごせたと思っています。
そんな感じで新しいツールとかも使って実験的な授業しています。
教員必見!
とんでもないプレゼンツールを発見!受講者にアンケートをとってその場で結果を反映してくれるPoll Everywhereってツール。回答者はURLでもアプリからでも回答可。質問ごとにQRコードをスライドに貼りつけ読み込んでもらっても可。しかもパワポのスライドに組み込めて、こんな滑らかに動く pic.twitter.com/jn65PV1W3X— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) April 19, 2018
しかしながら、2019年度の講義は受講生0名でした‥。そもそも受けることができる学生数が少なすぎるということもあり、今年は枠組みを変えることになりました。そして今年からは、「子ども・若者と社会教育」という名称になり、受講対象となる学生の幅も広がります。ぜひ!(潜りで受けたい人は直接連絡ください)
また2019年からは、文教大学人間科学部にて国際教育論、浦和学院専門学校で生活科学も担当しています。今年もまた別の大学での講義も増える予定です。
スウェーデン視察・訪問・通訳
2018年は大学での仕事も始まりましたが、スウェーデンへの視察や訪問も多かった年でした。
- 2018年2月 NPO法人わかもののまち静岡 アポとり・案内・通訳
- 2018年6月YEC (若者エンパワメント委員会) アポとり・案内・通
- 2018年9月 スウェーデンの主権者教育視察 林大介(模擬選挙ネットワーク) さんを中心としたグループ アポとり・案内・通訳
視察の様子はこのとおり。
スウェーデンの選挙期間中は、出馬している政党別のブースのような「選挙小屋」というものが街中に設置されます。
ここは各政党の党員とオープンな場で、街中の人が対話できる場となっています。
たまに中・高生が宿題で政党の主張を聞きに来たりもしています。 pic.twitter.com/2AzVy4feQr— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) September 7, 2018
スウェーデンのある移民郊外の期日前投票所。
出馬している政党の一部の投票用紙が2枚目。上から
・ベーシックインカム政党
・動物政党
・統一党
・イニシアティブ
・キリスト世界党わかわからん政党ありすぎスウェーデン‥😂 pic.twitter.com/XgVnww7pFm
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) September 7, 2018
ユースセンターで「人間とは?」という話も聞きました。
スウェーデンの首都ストックホルムの中心街の文化施設内にある図書館併設型のユースセンターLava。1等地にありながら14歳から25歳の若者しか利用できない「若者だけの空間」。読書のみならず、音楽製作、デザイン、Tシャツ作り、3Dプリントなどあらゆる創造的な活動ができるようになっている pic.twitter.com/TYMVouTzqG
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) September 14, 2018
こちらの成果報告は以下の会で行いました。
投票率80%!スウェーデンの選挙と民主主義教育とは?―2018年度スウェーデン視察報告会-
- 2018年11月 中高校生施設職員交流会 TEENS アポとり・案内・通訳
こちらの成果は、報告書としてKindle出版しました。
関連記事
年に4回なので、2~3ヶ月に1度のペースでしたね。これで常勤の仕事もよくこなしながら渡欧していたな..。
ちょっと多すぎたので2019年はペースを落として、スウェーデンには1度しか行きませんでした。
- 2019年3月 Edu Trip in スウェーデン アポとり・案内・通訳
こちらの成果は、主催である教育コーディネーターである武田緑さんのこちらの記事が全てを語っています。開催してよかったです。
現地で感じた、スウェーデンの民主主義と教育。一人ひとりが「声」をあげられる身近な場、それを届ける仕組みへの信頼。|武田 緑|教育コーディネーター @mido1022|note(ノート) https://t.co/oNBhNeubbI
— 武田緑/Midori takeda (@mido1022) April 1, 2019
この間、プライベートで香港やアメリカやフランスには行きましたが、2019年はとにかく飛び回らないようにしました。
講演は月に1〜2回ペース
昨夜は京都のユースワーカー養成研究会にて話題提供。イギリス、ドイツ、スウェーデン、そして日本のユースワークの事例を比較し考察する機会となりました。参加者から、「日本においては子どもが大人になる過程における『大きな物語』が何なのか。もやもやしている」との感想。ほんとそれ。 pic.twitter.com/3snI3Otyym
