スウェーデンの世界的DJ、Aviciiが突然死。彼の何が世界を熱狂させたのか?

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2018年4月21日、早朝。ひさしぶりに仮想通貨が高騰し、塩漬け状態だった通貨をいくらか売りさばいてしまおうか考えているとき。スウェーデン在住の友人から知らされたのは、Aviciiの訃報でした。

スウェーデンの伝説のDJ、Aviciiが突然の死去

Avicii (アヴィーチー)は、スウェーデン出身の世界的に有名なDJです。オマーンで死が確認され、原因は不明。若すぎる死に世界が驚き、Twitterの接続が一時的に切れるほどに。

【訃報】スウェーデン EDMスターAvicii(アヴィーチー)死去でTwitterが世界的にダウン - NAVER まとめ
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彼の楽曲がどれだけの人に愛されていたかがわかります。

かくいう僕もAviciiには思い入れがあります。なぜなら僕がスウェーデンに留学をし、現地で暮らしていたときにはいつだってAviciiの曲が流れていたからです。2012年から2016年の間にスウェーデン(ヨーロッパの他の国も?)に留学をしていた人ならその特別な意味がよくわかると思います。

ショックすぎて大学の授業も開講できないくらいです。

それじゃまずいので何とかして記事にすることで、気持ちを昇華させたいと思います。

Aviciiとの出会い

僕は、スウェーデン滞在時に(ニワカ)DJをしていました。といっても街中のクラブでとかではなくて、大学の学生パブで毎週木曜日にやらせてもらっていただけです。ですので、毎週プレイリストを作るときに最新の曲をチェックしていました。もちろん主にいわゆる「EDM(エレクトロダンスミュージックの略)」を流していたので、Aviciiのことは自然に知るようになりました。当時は、まだ「EDM」というジャンルが確立している時ではなかったように思います。エレクトロとかテクノ、プログレッシブハウスと呼んでいました。

僕がAviciiを知ったのは、2011年12月に初めてスウェーデンに留学をしたばかりのとき。どこの学生パブ、パーティー、クラブにいっても流れまくっていた曲がこれ。

Avicii – Levels

Levels というこの曲は、中毒性があるメロディーラインで世界中で爆発的にヒットし、クラブではとりあえずこの曲を流せば間違いなしという状況でした。

この曲のみならず、当時David Guetta(以降、ゲッタ)がAviciiをフィーチャリングしていたことでもまた彼の名前を知りました。アルバム『Nothng but the beat』 に収録されている『Sunshine』でフィーチャーされたのがAviciiだったのです。この頃から少しづついわゆる「Avicii的何かへのトランジション」が、僕個人にも世の中的にもあったように思います。

ゲッタのこのアルバムのラインナップをみてもらえばわかりますが、ニッキーミナージュ、Flo Rida、 Taio Cruz、ルダクリス、スヌープ、アッシャー、will I am、などのわかりやすいアメリカのBillbordチャートで上位をしめるポップアーティストばかりが名を連ねています。ゲッタは、Aviciiの火付け役だったともいわれていますがこの時から、所謂、「パリピのクラブミュージック」からAvicii的なEDMへの「バトンタッチ」をしかけていたのかもしれません。

こんな曲を聞いていました

当時、僕がよく聞いていたのはこんな曲でした。

Aviciiの作成したインストとゲッタの絶妙なアレンジで世界的ヒットとなったこの曲は、僕のSpotifyに「Vacker House(スウェーデン語で美しいハウス)」という謎のプレイリストを作らせるほどでした。

さらにうんちくは続きます。

***

マイナーコードのメロディラインが、「パリーピーポー!イェーイ!」的なノリに合うはずないですもんね。Aviciiの「EDM嫌い」はこの時から表面化していたのではないでしょうか。2012年の冬は、Aviciiも影響を受けたとされるSwedish House Mafiaらが大ブームでした。ぼくもライブにいきましたが圧巻でした。ダフトパンク、やDJティエストの影響を受け、Aviciiの曲もまた別のDJにサンプリングしまくられということがEDM界で起き始めました。

例えばAfrojackはこんな感じで。

上述した 『Collide』のAfrojackリミックスは、傑作です。

Leona Lewis – Collide (Afrojack Remix)

原曲の良さを損なわずに、Afrojackっぽさを保ちパーティ感も出しながら隕石のcollideを思わせ曲調はむーーーーーーっちゃいいです。

こんな感じで、Aviciiが手がけた音源を誰かがサンプリングやリミックスした曲を舐め回すように聞いていましたね。それでたまに極上の一曲をサウンドクラウドで発掘した時には、、もう。。

Aviciiらしさとは何か?

