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投票は政治参加の入り口にすぎない|東京新聞にコメントを掲載いただきました

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たっぺい
たっぺい

5月25日(金)の東京新聞の「こちら特報部」にて電話取材していただきました。
コメントをしただけですが、かなりの長文が掲載されているのでこちらでシェアします。

 

以下、本文です。

20代の投票率80%超ースウェーデンは

実は、日本の若者は政治に対して無関心ではないというデータがある。二〇一六年の経済協力開発機構 (OECD)の報告書によると、加盟三十五カ国のう ち「政治に関心がない」と答えた日本の若者(十五~二十九歳)の割合は2%余りでデンマーク、ドイツに次いで二番目に低かった。政治に関心はあっても、投票行動につながっていないことが読み取れる。

ただ、世界を見ても、若者世代の国政選挙の投票率は総じて低く、上の世代と差がある。米国では十八~二十四歳の投票率が56.9 %に対し、二十五~五十歳 は69.7%。英国で十八~二十四歳が39.7%に対 し、二十五~五十歳は62.4%と差が大きかった。

若者が政策提言|政府も団体支援

そんな中、二十代の投票率が80%を超え、若者の政治活動が活発なことで知られるのが北欧のスウェーデンだ。ストックホルム大修士課程で国際比較教育を学んだ大学講師、両角達平さんは「若者団体が普及し、その意見を政策に反映させる仕組みがあるのが大きい」と理由を述べる。 スウェーデンでは、政党青年部や生徒会、地域の若者協議会を傘下に持つ「全国若者団体協議会」が組織され、若者の意見を集約し、政府に提言している。 余暇活動の一環で、若者の二人に一人がこうした団体に属しているという。

政府は、年齢構成などの条件を満たした若者団体に運営費などを補助し、政治やまちづくりの活動を支える。「人口減社会で若者の発言力は小さくなる。権力も資金力もない若者団体には、必要な支援だ」と両角さんは若年層への資源投入を評価する。 一四年に発足した連立政権には、二十四人の閣僚のうち二十代が二人、三十代が三人いた。両角さんは「スウェーデンは、政治家や行政が若者の声を政策に反映させる段階から、若者が当事者として政策決定にかかわる段階に切り替わっている」とみる。五人に一人が外国ルーツという多国籍国家でもあり、若者の政治参加を促す前提には、多様な価値観を大切にする考え方もある。

日本では内閣府が〇九年度から、若者に特化した意見募集の制度として「ユース特命報告員」を設けているが、知名度不足が課題という。中学生から二十九歳まで約三百人が登録するが、回答できる人は限られ、テーマ設定も政府任せとなる。「これだけではだめで、若者の声を聞く多様な手段が必要だ」(両角さん)

「学校の政治的中立」についての方針も、日本とスウェーデンでは大きく異な る。文部科学省は一五年の通知で、高校生に対し、学業に支障がない範囲内で校外の政治的活動を認めたが、学内では禁じている。

「現実の政治を教えてこなかった学校現場で、民主主義や政治リテラシーは育たない」と両角さんは言う。スウェーデンに学校の政治的活動を制限する規定はなく、各政党の議員を平等に学校に招く政治討論会も開かれているという。若者議連の設立は、政治参加を促す契機になるか。

投票は政治参加の入り口

今の政治を変えようと街頭で声を上げている「未来のための公共」の大学三年、馬場ゆきのさん(21)は 「政治の話をしようとすると、相手のシャッターが下りる感じがする。日本は大人もそうで、意見の対立を嫌って避けてしまう傾向が あると思う」と述べる。「議連の設立について「議論は歓迎するけれど、選挙の問題の他にも大切なことがある。学生はアルバイトに追われ、就職した先輩たちも残業続きで眠りに帰る だけと言っている。私たちは政治を考える時間もお金もない。厳しい若者の生活実態も知ってもらった上 で、政治参加の問題を考えてほしい」と願った。

「若者の投票率アップを目的としてはいけない」と 両角さんも言う。スウェーデン政府による政治参画の段階表によれば「投票」は 八段階の下から二番目。そ の先に「フェイスブックでグループをつくる」「政治団体をつくる」といった具体的な行動があるという。

「投票は、政治参加の入り口にすぎない。若者が社会に影響を与える存在と認められ、自分が行動することで、生活が良くなったと実感できることが、本当の意味での政治参加ではないだろうか」と問い掛けた。

デスクメモ

いま国会では、閣僚や 官僚の失言やウソがはびこっているのに、さほど罰せられず、まともな政策議論もない。こんな正義も大義もない国会では、政治に関心がある若者でも嫌気が差す。議連には、現状打破のため、 党利党略を超えて若者の側に立つという強い姿勢を見せてほしい。


ウェブ上での記事はこちらです。

若者政策推進議連設立 若者の声は政治に届くか|【特報】東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2018052502000165.html

 

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