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) December 21, 2019
2018年から2019年にかけては、講演活動も多くやってきました。
今日は #PubCreate の北欧イベントへ。
両角さん @tppay
スウェーデンで若者が政治参加できる理由
・若者の参加自体ではなく、その先に影響力を持つことを目指す政策
・若者団体への豊富な助成金
・若者からEUや国に意見を提出する仕組み
・大人も働きすぎず、学び続ける
・若者の人生の選択肢が多い pic.twitter.com/UjUSDIl5Ko— 新荘 直明 @西粟倉村/さとのば大学 (@naoaki_shinjo) December 21, 2019
「わたしたちの北欧がたり。」のメンバーのみなさんともコラボしました。
報告会を昨日開催しました🌼
約40人の方に参加いただき、充実した3時間となりました。ご来場ありがとうございました!わたしたちの学びをシェアするだけでなく、ゲストの方や参加者の皆さんとの対話から、新たな気づきがたくさんありました。
Twitter・記事で内容や気づきをシェアしていきます!👀 pic.twitter.com/aWphtFgP8m
— わたしたちの北欧がたり。 (@hokuougatari) November 3, 2019
以下、学会発表も含む2018年~2019年までの講演・口頭発表の一覧になります。
- ヨーロッパのユースワークと若者政策の今 ーなぜ北欧はユニバーサルなユースワークが可能か?- 2019年12月20日 公益財団法人 京都市ユースサービス協会 ユースワーカー養成研究会
- なぜ北欧はユニバーサルなユースワークが可能か?スウェーデンを事例に 2019年12月19日 東京都 第11期 東京都生涯学習審議会 (第4回)
- ユースワークとは何か?ユニバーサルな北欧のユースワークスウェーデンを事例に 2019年11月11日 2019年度 横浜YMCA 4級スタッフ一泊研修
- スウェーデンにおけるワークライフバランスと社会教育―移行期政策を手掛かりに- 2019年11月9日 日本社会教育学会 日本社会教育学会 プロジェクト研究「ワークライフバランス時代における社会教育」 第8回公開研究会
- スウェーデンに学ぶ! 子ども~20代の声と『ヨノナカ』のつくり方! 2019年9月23日 Npo法人さんま
- スウェーデンの民主主義教育 2019年9月22日 民主主義教育研究会2019 vol.2
- スウェーデンから学ぶ子どもへの主権者教育〜10代の投票率を上げるために私たちに何ができるか〜 2019年9月20日 市川子どもわくわくネットワーク 第24回いちかわ☆つながるカフェ
- スウェーデンの若者の政治参画、政治に対する信頼度との関係 2019年9月1日 財政学・経済政策 合同ゼミ大会
- なぜスウェーデンの若者の投票率は85%なのか スウェーデンの主権者教育と若者の権利意識 2019年8月17日 第62回全国医学生ゼミナールin山梨 「権利を見つめる~誰もが自分らしく生きるために~」
- スウェーデン・ヨーロッパの若者政策と実践 2019年6月15日 日本弁護士連合会 シンポジウム「若者の声を反映する社会へ」
- 若者が社会の作り手と感じられる社会へ!スウェーデン社会と若者政策に学ぶ 2019年5月18日 全国進路指導研究会 春のセミナー2019
- スウェーデンの子ども・若者の放課後と社会教育 2019年4月28日 放課後からはじめるサステナブルな未来(ニュージーランド・スウェーデン編)【SDGs×教育】
- スウェーデンから学ぶ子どもへの主権者教育 2019年4月26日 いちかわつながるカフェ
- スウェーデンのユースセンター:ウプサラ若者の家 【パネリスト】 2019年3月3日 スウェーデンから日本のユースワークの未来を考える~スウェーデン視察報告会2019~ 中高生施設職員交流会 TEENS
- 若者参加の再構築:スウェーデンと日本の若者参加の比較研究から 2019年1月 北欧教育研究会
- 根を張らない生き方 2018年12月19日 静岡県立大学国際関係学部 キャリ概論Ⅱ
- スウェーデンにおける人権保障の実際 2018年12月17日 静岡県立大学国際関係学部国際行動論Ⅱ
- EU若者政策にみるユースワークの基盤形成過程の変容 2018年12月15日 文教大学生活科学研究所 2018年度研究報告会
- スウェーデンでの総選挙について 2018年12月7日 世界の暮らしと選挙 vol.2 スウェーデンの選挙
- スウェーデンにおける若者参加と民主主義のサイクル 2018年11月30日 普遍的福祉と連帯の国、スウェーデンに学ぶ (日本弁護士連合会)
- ユースワークを訪ねる旅 2018年11月26日 子ども若者活動支援論Ⅱ文教大学