では「Aviciiらしさ」とは何か?これに答えるには、以下のつぶやきでリンクしてる記事を読んでもらいたいです。

これはビジネスインサイダーの記者である西山リオさんの記事です。EDM専属ライターになっても良いんじゃないかってくらい、表現が控えめにいって完璧すぎています。

これらの陰鬱さ・感傷さに加えて、ストックホルムの常にフレッシュでマイナスイオンに包まれているような「透明感」を醸し出しているのがAviciiをはじめとする北欧のプログレッシブハウスです。ただの4つ打ちのダンスビートなのに不思議です。

例えばこれらの曲をアコースティックギター調にするとこんな感じになります。(Spotifyのプレイリストからどうぞ)

 

普通に綺麗な曲ですよね…。

美しいストックホルムの街をジョグするとき、日の短い冬の真っ暗な朝方にメトロで通学するとき、旅立つ飛行機の上空から水の都を眺めるとき、朝までのパーティー帰りに朝霧の中を歩いていくとき、そういうシーンに合う曲なんです。

Avicii & Sebastien Drums – My Feelings For You

一方で、普通にイケてる 『My feelings for you 』のようなパーティの前半から中盤にかけて上げていく時にかけたくなるような曲もあれば、ポーター・ロビンソンやZeddが手がけるような「ファイナルファンタジーっぽさ」が漂う曲もあります。

EDM音楽の最大の貢献は、「ダンスのための曲よりかワークアウトするための曲を創ったこと」だと勝手に思っているのですが、もちろんAviciiが立役者であったことは間違い無いでしょう。

「音楽は製作者が育った環境や文化に規定」されるとは、こういうことなんでしょうね。ジンバブエをジョギングしてるときに、Aviciiを流してもなんかしっくりこなかったことも思い出しました。

同じ学生アパートのフロアに住んでいたイタリア人の理系学生ヴァレリオが教えてくれた『Seek Bromance』は、その後も続いた僕らの友情を象徴してくれました。
Bromance (Official Music Video)
 ストックホルムの地下鉄のSkanstull駅からGullmarsplan駅をかける橋を、チャリで渡る光景を思い出させてくれるのは『Silhouettes』。
Avicii – Silhouettes
そしてついには、ストックホルムの夏フェスでAviciiを初めて接見し、拝みました。

I must say Tim did really good job. He was way out of the other DJ’s league. #summerburst #stockholm

Tatsuhei Morozumiさん(@tppay)がシェアした投稿 –

大トリを飾ったこのライブの最後では、ストックホルムへの愛を表現したようなこんな曲が会場全体を包みました。

Avicii – Somewhere In Stockholm ft. Daniel Adams-Ray OFFICIAL MUSIC VIDEO

EDMへの嫌い

2015年には「稼いでいるDJランキング」が公表され、トップのカルビンハリスは、数十億円も稼いでいることが話題となりました。こうしてEDMという音楽ジャンルが確立されていくにつれいて、「アンチ」も増えていきました。

皮肉なことに、Avicii自身はこの動画で描かれているEDM業界の「腐った一面」を心底嫌っていることを引退当時のイタンビューで語っていたのでした。
アンチEDMの風潮があるなか、ぼくも少しづつEDMから離れていたときがありました。その時はちょうどベルリンに移り住んだとき。ベルリンの音楽シーンは、ミニマルテクノ、一点張り。アナーキーで無機質な音の連なりが「ベルリンっぽく」て、それはそれでとてもクールでした。
しかし何ともいえない空虚さがそこにはあって、クールなんだけど、なんだかなぁという感覚があったのです。そのくらいにあの北欧のプログレッシブハウスが恋しくなっていたのかもしれません。

Berlin

Tatsuhei Morozumiさん(@tppay)がシェアした投稿 –

 ベルリンで働いていた時、DJを趣味で始めたばかりのオランダ人の同僚に、オランダ出身のDJであるAfrojackやTiestoの話をしたら「あいつらの曲なんてクソだ!」と一蹴されたことがあります。そんな風に「ベルリンっぽさ」に自己陶酔して、無形の「クールさ」を求め続ける姿勢にいつしか、嫌気がさしていました。
***
Aviciiのような北欧のプログレッシブハウスには、「感情」があるように思います。人のような温かみがあるというか。例えば『Waiting For Love』は曲だけ聞くと、いつも通りキャッチーなメロディに木琴の音でユニークさをひきたてた「音」なのですが、PVを観ると感傷的にならざるをえません。
Avicii – Waiting For Love (Lyric Video)
そりゃ僕の犬好きもありますが、こんな可愛いカートゥーンをプログレッシブハウスのPVにする人なんていますか普通….完全にやられましたよね。。。
たぶん、ベルリンの同僚は「ダセエ!」というでしょう。
けど彼の曲の本当の魅力にはそんな声、どうでもいいかなと思えました。
僕の短くも色濃い、スウェーデン生活に彩りを添えてくれてありがとう!
今でも曲を聴くたびにストックホルムのあの時の情景が繊細に蘇ります。
本当にありがとう!
 Vila i frid

追記:死因は自殺..

Comment

  1. 匿名 より:

    素敵な記事でした!ありがとう!!!
    Avicii だいすきだーーーーー

  2. 両角 達平 たっぺい より:

    嬉しいです!ありがとうございます!

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