返信先: 現代のスウェーデンにおける移民問題について

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#8661 返信

タツマル
キーマスター

ほとけさん

ご質問ありがとうございます。
とても根が深く、複雑な問題であると認識しています。

まず、移民と難民は大きく違うことを認識する必要があるように思います。
「難民」とは、人種、宗教、国籍、政治的意見などの理由で、自国にいると迫害を受けるか、あるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた人です。シリア難民などを筆頭に、アフガン難民など人道的な救済によって保護された人たちです。
ドイツでは、2015年に受け入れた難民の数は遂に100万人を超えました。スウェーデンでは、2015年では16万3千人が難民申請をし、34765人が受け入れられました。今年は3万から5千人が難民申請をするとされています。申請過程にある難民は、申請中はスウェーデンにいる権利があるはずなので、潜在的な滞在者数は申請数とさほど変わらないように思います。
http://www.thelocal.se/20160725/sweden-halves-migration-forecast-for-2016
http://www.migrationsverket.se/English/About-the-Migration-Agency/Facts-and-statistics-/Facts-on-migration/Facts-on-residence-permit-and-migration.html

これに対して、「移民」とは、仕事や教育、よりよい生活環境などを求め、国境を越えて定住する人です。
ここには、留学生、海外労働者が含まれます。EUからの移民も含まれます。2015年は、16976人が労働ビザを習得し、9419人が学生ビザを習得しました。2013年時点においては、ほかのEUの国からスウェーデンに移住したEU民は20712人とされていますが、2014年からEU民は移民局への申請が不要になりました。
また、最近街中で物乞いをしている、ルーマニア出身のロマの人々もこのカテゴリーにはいます。2007年のルーマニア(およびブルガリア)はEU加盟をしたことで、EU域内の労働力移動が自由になったことから、より良い生活環境を求めて、北欧を目指したとされています。

いずれにせよ、スウェーデンでは人口割合でみた外国の背景を持った人口が他のEU諸国と比べても非常に高いです。そして、難民・移民第二世代の子どもがいかにして社会的に統合していくかということは数十年前から課題でした。「分断社会」という言葉がありますが、戦争などで国や人種、家族、文化が「分断」された人が、スウェーデンというまったく異なる社会に包摂することの困難さに直面しているのが現在であると思います。
ほとけさんがされた経験はその一端だったように思います。ぼくも人種差別的な発言は嫌という程浴びてきました。

私が研究対象にしているユースワークは、若者の社会的包摂をその一つの目的にしていますが、万全ではありません。しかし、伝統的な学校やスポーツクラブといった、限られた選択肢よりも若者発の活動を支援できるユースワークは、最善のオルタナティブのようにも思います。ユースセンターで働いていたとき、人種差別的な発言、行動を受けた際に最初はぼくはふさぎこんでいるだけでした。しかし、彼ら彼女らは知らないだけで実は悪気がないこともあると思い、人種差別がなぜポジティブなものではないのか、それからは話すようにしました。
そのような草の根の対話の積み重ねと、諸悪の根源の中東問題の解決が進行しないといけないように思います。

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