- ユースセンターにて若者の社会形成意識を育むためには〜スウェーデンの実践から学ぶ 2018年11月 公益財団法人 札幌青少年女性活動協会 職員研修
- 若者が活躍するスウェーデン社会~若者参加を支える思想と政策 2018年10月23日 反貧困ネットワーク埼玉講演会2018
反貧困ネットワーク埼玉定例会。今回は両角達平ちゃんによる「スウェーデンの若者政策」講演でした。少しずつでも福祉国家比較を繰り返しながら、社会保障制度を前に進めたいです。日本は社会保障後進国なのが恥ずかしい。メンバーの皆さん、引き続き頑張りましょう! pic.twitter.com/NWcjez3bXu
— 藤田孝典 (@fujitatakanori) October 23, 2018
- 若者参加の再構築:スウェーデンと日本の若者参加の比較研究-社会科教育への示唆 2018年9月28日 ibasho研究会
- スウェーデンにおける子どもの権利 2018年9月17日 子どもの権利条約連続講座 第3回
- 論点整理 : 欧州の若者政策の考え方 2018年7月7日 日本版ローカル・ユースカウンシルハンドブック リリースフォーラム
- スウェーデンのユースワーク 2018年7月4日 スウェーデンのユースワークについて学ぶ会
- スウェーデンにおける若者の社会参画 脱工業化社会における若者の社会参画とは何か? 2018年5月30日 文教大学生活科学研究所定例会
- スウェーデンに学ぶ若者参加を支える思想 2018年4月6日 ソーシャルジャスティス基金アドボカシーカフェ第52回 若者の政治参画 マイノリティの声も社会へ
- Reinterpretation of Youth Participation: Longitudinal and International Comparative Study on Youth Policy in Sweden and Japan 2018年3月8日 The Nordic Educational Research Association 2018
- 投票率80%の国、スウェーデンから学ぶ「対話の場」の重要性 2018年1月 NPO法人YouthCreate
- 若き教育者が見たスウェーデン 2018年1月 認定NPO法人カタリバ
2018年1月から2019年12月までの講演数は合計30回でした。だいたい1ヶ月に1〜2回のペースですね。大学の講義(半年で15回)もやりながらなので忙しかったですね。(ちょっと少なくしたい)
メディア出演、その他社会活動
メディアにも色々と出させていただきました。個人的には、J-WAVEに出演したことが驚きです。音楽番組ですからね…。
- 2019年9月8日 グレタ・トゥーンベリが「学校ストライキ」をはじめたきっかけ 【出演】 J-WAVE ACROSS THE SKY
#世界とつながるラジオ
ACROSS THE SKY🌐☁️9時から~!
いま世界が注目する #地球温暖化
問題に対するアクションを起こす#スウェーデン 人、16歳の少女#GretaThunberg の活動に迫ります🍃お話を伺うのはスウェーデンの
若者文化を研究している
#両角達平 さん @tppay 🇸🇪
#sky813 #jwave https://t.co/SmFDhup9gG— ACROSS THE SKY🌐☁️ (@acrossthesky813) September 7, 2019
- 2019年7月23日 若者の政治参加をすすめるには 【出演】 NHKラジオニュース Nらじ 特集 (https://www4.nhk.or.jp/nradi/24/)
- 2019年5月24日 スウェーデンの政策に見る「社会の作り手」若者が時間 【取材協力】 しんぶん赤旗
- 2019年5月19日 実績上げる「若者議会」 【インタビュイー】 公明新聞
- 2019年5月12日 若者の政治参加で日本を元気に! 【インタビュイー】 公明新聞 対談
- 2019年5月12日 若者政治参加で日本を元気に 【インタビュイー, 取材協力】 公明新聞(中部)
リポート最前線
声を聴くことの実践が画期的
静岡県立大学グローバル・スタディーズ研究センター客員共同研究員・両角達平氏
公明新聞2019年5月19日付 pic.twitter.com/9oFj6tTp35— 蒼龍昇 (@aogami_noboru) May 18, 2019
- 2019年4月10日 投票率8割を超すスウェーデンと日本の違いとは 【インタビュイー】 第一法規株式会社 議員NAVI (政策研究)
- 2019年3月16日 青少年の居場所づくり 全国フォーラム2019 【コメンテーター】 横浜市青年団体連絡協議会 第1分科会 「何が貧困か?」助言者担当
- 2019年1月19日 若者の政治参加 進めるには スウェーデンの取り組みから 【インタビュイー】 公明新聞 公明新聞
- 2018年9月20日 若者の社会参加を! 【インタビュイー】 ボランティア・市民活動情報誌『ネットワーク』
- 2018年5月25日 若者政策推進議連設立 若者の声は政治に届くか 【インタビュイー】 東京新聞 【特報】東京新聞
- 2018年3月 全国高校生マイプロジェクトアワード2019 審査員 【パネリスト】 マイプロジェクト実行委員会 全国高校生マイプロジェクトアワード2019
書籍出版など
こちらですが長引いています。
2018年はスウェーデン視察と大学での初仕事で全然手がつけられませんでした。それを反省して2019年はできるだけ海外視察を入れずに、執筆に力を入れることにしました。
この間、2018年に出版予定だったある単著の話がなくなってしまったことも長引いている原因のひとつです。話がなくなったのは出版業界の不況などを編集者の方からお伺いしていますが、単純に原稿がよくなかったのもあると思います😅
そもそも僕自身、書籍を一本仕上げるという「長距離マラソン」を走り切る体力も方法も、そもそものモチベーションも持ち合わせていなかったのが正直なところです。というのは、スウェーデンの若者の社会参画についてはブログで十分すぎるほど発信してきており、実際に確かな反響を実感していたからです。
ブログも論文も書いてきましたが、「単著」というのは、その間に位置し、論文のような調査の手順や書き方の様式があるわけでもなく、指導教論がつくわけでもありません。なので、長距離マラソンをほぼ伴走者なしで走りきらないといけないのです。
ですので、出すタイミングではなかったと思いながらも、それでも原稿は手元にあったわけですから複雑な気持ちでした。そこで知り合いに相談したところ他の出版社に持ち込んではどうかとアドバイスをいただき、最終的には自分が納得する出版社の編集者さんと組むこととなりました。
2019年はこの単著の原稿と、とにかく向き合いました。素晴らしい編集者に伴走いただきながら、ゴールが見えてきました。2020年に1本デビュー作を世に届けらるように、引き続き頑張ります。
また、他の出版社からも何本か出していく予定です。(引き続きオファーを受付中です。)これまでのブログ記事をまとめたり、noteで連載をしたり、北欧留学にかんする本をまとめたりと、新しいやり方で手掛けることができたらいいですね。
その他、諸々のプロジェクト
ここまで僕の大学の仕事や講演そして執筆活動などをまとめてきましたが、実は僕にとってはこれらと同じくらいに大事で、わくわくしながら取り組んでいるのがこの「その他、諸々のプロジェクト」です。
いくつかこんなプロジェクトが進行中です。
スウェーデン語の教材の翻訳プロジェクト
まずはスウェーデン語の教材の翻訳プロジェクトです。
現在、翻訳が完了し後は世に出すだけのものがあります。それが、スウェーデン若者市民社会庁(MUCF)の”Prata Politik” (政治について話そう)という教員向けの主権者教育の副教材です。
「政治について話そう (Prata Politik)」はこのブログでも何度も紹介してきました。一年半ほど前に、一緒に翻訳してくれる人を募り最終的には3人で翻訳をし終えました。
スウェーデン語の復習も兼ねて、こちらの記事で紹介しているスウェーデン若者市民社会庁が発刊した”Prata Politik” (政治について話そう)という副教材をコツコツと毎日訳すことにしました。もし誰か一緒にやりたい人いたら、知らせてください!
https://t.co/FtJc9myF85— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) August 24, 2018
まとめたものはこちらの研究会で発表させていただきましたが、参加いただいた先生方から「民主主義を教えることが初めてよくわかった」と感想をいただき、改めて訳して良かったと思いました。
早速こんな展開が起きています。
先日の国士舘大学につづき、東洋大学と立教大学でも、スウェーデンの民主主義教育についての話をさせていただきました🙆♀️
たっぺいさん(@tppay )方の翻訳した「政治について話そう」のワークを紹介したり、スウェーデンと日本の特別活動を比較するなど、新しいチャレンジも取り入れました🙆♀️ お疲れ! pic.twitter.com/ZRKX8CXXZV— Kao (@Kao_citizenship) November 12, 2019
現在、どのように公開しようか検討中ですので引き続き温かく見守っていただけたらと思います。
他にもスウェーデンのスタディーサークルのノウハウキットや、スウェーデンの学級会のハンドブックの翻訳などを手掛けたいです。おそらく手を動かして翻訳するには時間を要するので、スウェーデン語ができる翻訳者と協力しながら、監修したりして形にできればと思っています。(協力者募集中)
日本版Vote IT
こちらも以前からやりたいと言い続けているプロジェクトです。Vote ITとはスウェーデンの団体が開発したウェブプラットフォームで、組織の民主的な意思決定のための議論の可視化や投票が可能なグループウェアです。以下の記事でも触れているものです。
関連記事
スウェーデンでは環境みどりの党と社会民主党が実際にこのプラットフォームを利用して政策形成をしています。このプラットフォームの日本語版を作りたいのです。
現在、日本では様々な政治とインターネットをテーマにしたプラットフォームが広がっています。いわゆるポリテックという分野になるのですが、日本では政治情報の提供に特化したもの、政治家主導のプロジェクトを可視化するものなど、情報提供型のものが多いように感じます。「1→多数」の情報提供です。一方でVoteITは、グループウェアなので「多数↔︎多数」であり、情報提供で終わるのでなく意思決定までできるのです。つまり、より個々人の高い参画度が求められます。
これまでのグループウェアはタスクやスケジュール管理、ファイルの共有くらいしかできませんでした。VoteITはそうではなく組織が共同で行う意思決定のための会議やミーティングをオンラインで誰でもアクセスを可能としながら、議論の細分化、多様な投票方法のオプションを提供します。これにより、大組織でありながらもトップダウンではない意思決定が可能となり、複雑な議論が可能となるのです。
VoteITの日本版インスタンスをゲット。投票時の本人確認のためにQRコードでのチェックインを開発中だとか!すげー! pic.twitter.com/BuOejXJvOt
— たっぺい🇸🇪北欧の若者政策の研究者 (@tppay) February 20, 2018
知り合いに声をかけながらゆっくり始めています。大きな構想を描いていく必要があるので、どうぞあたたかく見守ってください。
Crash Course Sociology の和訳
2019年は社会学の基礎をしっかりやり直しました。今年はこの吸収した知識をアウトプットするために、余暇の時間でこれができたらと思っています。Crash Course Sociologyとは、英語の人気YouTubeチャンネル「Crash Course」の社会学編です。
早口の英語ですがテンポの良い明瞭な説明とイメージが好きで、よく聴いています。この和訳の字幕の制作を通じて、社会学の知識を整理したいと思います。とは言え、僕の学位は社会学ではないので、こちらも専門家からの指導をいただきながら取り組めたらと思っています。(社会学の学位をもっている指導者&協力者募集中)
ユースワーク大会に参加したい
2020年の2月の半ばからヨーロッパへ視察に行きます。今回はフランスとベルギーにある、欧州連合と欧州評議会による若者政策のパートナーシップの事務局へ訪問してきます。
これは文教大学での共同研究の一環です。EUの若者政策ではユースワークが主要なアクターとなることが位置づけられ、それを引き継ぐ形で欧州ユースワーク大会宣言が2010年と2015年に行われました。
関連記事
この大会は5年ごとに開催されことになっており、今年は2020年になるので開かれるはずです。その開催に先立って、現在課題となっているEUの若者政策やユースワークについてヒアリングしようというのが、この研究です。研究命題をより明確化して渡航してきます。あわよくば2020年に開催されるユースワーク大会に参加できればと思っております。
スウェーデンおじさんからの脱却へ
以上、ここ数年間でやってきたことと2020年にやりたいことをまとめました。社会の要請なのかなんなのか、ここ数年北欧やスウェーデンが注目されることもあり、様々な機会でお話しさせていただきました。
スウェーデンは日本とは大きく異なるロジックで機能している民主的で進歩的な社会であり、グラウンドブレイキングな視点を提供してくれることは間違いありません。とはいえスウェーデンにはスウェーデンの文脈や社会課題が山積みしており一様に比較できないのは確かです。
それでも「若者の社会参画」は、日本もスウェーデンもあるいは他の国々でも共通の課題として浮き上がっているのは間違いありません。今後は、日本とスウェーデンを超えたより、普遍的な文脈にこのテーマを昇華していくことがぼくにとって中長期的な課題となっていくでしょう。
そのためには、ケーススタディーのアプローチをしつつも、幅広い理論を基礎に論じられるようになら必要があります。教育学のみならず、社会学、哲学、政治学、心理学、経済学、様々な社会科学のディシプリンの中で若者の社会参画を位置付け研究していき、ゆくゆくは英語論文に仕上げて行きたいです。というわけで、海外や国内の博士課程も視野に入れていきます。
もちろん日本の大学で教員になれるに越したことはありませんが、なかなか厳しいですね…。国内だと学費もかかるのでどうしようかなと思っています。
「スウェーデンおじさんからの脱却」を意識しながらも、さらに深めていいきます。
2019年は「静」なる年でしたが、2020年はより動いていくとしましょう。
引き続き応援、よろしくお願いします。